痴漢・迷惑防止条例違反で逮捕された外国人の方へ|否認事件と在留資格の両面から考える
2026/06/25
この記事を読まれているご本人・ご家族へ
満員電車での痴漢の疑い、あるいは不同意わいせつの疑いは、身に覚えがないまま現場で取り押さえられ、そのまま逮捕に至ることがあります。外国人の方の場合、言葉の壁から状況を十分に説明できず、不利な供述だけが残ってしまう危険が特に高い類型です。本記事は、痴漢(多くは各都道府県の迷惑防止条例違反)や不同意わいせつ罪に問われた外国人の方とご家族に向けて、争い方と在留資格への影響を整理いたします。
痴漢事件の刑事手続
痴漢行為は、態様によって各都道府県の迷惑防止条例違反、または刑法上の不同意わいせつ罪(6月以上10年以下の拘禁刑)として扱われます。条例違反でも拘禁刑や罰金が定められており、決して軽い事件ではありません。逮捕後は勾留により最大20日間身柄が拘束されることがあり、否認すると勾留が長引きやすいのが実情です。痴漢事件は物証が乏しく、被害申告と被疑者の弁解が真っ向から対立することが多いため、初期段階での証拠保全と一貫した主張が極めて重要になります。
外国人にとっての在留リスク
不同意わいせつ罪で有罪となり、言い渡された刑が1年を超えれば、入管法24条4号リの退去強制事由に該当しうるため、執行猶予が付いても在留資格を失う危険があります。罰金にとどまった場合でも、わいせつ事犯の有罪歴は在留期間更新の審査で素行不良と評価され、更新拒否や在留資格の変更不許可につながることがあります。「罰金で済んだから大丈夫」とは限らない点に、外国人事件特有の落とし穴があります。
不起訴を目指す弁護活動
身に覚えのない事件であれば、嫌疑なし・嫌疑不十分による不起訴を目指して、防御の証拠を早期に固めます。一方、行為自体は争わない事件では、被害者との示談と宥恕の獲得により起訴猶予の不起訴を目指します。いずれの方向でも、外国人事件では執行猶予ではなく不起訴の獲得そのものが在留継続の生命線です。痴漢事件は時間との勝負であり、初動の遅れが取り返しのつかない結果を招きます。
初動の3つのポイント
- 黙秘権を正しく理解する。否認するにせよ認めるにせよ、不用意な供述は避け、弁護人と方針を決めてから対応します。
- 早期に弁護人を選任する。被害者側との接触は必ず弁護人を介し、当事者が直接連絡を取ることは避けます。
- 質の高い通訳を確保する。微妙な事実関係を扱う痴漢事件では、訳出の正確さが調書の信用性を左右します。
当事務所の実績
松村大介弁護士は、特殊詐欺の出し子に関わったとされた20代女性について、本人の主観的事情を総合的に主張して不起訴処分を獲得した事例や、受け子で複数回再逮捕された事案で全件の不起訴処分を獲得した事例など、起訴前の防御に厚い実績を有します。また、日本人配偶者や子のいる外国人の在留が問題となった事案で、入管当局と粘り強く交渉し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例もございます。これらは、刑事手続と入管手続を一体で見据える当事務所の姿勢の表れです。
当事務所では、松村弁護士が初動の接見から公判まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の手続は、提携の行政書士と連携して対応いたします。
おわりに
痴漢・わいせつ事件は、最初の対応の質が結果を決めます。否認・認否いずれの場合も、早期の弁護人選任が在留資格を守る第一歩です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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