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「日本人と結婚していれば強制送還されない」は本当か|配偶者ビザと退去強制の関係

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「日本人と結婚していれば強制送還されない」は本当か|配偶者ビザと退去強制の関係

「日本人と結婚していれば強制送還されない」は本当か|配偶者ビザと退去強制の関係

2026/06/28

日本人と結婚しているのだから、たとえ事件を起こしても強制送還されることはない。そう信じておられる方は少なくありません。日本人配偶者がいることは、在留を考えるうえで確かに重要な事情です。しかし、それだけで退去強制を免れると考えるのは危険です。本記事は、配偶者ビザと退去強制の関係について、よくある誤解を解く形で整理するものです。

配偶者であることは「絶対の盾」ではない

「日本人の配偶者等」という在留資格を持っていても、退去強制事由に該当すれば、退去強制手続の対象となり得ます。たとえば、入管法24条4号リは、無期または1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象としており、薬物に関する罪では4号チにより刑の軽重を問わず対象となり得ます。日本人と結婚していることは、こうした退去強制事由の該当性そのものを打ち消すものではありません。婚姻関係があることは、後に述べる在留特別許可の場面で重く考慮される事情ではありますが、入り口の段階で自動的に送還を止めるものではないのです。

在留資格の取消し・更新拒否というもう一つの経路

退去強制に至らない場合でも、注意すべき経路があります。一つは在留資格の取消し(入管法22条の4)で、婚姻の実態がないと判断されたような場合に問題となります。もう一つは在留期間の更新拒否(入管法21条)で、更新の審査では素行が見られるため、有罪や前科が不利に評価されることがあります。「結婚しているから安心」と考えて刑事手続を軽く見ると、退去強制ではない別の経路で在留を失うことがあるのです。

だからこそ不起訴処分を目指す

日本人配偶者がいる方こそ、刑事事件では起訴前の段階で不起訴処分を得ることを最優先に置くべきです。不起訴となれば前科がつかず、退去強制事由への該当も、在留審査での不利な評価も避けやすくなります。執行猶予が付けば安心だと考えるのは、入管法の構造を踏まえていない見方です。婚姻関係という大切な事情を、刑事と入管の双方で最大限に生かすためにも、初動からの一貫した戦略が必要です。

在留特別許可における婚姻関係の意義

仮に退去強制手続に進んでしまった場合でも、日本人配偶者がいることは、在留特別許可を求めるうえで重く考慮される事情です。婚姻の実態の有無、子の有無や養育状況、在日期間、発覚の経緯などが総合的に判断されます。出入国在留管理庁は過去の許可事例を公表しており、これらは行政自身が許可相当と判断した先例として、平等な取扱いを求める根拠にもなり得ます。婚姻関係は、入り口で自動的に送還を止めるものではありませんが、最後の場面で道を開く重要な事情になり得るのです。

当事務所のご案内と解決事例

舟渡国際法律事務所では、日本人配偶者や子のいる外国人の方の事案に数多く取り組んでまいりました。たとえば、観光目的で来日した方が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案で、婚姻・認知の手続を整え、過去の入管庁公表事例を分析して在留特別許可を一度の申請で獲得した事例があります。また、強制退去の危機にある方について、退去強制事由にも故意・過失を要件とすべきだという論点を問う訴訟を係争中です。松村大介弁護士が接見の初動から全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳とともに対応いたします。刑事手続終了後の在留資格の手続については、提携の行政書士と連携してご支援いたします。

おわりに

日本人との婚姻は、在留を守るうえで大切な事情ですが、それだけで送還を免れる「絶対の盾」ではありません。だからこそ、刑事の段階から不起訴を目指し、婚姻関係という事情を最大限に生かす戦略が重要になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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