「弁護士なら誰でも同じ」は外国人事件で通用するか|入管法の知識が結果を分ける理由
2026/06/25
費用だけで選んで大丈夫か
刑事事件で弁護士を選ぶとき、費用の安さや手早さだけで判断してしまう方がいます。日本人の通常の刑事事件であれば、それでも大きな問題が生じないこともあります。しかし、外国人の事件では、刑事手続の先に入管の手続が控えているため、入管法の知識の有無が結果を大きく分けます。本記事は、この点をできるだけ具体的に整理いたします。
「執行猶予で安心」という落とし穴
刑事弁護に慣れた弁護士でも、入管法の構造に通じていないと、執行猶予の獲得をゴールにしてしまうことがあります。しかし外国人の場合、執行猶予が付いても、言い渡された刑が1年を超えれば入管法24条4号リの退去強制事由に該当しうるほか、薬物や銃刀法などの4号チの類型では、罰金や執行猶予でも退去強制の対象となりえます。「執行猶予が取れたから大丈夫」という説明は、外国人事件では必ずしも当てはまらないのです。
不起訴目標主義という発想
だからこそ、外国人事件では、起訴前の段階から不起訴処分の獲得を最優先目標として弁護方針を組み立てる必要があります。執行猶予を最終目標に据えるのではなく、起訴そのものを回避することで、在留資格の喪失という最悪の事態を防ぐ。この発想の有無が、結果を大きく左右します。入管法24条各号の構造を正確に理解している弁護人でなければ、この目標設定自体ができません。
刑事段階から入管を見据える
外国人刑事弁護は、刑事手続と入管手続が表裏一体です。仮に刑事で有罪となった場合に備え、示談書、贖罪寄付の受領証明、反省文、身元引受書などの証拠を刑事段階から整え、後の入管手続での主張の基礎を作っておく必要があります。さらに当事務所は、退去強制事由の判断にも責任主義の射程が及ぶべきではないかという論点を重視し、関連する訴訟を係争中です(結果を予断するものではありません)。こうした視座は、入管法に深く取り組んでこそ持ちうるものです。
当事務所の実績
松村大介弁護士は、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で無罪判決を獲得した事例、不法滞在で起訴された方に在留特別許可を一度の申請で獲得した事例、不法就労助長の冤罪事案で従来の入管実務を問い直す訴訟を係争中であるなど、刑事と入管の双方を貫く実績と視座を有します。当事務所では、松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し(事務員や若手弁護士による代行を行いません)、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の手続は、提携の行政書士と連携いたします。
おわりに
外国人事件では、「弁護士なら誰でも同じ」とは限りません。入管法の構造を踏まえ、不起訴と在留の双方を見据えた弁護人を選ぶことが、ご本人の将来を守る鍵になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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