舟渡国際法律事務所

当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人はどう違いますか。中国語対応の実際

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当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人はどう違いますか。中国語対応の実際

当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人はどう違いますか。中国語対応の実際

2026/09/01

「日本で家族が捕まりましたが、弁護士は付けたほうがよいのでしょうか。国が付けてくれると聞きましたが」。中国語のご相談でくり返し出てくる論点です。日本には、当番弁護士、国選弁護人、私選弁護人という三つの入口があります。似ているようで、呼べる時期も、費用の仕組みも、どこまで面倒を見るかも違います。この記事では三つを比較し、外国人の事件で特に問題になる中国語対応と、刑事の後に続く入管手続まで見るかどうかという視点から、選び方を説明します。

結論:三つは役割が違い、途中で切り替えることもできます

大まかに言えば、当番弁護士は「最初の一回」、国選弁護人は「勾留された後の公的な弁護」、私選弁護人は「最初から最後まで、依頼者が選んだ弁護士」です。当番弁護士に来てもらったうえで、その弁護士を私選で依頼することもできますし、国選から私選に切り替えることもできます。逆に、私選から国選へ移ることは制度上簡単ではありません。まず知っていただきたいのは、迷っている間に時間が過ぎるということです。逮捕から起訴・不起訴が決まるまでは、勾留の延長を含めても最長で20日ほどしかありません。

当番弁護士:逮捕直後に一度だけ、無料で会いに来ます

当番弁護士は、各地の弁護士会が運営する制度で、逮捕された人のもとへ弁護士が一度、費用の負担なく駆けつけます。ご本人が警察官や裁判官に「当番弁護士を呼んでほしい」と伝えれば手配されます。ご家族から弁護士会に申し込む方法もありますが、取扱いは弁護士会によって異なります。最大の利点は、勾留が決まる前の、いちばん動きの速い時期に専門家の説明を受けられることです。留意点は二つあります。第一に、原則として一度きりの派遣であり、その後も弁護活動を続けるには別の手当てが必要になること。第二に、来る弁護士を選べないため、中国語の通訳が同行するとは限らないことです。

国選弁護人:勾留が決まった後に請求します

国選弁護人は、一定の要件のもとで、国の費用により弁護人が付けられる制度です。被疑者の段階では勾留された後に請求でき、起訴された後は被告人としてあらためて選任されます。資力が一定額に満たないことなどの要件があり、判決の際に費用の負担を命じられる場合もあります。国選弁護人は経験豊かな弁護士が担当することも多く、内容が劣るということではありません。実務上の留意点は、担当する弁護士を選べないこと、そして接見に中国語の通訳が同行するかどうかが事件によって異なることです。通訳を伴わない接見では、日本語での意思疎通に限界があり、微妙な事情が伝わらないまま手続が進む危険があります。

私選弁護人:時期を選ばず、内容を決めて依頼できます

私選弁護人は、ご本人またはご家族が弁護士を選んで依頼するものです。最大の違いは時期です。逮捕された当日でも、逮捕される前の任意の取調べの段階でも依頼できます。勾留が決まるまでの最初の数日は、供述の骨格ができる時期であり、ここに弁護人が入るかどうかで結果が変わることがあります。また、依頼の内容を具体的に決められる点も違います。中国語の通訳を同行させること、ご家族への報告を中国語で行うこと、刑事処分の後に続く入管手続まで一貫して見ること、といった条件を最初に取り決められます。費用がかかる点は当然の違いですが、金額は事件の内容によって異なりますので、この記事には記載していません。ご相談の際に個別にご説明します。初回のご相談は無料です。

中国語対応は、事件の結論に直接影響します

取調べには通訳人が付きますが、それは捜査機関側の通訳です。弁護人との接見で使う通訳は別に用意する必要があります。法務省『令和7年版犯罪白書』によれば、令和6年に被告人に通訳が付いた通常第一審の終局人員は4,649人で、通訳の言語は41言語に及び、中国語は726人で第2位でした。第1位はベトナム語の1,794人で、中国語はその半分以下です。「中国語が最も多い」という説明を見かけますが、統計上は誤りです。もっとも、件数が多いか少ないかにかかわらず、ご本人が自分の言葉で説明できる環境があるかどうかは、供述の正確さ、示談交渉の進め方、そして在留についての意思決定に直結します。

入管手続まで見るかどうかという視点

外国人の事件では、刑事の処分が決まった時点で終わりではありません。罪名によっては、罰金や執行猶予でも退去強制の事由に当たる場合があります。たとえば入管法(出入国管理及び難民認定法)24条4号チの薬物関係の事由は、有罪判決があれば足り、在留資格の種類を問いません。反対に、同条4号リは無期または1年を超える拘禁刑が対象で、全部執行猶予の場合は除かれます。この違いを踏まえて刑事の段階から方針を立てるかどうかで、その後の在留の見通しが変わります。弁護人を選ぶときは、刑事だけを見るのか、入管まで見通すのかを、最初に確認してください。

ご家族が今日決めるべきこと

まず、いま弁護人が付いているのかを確認してください。付いていなければ、当番弁護士を呼ぶ方法と、私選で依頼する方法のどちらを取るかを決めます。勾留が決まった後であれば、国選弁護人の請求もできます。次に、事件の性質を踏まえて、通訳と入管対応が必要かを考えてください。最後に、ご家族側の窓口を一人に決めてください。複数の親族がそれぞれ別の弁護士に相談すると、方針が割れて時間を失います。誰が窓口になり、誰が費用を負担し、誰が身元引受けをするのかを、早い段階で家族内で決めておくことをおすすめします。

中文版:当番律师、国选律师、私人委托律师有什么区别

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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