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身元引受人になれるのは誰か。在留資格のない親族しかいない場合

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身元引受人になれるのは誰か。在留資格のない親族しかいない場合

身元引受人になれるのは誰か。在留資格のない親族しかいない場合

2026/09/01

保釈を請求するとき、あるいは勾留に対して意見を述べるとき、弁護人は身元引受人を立てます。中国語圏のご家族からは、自分は在留資格の期限が切れている、日本語が話せない、親族が日本にいない、といったご事情とともに、それでも引受人になれるのかというご相談をいただきます。身元引受人には法律上の資格要件が定められているわけではありません。裁判所が見ているのは、肩書ではなく、本人の生活を実際に監督できるかどうかです。この記事では、引受人を立てるときの考え方と、引受書に書くべき中身を説明します。

法律上の資格要件はありません

身元引受人について、国籍や在留資格、収入、親族関係といった条件が法律で決められているわけではありません。実務上求められるのは、本人と一定の関係があり、住居を提供するか、日常的に連絡が取れる状態を作り、期日に出頭させることに責任を持てる人です。したがって、日本人でなければならない、正社員でなければならない、といった思い込みは不要です。他方で、名前だけを貸す形の引受書は、裁判所に見抜かれます。書面に書いた監督の方法を、実際に実行できるかどうかが問われます。

裁判所が見ているのは監督の実効性

裁判所は、罪証隠滅のおそれと逃亡のおそれを減らせるかという観点から引受人を評価します。具体的には、本人とどのくらいの距離に住んでいるのか、同居するのか、就労や通学の予定を把握できるのか、事件の関係者と接触しないよう見張れるのか、旅券を預かる用意があるのか、期日に同行できるのかといった点です。抽象的に監督しますと書くのではなく、平日は同じ住居から出勤し、休日は共に過ごし、週に1度は弁護人へ状況を報告するといった、実行可能な形を示すほうが説得力があります。

在留資格のない親族しかいない場合

ご親族が在留期限を過ぎている、あるいは退去強制の手続中であるという場合、その方を引受人に立てることには慎重な検討が必要です。ご自身が出頭を求められたり、収容されたりすれば、監督は続けられません。また、引受人の身分事項は書面に記載されますので、その方自身の入管手続にも影響が及びます。この場合は、引受人の候補を別に探すのが現実的です。同時に、その親族の在留の問題自体をどう処理するかも、早い段階で弁護士に相談してください。放置したまま刑事の手続だけを進めると、後で家族全体の状況が悪化します。

親族以外の候補を探す

親族が見つからない場合の候補は、次のとおりです。

  • 勤務先の経営者や上司。雇用を継続する意思と、出退勤で所在を把握できることを書面にしていただく
  • 学校の教職員や、留学生の支援担当者。在籍の継続と、通学状況の把握について記載を求める
  • 同郷者の団体、宗教団体、外国人支援を行う民間団体
  • 長年の友人や、同居している知人。関係の実態を具体的に説明できることが条件です

いずれの場合も、引受人ご本人が手続の意味を理解し、納得したうえで署名することが前提です。無理を頼んで形だけ整えても、後で連絡が取れなくなれば、かえって不利に働きます。

身元引受書に書くべきこと

引受書は、定型の一行を書いて終わりにするものではありません。次の事項を具体的に書き込みます。第1に、引受人の氏名、住所、職業、本人との関係と、その関係が始まった時期。第2に、釈放後に本人が住む住居の所在と、同居するのか、通える距離なのか。第3に、就労または通学の予定と、その受入れが確定しているか。第4に、事件関係者と接触させないための具体的な方法。第5に、期日への同行と、旅券や在留カードの管理をどうするか。第6に、引受人自身の在留資格や身分に問題がないこと。最後に、これらを守れなかった場合に弁護人へただちに連絡するという約束です。

刑事の身元引受人と、入管の監理人は別のものです

混同されやすい点をお伝えします。刑事手続の身元引受人と、入管の監理措置における監理人は、別の制度です。監理措置は、令和6年6月10日に施行された制度で、収容に代えて監理人の監理のもとで生活することを認めるものです。出入国在留管理庁の公表によれば、施行から令和6年末までの監理措置の決定は1123件で、監理人の9割以上を親族や知人が占めています。刑事の引受人を引き受けてくださる方が、そのまま入管の監理人になれるとは限りませんが、生活の受け皿としての実態が固まっていれば、両方の手続で説明がしやすくなります。

ご家族が今日から準備できること

引受人の候補となる方の氏名、連絡先、本人との関係、住まいの状況を書き出してください。勤務先に依頼する場合は、雇用を続ける意思を書面にしてもらえるかを早めに確認します。住居がすでに解約されているのであれば、釈放後にどこに住むのかを決めておく必要があります。引受人が日本語を話せない場合でも、弁護人が通訳を介して手続を進められますので、その点を理由に諦めないでください。

中文版:谁可以做身元引受人?只有没有在留资格的亲属怎么办

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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