勾留された家族の処分はいつ決まるのか 満期日から逆算する考え方
2026/09/01
「拘留されてどのくらいで結果が分かりますか」というご質問には、実は日付で答えることができます。日本の刑事手続では、起訴するか不起訴とするかの判断は、勾留の期間が満了する日に合わせてされることが多いからです。つまり、勾留の満期日が分かれば、いつ結論が出るかがおおよそ逆算できます。この記事では、満期日の数え方と、その日までに何が動くのかを説明します。
結論 処分は勾留の満期日に決まることが多い
検察官は、勾留の期間が満了するまでに、起訴するか、不起訴とするか、処分を決めなければなりません。身柄を拘束したまま捜査を続けられる期間には上限があるためです。したがって、事件によっては満期日より前に釈放されることもありますが、身柄事件では満期日に近づいてから結論が出るのが通常です。ご家族が「何日で結果が出ますか」と尋ねる場合、答えは「勾留がいつ始まったか」で決まります。
満期日の数え方
勾留は、勾留請求の日から原則として10日間です。逮捕から72時間以内に勾留請求がされますので、逮捕された日を0日目とすると、勾留請求はおおむね2日目から3日目にされます。そこから10日ですから、最初の満期はおおむね12日目から13日目にあたります。延長された場合は更に10日ですから、最終的な満期はおおむね22日目から23日目です。土日祝日も日数に数えます。ご家族は、本人が逮捕された日を起点に、この二つの日を手帳に書き込んでおいてください。この二つの日が、手続上の節目です。
延長の判断はいつ来るか
勾留の延長は、最初の勾留期間が満了する前に、検察官の請求を受けて裁判官が判断します。実務上は、最初の満期日の直前、おおむね9日目から10日目に動きがあります。共犯者がいる事件、通訳を要する事件、国外に関係者や送金がある事件では、延長されることが多いのが実情です。延長を争う場合には、この判断の前に意見を出さなければ間に合いません。逆に言えば、この日程を知っているだけで、弁護人に何をいつまでに用意してほしいかを具体的に依頼できます。
満期日の前に弁護人が動くことの意味
満期日は、検察官が判断を下す日です。したがって、判断の材料はその前に届いていなければ意味がありません。被害者のいる事件であれば、謝罪と被害弁償の申入れ、示談の成立、示談書の提出がこれにあたります。被害者のいない類型であれば、本人が生活の基盤を持っていること、身元引受人がいること、同種の事案を繰り返すおそれがないことを示す資料を、検察官宛ての意見書として提出します。満期日の翌日に示談ができても、処分が決まった後では取り返しがつきません。この時間の使い方が、起訴されるかどうかを分ける場面は実際にあります。
どのような処分の内訳になっているか
法務省『令和7年版 犯罪白書』(対象年次・令和6年)によれば、来日外国人の被疑事件の終局処理人員は1万8,696人で、内訳は公判請求7,153人、略式命令請求836人、起訴猶予7,478人、その他の不起訴2,576人、家庭裁判所送致653人でした。起訴率は44.28%、起訴猶予率は48.35%です。日本人を含む全体の起訴率が40.38%ですから、来日外国人の起訴率はこれを3.9ポイント上回っています。約半数が起訴猶予になっている一方で、起訴される割合は日本人を含む全体より高い。この二つを同時に押さえておくことが大切です。なお、これは統計であって、個別の事件の結果を示すものではありません。
満期日に何も知らされないとき
ご家族には、処分の結果が自動的に通知されるわけではありません。不起訴となって釈放された場合には本人から連絡が来ますが、起訴された場合には、身柄はそのまま拘置所へ移り、そこから公判に向けた手続が始まります。この移動が、ご家族から見ると「また消えた」ように映ります。弁護人がついていれば、満期日当日に処分を確認し、その日のうちに次の見通しをお伝えできます。起訴された場合は、そこで初めて保釈の請求が可能になります。日本には起訴前の保釈という制度はありませんので、勾留の20日間は保釈で出るという選択肢がないことも、あらかじめ知っておいてください。
処分の後に続く在留の問題
刑事の処分が決まると、次に在留資格の問題が来ます。不起訴であっても、在留資格の活動を続けられるかどうかは別に判断されますし、有罪判決を受けた場合には、罪名と刑の重さによって、退去強制の対象となるかが変わります。参考までに、出入国管理統計(令和7年)によれば、退去強制令書の発付を受けた7,722人のうち、単独の事由として最も多いのは不法残留の5,778人であり、1年を超える実刑を理由とするものは41人でした。「刑事事件を起こせば直ちに強制送還」というのは正確ではありません。ただし罪名によっては、罰金や執行猶予でも退去強制事由に該当する類型がありますので、処分が出た段階で改めて確認してください。
中文版:在日本被拘留多久知道结果?如何从羁押期满日倒推处分时间
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舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。
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この記事を書いた弁護士
松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。
本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。
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