入管法24条4号リの構造を読み解く|「1年を超える拘禁刑」と執行猶予の除外規定
2026/07/17
外国人の刑事事件で最も問題となる退去強制事由の一つが、入管法24条4号リでございます。「無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者」という文言は一見単純に見えますが、執行猶予との関係を正確に理解しなければ、在留の可否を見誤ります。本記事では、この4号リの構造を条文に即して整理し、実務でどのように読み解くべきかを解説いたします。競合する解説では見落とされがちな、号ごとの精査の重要性をお伝えするものでございます。
「1年を超える」の意味
4号リが対象とするのは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者でございます。ここでいう「1年を超える」とは、宣告された刑期を指します。したがって、罰金や、1年以下の拘禁刑にとどまる場合には、原則としてこの号には該当いたしません。もっとも、詐欺・窃盗・偽造など法定刑の重い罪では、量刑しだいで1年を超える拘禁刑が現実の問題となります。
執行猶予の除外規定
4号リには重要な除外規定がございます。刑の全部の執行猶予を言い渡された場合には、この号には該当しないとされております。すなわち、1年を超える拘禁刑であっても、その全部に執行猶予が付されれば、4号リによる退去強制事由には当たらないのでございます。ここが「執行猶予なら安心」という理解が部分的に成り立つ場面でございます。しかし、この理解を全ての罪に一般化してはなりません。
号ごとに構造が違う
注意すべきは、退去強制事由は号ごとに構造が異なる点でございます。4号リには執行猶予の除外がございますが、4号チ(薬物・銃刀法違反等)は刑の重さや執行猶予の有無を問わず該当し得ます。したがって、薬物事件では執行猶予でも退去強制の対象となり、4号リの除外規定は働きません。「執行猶予=在留安全」という一般化が誤りとなるのは、まさにこの号ごとの違いを見落とすからでございます。当事務所が、各事件で問題となる号を特定し、その号の構造に即して弁護方針を組み立てる理由もここにございます。
故意・過失要件論という論点
さらに進んで、退去強制事由の判断そのものに責任主義の射程が及ぶべきではないかという論点がございます。入管実務は、退去強制事由の判断に故意・過失を要件としないとしてまいりましたが、松村大介弁護士は、この枠組みを問う訴訟を現在係争中でございます(事例D-2)。結論を予断するものではございませんが、この論点は、刑事段階から故意・過失を争うことが将来の入管手続の基礎になるという、実務上の含意を持っております。
当事務所のご案内と解決事例
松村大介弁護士は、難関とされた在留特別許可を1度で獲得した事例(事例D-1)を有し、退去強制事由の故意・過失要件を問う訴訟を係争中でございます(事例D-2)。号ごとの構造を踏まえた精査は、当事務所の弁護方針の中核でございます。松村大介弁護士が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、提携の行政書士とともに在留手続にも対応いたします。起訴前の不起訴獲得を最優先に据えつつ、万一に備えた入管手続の設計まで一貫して行います。
おわりに
入管法24条4号リは、条文の文言だけを読むと単純に見えますが、執行猶予の除外や号ごとの構造を踏まえて初めて正確に読み解けます。在留を守るためには、この構造の理解に立った弁護が不可欠でございます。ご不安のある方は、どうか早い段階でご相談ください。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。
過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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