舟渡国際法律事務所

本人が拘束されていても、ご家族が弁護人を選任できます

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本人が拘束されていても、ご家族が弁護人を選任できます

本人が拘束されていても、ご家族が弁護人を選任できます

2026/09/01

逮捕の連絡を受けたご家族から、本人に会えないのに弁護士を頼めるのか、本人の同意がなければ契約できないのではないか、というお尋ねをよくいただきます。日本の刑事訴訟法は、本人のほかに、一定の範囲のご家族が独立して弁護人を選任できると定めています。つまり、本人と連絡が取れない状態でも、ご家族の判断で弁護人を付けることができます。この記事では、選任できる人の範囲、選任の手続の流れ、初回の接見までにかかる時間、そしてご家族が最初に整理しておくべき情報を、中国語圏のご家族に向けて説明します。

選任できるのは本人だけではありません

弁護人を選ぶことができるのは、被疑者・被告人本人のほか、その法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、そして兄弟姉妹です。これらの方は、本人の委任を待たずに、独立して弁護人を選任できます。ここでいう直系の親族には、親と子、祖父母と孫が含まれます。中国にお住まいのご両親からのご依頼でも差し支えありません。注意が必要なのは、婚姻届を出していない交際相手や、友人、勤務先の上司は、この範囲に含まれないという点です。その場合は、ご親族に連絡を取っていただくか、まずご相談の窓口としてご連絡をいただき、弁護士が本人に接見して本人の意思を確認する、という進め方になります。

選任の手続はどのように進むのか

おおまかな流れは次のとおりです。

  • ご家族が弁護士と面談し、事件の概要を伝えて委任契約を結ぶ
  • 弁護士が、本人が留置されている警察署へ接見に行き、本人の意向を確認する
  • 選任の届出を捜査機関または裁判所へ提出する。以後、弁護人として記録の閲覧や意見の提出ができる
  • 本人の署名が必要な書類は、接見の際に取り交わす

ご家族が中国におられ、来日できない場合でも、電話や微信での聞き取りと、書面のやり取りで委任契約を結ぶことは可能です。手続の細部は法律事務所によって異なりますので、最初の連絡の際に確認してください。

初回の接見までにかかる時間

時間の感覚を持っておくことが大切です。逮捕された場合、警察は48時間以内に検察官へ送致し、検察官は自身が受け取ってから24時間以内、かつ逮捕から72時間以内に、勾留を請求するかどうかを決めます。勾留が認められると原則として10日間、やむを得ない事由があるときはさらに10日間まで延長されます。つまり、身柄を取られてから起訴・不起訴が決まるまでは、長くても3週間ほどです。この間に、勾留の裁判に対する不服申立て、被害者との示談、検察官への意見提出を行うことになります。ご家族からのご連絡が1日遅れると、その1日分の手続の機会が失われます。接見禁止が付いてご家族が面会できない場合でも、弁護人の接見は制限されません(刑事訴訟法39条1項)。

ご家族に整理していただきたい情報

弁護士が初回の接見の前に知っておきたいのは、次の事項です。

  • 本人の氏名、生年月日、国籍、留置されている警察署の名前
  • 逮捕された日と、警察から知らされた罪名
  • 在留資格の種類と在留期限、在留カードと旅券が今どこにあるか
  • 勤務先または学校の名称、担当者、無断欠勤や欠席が続いているか
  • 日本国内で同居できる親族の有無、住居の状況、家賃の支払方法
  • 持病、常用している薬、日本語の理解の程度

これらは、勾留に対する意見、保釈の請求、そしてその後の在留手続で、いずれも使う情報です。分かる範囲で構いませんので、書き出しておいてください。

領事機関への通報と、ご家族への連絡

外国籍の方が身体を拘束された場合、本人が要請すれば、領事機関へ通報が行われる仕組みがあります(領事関係に関するウィーン条約36条1項)。もっとも、これは本人の要請が前提であり、自動的に家族へ連絡が行くわけではありません。中国のご家族が、何日も連絡が取れず、事情が分からないまま不安な時間を過ごすことになる背景には、この仕組みの違いがあります。弁護人が付けば、接見を通じて本人の状況をご家族へ伝えることができます。これが、身柄事件で弁護人を早く付けることの実務的な意味の一つです。

費用を負担する方と、依頼者は同じでなくてよい

費用をご家族が負担し、弁護活動の相手方である依頼者は本人である、という形は一般的です。ただし、弁護人が守秘義務を負う相手は本人ですので、ご家族に対してどこまで情報を共有するかは、本人の同意の範囲で決まります。この点をあらかじめ理解しておくと、後の行き違いを避けられます。中国からの送金が必要な場合は、着金までの日数を見込んで早めに準備してください。

中文版:本人被关着,家属可以替他委托律师吗

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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