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税金の申告漏れはいつ刑事事件になるのか 修正申告と査察の分かれ目

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税金の申告漏れはいつ刑事事件になるのか 修正申告と査察の分かれ目

税金の申告漏れはいつ刑事事件になるのか 修正申告と査察の分かれ目

2026/09/01

売上の一部を申告していなかった、経費を多めに計上した、現金取引の分を帳簿に載せていなかった。日本で会社や店を経営する中国籍の方から、こうしたご相談をいただくことがあります。中国語圏でも「日本 逃税 被抓会怎么样」という検索が続いています。日本では、申告の誤りの大半は税務署による是正で完結し、刑事事件になるのは一部です。しかし、その一部に入ってしまうと、経営者本人の刑事責任だけでなく、会社の存続と在留資格の双方が同時に危うくなります。この記事では、行政上の是正で終わる場合と刑事に進む場合の分かれ目を整理します。

税務調査と犯則調査は別の手続である

税務署の職員が帳簿を見に来る通常の税務調査は、正しい税額を確定させるための行政手続です。ここで指摘を受ければ、修正申告をして本税と加算税、延滞税を納めることで終わります。これに対し、国税局の査察部門が行う犯則調査は、刑事告発を前提とした手続で、裁判官の許可状に基づく捜索や差押えを伴います。玄関先で提示される書類の種類が違い、任意の協力を求められているのか、令状に基づく強制処分なのかが分かれます。査察が入った段階で、事案はすでに刑事の入口に立っています。ここから先の対応は、税理士の仕事の範囲を超え、弁護士と税理士が役割を分担して進める必要があります。

刑事に進むかどうかを分けるもの

単なる計算誤りや解釈の相違は、刑事事件になりません。分岐点になるのは、第一に、意図的に税を免れる認識があったかどうか、第二に、仮装や隠蔽といった積極的な工作があったかどうかです。二重帳簿を作る、架空の外注先へ支払ったように装う、売上を除外して個人名義の口座に入れる、領収書を偽造する、といった行為は、単なる申告漏れとは区別されます。第三に、免れた税額の大きさと、それが何年にわたって繰り返されたかです。所得税法、法人税法、消費税法にはそれぞれほ脱の罰則が置かれており、法人の代表者や従業員が違反した場合に法人も併せて処罰される両罰の仕組みも設けられています。個人事業と法人のどちらであっても、経営者個人が刑事責任を免れる構造にはなっていません。

修正申告はいつ意味を持つか

調査の前に自ら誤りに気づいて修正申告をした場合と、指摘を受けてから応じた場合とでは、加算税の扱いが異なります。刑事の場面でも、告発前に納付を済ませているかどうかは、起訴するかどうかの判断や量刑に影響します。ただし、査察が入った後の納付は、責任を消すものではありません。重要なのは順序です。資金繰りの見通しを立て、納付の原資を確保し、帳簿と通帳を保全したうえで、どこまでが誤りでどこからが意図的であったのかを、自分の言葉で説明できるようにしておくことです。取調べでは、税理士に任せていたので分からないという説明が繰り返されがちですが、指示の内容や現金の扱いは経営者自身しか説明できません。

経営・管理の在留資格への波及

在留期間の更新や在留資格の変更の審査では、事業の継続性と適正性、そして公的義務の履行状況が見られます。納税や社会保険の状況が更新の判断に影響することは、経営・管理の在留資格を持つ方にとって現実的な問題です。加えて、出入国管理及び難民認定法(入管法)22条の4第5号は、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていない場合の取消しを定めています。刑事事件をきっかけに事業が止まれば、この条項が視野に入ります。出入国在留管理庁の統計では、令和7年の在留資格取消件数1,446件のうち経営・管理は5件、うち中国籍は1件でした。件数としては多くありませんが、令和7年末時点で経営・管理の在留資格を持つ中国籍の方は24,840人おり、事業が止まった状態を放置しないことが実務上の要点です。

刑の重さと退去強制の関係

ほ脱事件は、金額が大きく悪質と評価されれば実刑もあり得ますが、初犯で納付が済んでいれば執行猶予に収まる例も少なくありません。入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としており、但書により全部執行猶予は除かれます。したがって、執行猶予であれば、この条項による退去強制には至りません。もっとも、在留期間の更新が認められるかどうかは別の判断です。刑事の結論と在留の結論を混同しないでください。

ご家族と会社が今日できること

経営者が身柄を拘束されると、給与の支払、仕入先への支払、家賃、従業員の在留資格に関する届出が一斉に止まります。まず、会社の印鑑と通帳の所在、当面の資金、代理で決裁できる方を確認してください。次に、帳簿、請求書、通帳、パソコン内の会計データを廃棄しないでください。捜査後に有利な資料になることがあり、廃棄は証拠隠滅と評価されます。従業員の在留にも影響しますので、雇用を継続できるかどうかの見通しも早めに立てる必要があります。

中文版:日本 逃税 被抓会怎么样?什么时候会变成刑事案件

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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