起訴されたらどうなるのか|外国人刑事事件の公判の流れを、ご家族に向けて時系列で説明いたします
2026/07/19
「起訴された」というご連絡を受けたとき、多くのご家族は、それが何を意味するのか、そしてこの先どれくらいの時間がかかるのかが分からず、深い不安のなかに置かれます。日本の刑事裁判は、中国の刑事訴訟手続とは進行の仕方が異なる部分が多く、比較しながらご説明することが理解の助けになると考えております。本記事では、起訴から判決に至るまでの流れを、時系列に沿って整理いたします。
起訴の種類と、その後の身柄
起訴には、公開の法廷で審理する公判請求と、書面審理で罰金を科す略式命令請求の二種類がございます。略式であれば、通常は即日に罰金を納付して釈放されます。公判請求の場合、被告人としての勾留に切り替わり、原則として身柄拘束が続きますが、この段階から保釈の請求が可能となります。保釈保証金は事案の性質と資力によりますが、数百万円程度となることが多く、判決確定後に返還されるものでございます。
第一回公判までの期間と審理の進み方
起訴から第一回公判までは、通常1か月半から2か月程度を要します。事実に争いのない事件であれば、第一回公判で証拠調べと被告人質問を終え、その日のうちに結審し、2週間から3週間後に判決という流れが一般的でございます。他方、事実を争う事件では、公判前整理手続に付されることもあり、争点と証拠を整理する期間を含め、判決まで半年から一年以上を要することも珍しくありません。
通訳人が付く手続と、その限界
日本語を解しない被告人には、法廷通訳人が付されます(刑事訴訟法175条)。しかし、法廷通訳人はあくまで法廷内での訳出を担う立場であり、弁護人との打合せや、証拠書類の翻訳までを担うものではございません。ご本人が自らの言い分を弁護人に正確に伝え、証拠の意味を理解したうえで方針を決めるためには、弁護人側で確保した通訳が別に必要となります。この点は、公判の帰趨に直結する実務上の要点でございます。
判決の後に何が起きるか
ここが外国人事件で決定的に重要な点でございます。実刑判決であれば刑の執行が始まりますが、執行猶予付きの判決であっても、刑事手続の終了と同時に入管の手続が始まることがございます。刑が1年を超える拘禁刑であれば入管法24条4号リが、薬物関係の罪であれば同条4号チが、それぞれ問題となります。判決の言渡しの日は、刑事手続の終点であると同時に、入管手続の起点でもあるということを、あらかじめお含みおきください。
ご家族にできること
- 情状証人として法廷でお話しいただくことは、量刑に実際に影響いたします。ご家族の生活状況、支援の意思、監督の体制を具体的に述べていただきます。
- 保釈保証金の準備は、ご家族のご協力なしには進みません。海外からの送金には時間を要しますので、早めのご準備が有効でございます。
- 判決後の在留手続を見据え、在留カード、婚姻・出生に関する書類、納税や社会保険の記録を整えておいていただくことが役立ちます。
当事務所の公判弁護と解決事例
当事務所は、争いのある事件を法廷で徹底的に争う経験と、判決後の入管手続を見据える視点の双方を持って、公判に臨んでまいりました。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の一点ずつを検証し、被告人質問と反対尋問を尽くして、無罪判決を獲得した事例がございます。事実を争う公判は長期に及びますが、争うべき事件は最後まで争うという姿勢を貫いております。
また、裁判員裁判の対象となる重大事件や、国際的に報道された事件への対応経験も重ねてまいりました。法廷での主張と、判決後の在留への影響を一本の線でつなぐことが、外国人刑事弁護の核心であると考えております。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更につきましても、提携の行政書士と連携し、ワンストップでご相談をお受けしております。
おわりに
起訴されたという事実だけで、すべてが決したわけではございません。公判の場で何をどう主張するかによって、量刑も、その後の在留の可能性も変わってまいります。ご家族の不安に、一つずつお答えしてまいりますので、まずは状況をお聞かせください。
なお、本記事は令和8年7月時点の法令に基づく一般的な解説であり、個別の事案につきましては弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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