児童ポルノ・児童買春事件で逮捕された外国人の方へ|社会的法益と在留審査の厳しさ
2026/06/28
児童の保護にかかわる事件は、社会の関心が高く、刑事処分も在留審査も厳しく扱われる類型です。外国人の方の場合、有罪となれば在留資格の維持が極めて困難になることがあります。本記事は、この種の事案で逮捕されたご本人と、その知らせに動揺されているご家族のために、手続の流れと、社会的法益にかかわる事件特有の難しさを、冷静に整理するものです。本記事は法的解説を目的とし、特定の個人を非難するものではありません。
想定される刑事手続の流れ
児童ポルノの所持・提供・製造や児童買春は、児童買春・児童ポルノ禁止法により処罰され、行為の態様に応じて拘禁刑や罰金が定められています。逮捕後は取調べが行われ、逮捕から72時間以内に勾留の要否が判断されます。この類型は捜査が長期に及ぶこともあり、データの解析結果などが証拠となります。どの行為が、どの構成要件に当たるのか、故意があったといえるのかを、初動の段階から丁寧に整理することが重要です。
社会的法益にかかわる事件の在留リスク
犯罪は、保護しようとする法益の性質によって、被害者個人の利益を守る個人的法益への罪と、社会全体の利益を守る社会的法益への罪とに分けて考えることができます。児童保護にかかわる事件は、社会の健全な育成という社会的法益の色彩が強い類型とされます。社会的法益への罪では、被害者個人との示談だけでは反社会性が解消されたと評価されにくく、在留審査でも素行不良との評価を受けやすい傾向があります。結果として1年を超える拘禁刑の実刑となれば入管法24条4号リにより退去強制の対象となり得るほか、在留期間の更新・変更の審査でも厳しい評価を受けやすい類型です。
不起訴処分の重要性と弁護の方針
社会的法益にかかわる事件であっても、起訴前の段階で不起訴処分を得ることが、在留を守るうえで最も重要であることに変わりはありません。事実関係に争いがある場合は構成要件該当性を丁寧に検討し、争いがない場合でも、再発防止の取組みや専門的な治療・支援につなぐことなどを通じて、起訴を避ける方向で活動します。外国人事案では執行猶予を最終目標とせず、不起訴の獲得を最優先に置くことが、在留の喪失という最悪の結果を避けるための基本姿勢です。
初動で押さえておきたい3つのこと
第一に、黙秘権があります。専門的な解析や複雑な事実関係を伴う事案では、不正確な供述が後に大きく響くことがあります。第二に、早期の弁護人選任です。捜査が広がる前に方針を定めることが、その後の選択肢を左右します。第三に、通訳の質です。微妙なニュアンスを含む供述ほど、当事者の側に立つ通訳の存在が、調書の正確さを支えます。
当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所は、世間の注目を集めた事件や裁判員裁判対象事件を含め、重大事案に数多く対応してまいりました。中国籍の方の重大事件への対応経験も豊富です。また、不法滞在で起訴され強制送還の危機にあった方について、過去の入管庁公表事例を分析し在留特別許可を一度の申請で獲得した事例や、特殊詐欺の出し子とされた依頼者について状況を総合的に主張し不起訴処分を得た事例もあります。難しい類型であっても、争うべき点と整えるべき事情を見極め、刑事と入管の双方を一体で見据えた対応を続けてまいりました。
当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語専属通訳も常駐しており、依頼者ご本人のために動く立場で手続全般に対応いたします。刑事手続終了後の在留資格の手続については、提携の行政書士と連携してご支援いたします。
おわりに
児童保護にかかわる事件は、刑事と在留のいずれにおいても厳しい評価を受けやすい類型です。だからこそ、初動の段階から正確な事実整理と、不起訴を見据えた一貫した方針が欠かせません。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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