「取調べに通訳がいるから安心」は本当か|通訳の質が供述調書を左右する
2026/07/10
(2026年7月時点の情報に基づく一般的解説)
1. はじめに
取調べには通訳が付くのだから、言葉の面は心配ない。そう考えて、通訳の質にまで気を配らないまま取調べに応じてしまう方は少なくありません。しかし、通訳を介した供述調書は、わずかな訳出のずれが後の公判で致命傷になることがあります。本記事は、外国人事件における通訳の問題と、なぜ依頼者側の通訳が重要なのかを整理します。
2. 捜査機関側の通訳の限界
警察・検察が手配する通訳人は、必ずしも法律用語の専門家とは限りません。また、中国語といっても地域による差異は大きく、方言への対応が十分でない場合もあります。取調べは、その場のやり取りが日本語の供述調書として記録され、ご本人はその内容を十分に確かめられないまま署名を求められることがあります。ここで生じた訳出のずれは、後から訂正することが容易ではありません。
3. 供述調書が後の公判を縛る
いったん作成された供述調書は、その後の公判で重要な証拠として扱われます。「そういう意味で言ったのではない」という食い違いが、通訳を介したがゆえに生じ、それが故意や関与の認定に影響することがあります。とりわけ、認識の有無が争点となる事案では、微妙なニュアンスの訳出が、有罪・無罪や退去強制の帰趨を分けかねません。
4. 依頼者側の通訳を確保する意味
だからこそ、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を確保することが重要です。接見や打合せで、弁護人がご本人の言い分を正確に把握し、供述調書の内容と食い違いがないかを丁寧に確認していく。この積み重ねが、供述の正確性を担保し、後の防御の基礎を作ります。
5. 当事務所のご案内と解決事例
当事務所には、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関側の通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く通訳を、刑事手続の全般にわたってご利用いただけます。松村大介弁護士は、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)の事案で、認識や事実関係を丁寧に争って無罪判決を獲得した経験があり、供述の正確性がいかに結果を左右するかを、実務の中で見てまいりました。接見の初動から公判の結審まで、松村弁護士が全工程を直接担当いたします。
当事務所の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。刑事手続の終了後は、提携の行政書士により在留資格の更新・変更等にもワンストップで対応いたします。
6. 結語
言葉の壁は、外国人事件における最も見えにくい落とし穴の一つです。通訳がいるから安心と考えず、ご本人のために動く通訳を確保することが、供述の正確性と公正な手続を守る第一歩になります。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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