「罰金で済んだから在留は安心」は本当か|外国人事件で見落とされる落とし穴
2026/06/27
「正式な裁判にはならず、罰金で済んだ。だからもう大丈夫」。外国人の刑事事件では、こうした安心が必ずしも正しくないことがあります。罰金や略式命令で手続が終わっても、在留資格の場面では別の評価が待っていることがあるのです。本稿では、この誤解の構造を整理いたします。
1. 「罰金で済む」とはどういうことか
比較的軽い事件では、正式な公判を開かず、書面審理で罰金を科す略式命令という手続がとられることがあります。身柄も早く解放され、ご本人にとっては「軽く済んだ」と感じられます。しかし、略式命令による罰金も、れっきとした有罪であり、前科として記録されます。ここが、在留資格との関係で重要になります。
2. なぜ在留資格では「安心」とは限らないのか
在留資格の更新や変更の審査では、入管が独自にご本人の素行を評価します。罰金にとどまる事件でも、その内容によっては「素行が善良とは認められない」と判断され、更新が認められないことがあります(入管法21条)。さらに、薬物関係の有罪は、罰金であっても退去強制の対象となる構造があり(入管法24条4号チ)、「罰金だから大丈夫」とは到底言えない類型も存在します。刑事処分の軽さと、在留資格への影響の重さは、必ずしも比例しないのです。
3. だからこそ「不起訴」を目指す
この落とし穴を避けるために、外国人事件では、罰金で終わらせること以上に、不起訴処分を獲得することが重要になります。不起訴であれば前科はつかず、在留資格の審査での評価も大きく変わります。「罰金で構わない」と早々に受け入れてしまう前に、不起訴の可能性を尽くせないか、入管法の構造を理解した弁護人とともに検討することをお勧めします。
4. 誤解を避けるための初動
第1に、軽い処分の見込みであっても、在留資格への影響まで確認できる弁護人に相談することです。第2に、取調べでは黙秘権を行使し、安易に事実を認める供述を避けることです。第3に、ご本人のために動く通訳を確保し、経緯を正確に伝えることです。
6. 当事務所のご案内と解決事例
当事務所(舟渡国際法律事務所・東京都豊島区)は、刑事処分とその先の在留資格を一体的に見据えた弁護を行ってまいりました。
特殊詐欺の受け子で複数回再逮捕された事案でも、取調べへの的確な対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例がございます。
観光目的で来日した相談者が在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案で、未了であった婚姻・認知の手続を当局と交渉して成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析することで、難関とされた在留特別許可を一度で獲得した事例がございます。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。
当事務所では、目先の処分の軽重だけでなく、その処分が在留資格にどう響くかを必ず確認したうえで方針を立てます。「軽く済んだはずなのに在留が認められない」という事態を避けるため、刑事と入管を切り離さない弁護を心がけております。
万一、刑事手続終了後に退去強制手続へ進んでしまった場合にも、在留特別許可の獲得実績を踏まえて対応いたします。在留資格の更新・変更については、提携の行政書士と連携し、刑事手続終了後までワンストップでお支えいたします。
7. おわりに
「罰金で済んだ」という安心の裏に、在留資格という見えにくいリスクが潜んでいることがあります。早めに確認しておくことが、後悔のない選択につながります。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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電話番号 :050-7587-4639
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