ナイフの携帯・所持で銃刀法違反に問われた外国人の方へ|軽く見えて在留を直撃する類型
2026/06/25
はじめに
護身用のつもりで持っていた折りたたみナイフ、仕事で使う刃物を車に積んだまま移動していた。こうした事案が、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)違反として摘発されることがあります。「使うつもりはなかった」という方が大半ですが、外国人の方にとって、この罪は刑の重さの見た目以上に在留資格を直撃する点に注意が必要です。本記事は、銃刀法違反に問われた外国人の方とご家族に向けたものです。
銃刀法違反の基本構造
刃体の長さが6センチを超える刃物を正当な理由なく携帯すると銃刀法違反となり、刃物の種類や態様に応じて拘禁刑または罰金が定められています。刃体の長さが6センチ以下でも、軽犯罪法による規制が及ぶ場合があります。「正当な理由」があったかどうかが争点になりやすく、職務上の必要性や運搬の態様を具体的に主張・立証できるかが結果を分けます。逮捕されれば勾留により身柄拘束が続くこともあり、初動の対応が重要です。
なぜ在留資格を直撃するのか
銃刀法違反は、入管法24条4号チに明文で列挙された退去強制事由の一つです。4号チは、薬物事犯や銃刀法違反などについて、刑の軽重を問わず有罪となれば退去強制の対象としうる構造になっています。1年を超える拘禁刑を要する4号リと異なり、4号チは罰金でも、執行猶予でも、退去強制事由に該当しうるという点が決定的に重要です。「軽い罰金で済んだ」という安心が、在留資格喪失の引き金になりかねません。
不起訴を最優先に
以上の構造からすれば、銃刀法違反では、有罪となること自体が在留にとって致命傷になり得ます。したがって弁護方針は、起訴猶予や嫌疑不十分による不起訴の獲得を最優先に組み立てます。正当な理由の存在、携帯の一時性・偶発性、再発防止の環境などを、検察官に対して早期かつ具体的に示すことが要となります。執行猶予を取りに行く発想では、在留は守れません。
退去強制でも故意・過失を問う視点
当事務所は、退去強制事由の判断に責任主義の射程が及ぶべきではないか、すなわち故意・過失を問うべきではないかという論点を重視しております。実際、不法就労助長の事案で、退去強制事由には故意・過失が不要とする従来の実務を問い直す訴訟を係争中です。銃刀法違反でも、所持の認識や正当理由の評価をめぐり、刑事段階から故意・過失を丁寧に争っておくことが、仮に有罪となった場合の入管手続での主張の基礎になります。なお、本論点は現在係争中であり、結果を予断するものではありません。
初動の3点と当事務所の実績
- 黙秘権を理解し、所持の経緯や目的について不用意に語らない。
- 早期に弁護人を選任し、正当理由の主張の見通しを立てる。
- 信頼できる通訳を確保し、調書の正確性を担保する。
松村大介弁護士は、薬物事犯について、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者に無罪判決を獲得した実績があり、4号チ関連の重い類型における防御に強みを有します。また、不法滞在で起訴された方に在留特別許可を一度の申請で獲得した事例もございます。当事務所では松村弁護士が全工程を直接担当し、中国語専属通訳が常駐、刑事手続後の在留手続は提携行政書士と連携して対応いたします。
おわりに
銃刀法違反は、刑の見た目の軽さに油断すると在留を失う、外国人事件の典型的な落とし穴です。不起訴を最優先に、早期にご相談ください。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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東京にて中国人の方をサポート
東京を中心に刑事事件の弁護
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