「すぐ認めて謝れば早く出られる」は本当か|自白偏重が外国人事件で生む落とし穴
2026/06/28
逮捕されたご本人やご家族から、よく聞かれる言葉があります。「早く認めて謝れば、すぐ出してもらえるのではないか」。一刻も早く解放されたいという気持ちは当然です。しかし、この考えには大きな落とし穴があります。本記事は、外国人事件で特に深刻な結果を招きかねない「自白偏重」の危うさを、誤解を解く形で整理するものです。
「認めれば早く出られる」とは限らない
まず、事実を認めたからといって、必ず早く身柄が解かれるわけではありません。勾留するかどうかは、証拠を隠したり逃亡したりするおそれの有無などから判断されるものであり、認めたか否かだけで決まるものではありません。むしろ、よく理解しないまま事実を認める供述をしてしまうと、それが調書として固定され、後から「実はそうではなかった」と説明しても、信用されにくくなることがあります。早く出たい一心での安易な自白が、かえって長く重い結果を招くことがあるのです。
外国人事件では結果が在留に直結する
日本人の事件であれば、認めて反省を示し、軽い処分で終われば、それで解決といえる場合もあります。しかし外国人の事件では、そうとは限りません。罪名によっては、有罪となれば、執行猶予が付いても、罰金で済んでも、退去強制の対象となり得ます。安易に認めた結果として有罪となり、その有罪を理由に在留資格を失う、という事態が現実に起こり得るのです。「早く出る」ことだけを目標にすると、「日本に居続けられるか」という、より大切な目標を見失いかねません。
本当に目指すべきは不起訴処分
外国人事件で本当に目指すべきは、その場の早期解放ではなく、起訴前の段階で不起訴処分を得ることです。不起訴となれば前科がつかず、その後の在留審査における素行への打撃も抑えられます。そのためには、事実関係に争う余地がないかを冷静に検討し、争いがない場合でも、示談や再発防止の取組みなどを通じて、起訴を避ける方向で活動することが必要です。何を認め、何を争うかは、入管法の構造まで見据えたうえで、慎重に判断すべき事柄です。
通訳の質という見落とされがちな問題
外国人事件では、通訳の質も結果を左右します。捜査機関が手配する通訳を介した取調べでは、本人の意図とは違うニュアンスで「認めた」と記録されてしまうことがあります。後の手続でその調書が証拠として使われると、訂正は容易ではありません。ご本人の側に立つ通訳の存在が、こうした危険を避けるうえで重要になります。
当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所では、安易な自白に頼らず、争うべき点を見極める弁護に取り組んでまいりました。たとえば、特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案で、不当な取調べに抗議しつつ主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を得た事例があります。また、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠を徹底的に分析し無罪判決を得た事例もあります。松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳とともに、ご本人の真意を正確に手続へ反映させてまいりました。刑事手続終了後の在留資格の手続については、提携の行政書士と連携してご支援いたします。
おわりに
「早く認めて謝れば早く出られる」という考えは、外国人事件では特に危険な誤解になり得ます。本当に守るべきは、目先の解放ではなく、その先の在留と人生です。何を認め、何を争うかは、専門家とともに慎重に判断してまいりましょう。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京にて中国人の方をサポート
東京を中心に刑事事件の弁護
----------------------------------------------------------------------