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同じ職場で2回目の事件。再逮捕で実習は続けられなくなる

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同じ職場で2回目の事件。再逮捕で実習は続けられなくなる

同じ職場で2回目の事件。再逮捕で実習は続けられなくなる

2026/08/31

同じ職場で二度目の事件が起き、本人が再逮捕されたとき、ご家族と受入企業が直面するのは、刑事処分の見通しよりも先に、実習をどうするのかという現実的な問題です。この記事では、再逮捕が身柄拘束の期間に何をもたらすのか、技能実習という在留資格がどの時点で失われるのか、そして残された出口にどのような選択肢があるのかを、順に整理します。

報道されている経緯

西日本新聞をはじめとする各社は2026年6月10日、福岡市博多区の食品製造会社の事務所で同僚の女性が襲われたとして、中国籍の20歳の技能実習生の男が殺人未遂の疑いで逮捕されたと報じ、同年6月30日には、同じ職場で別の同僚男性を襲ったとして同じ男が再逮捕されたと報じています。逮捕の段階で報じられたものであり、起訴・有罪が確定したものではなく、被疑者には無罪推定が及びます。

再逮捕は、身柄拘束の期間を何倍にもする

身柄拘束の期間は、事件ごとに計算されます。逮捕後、司法警察員は48時間以内に検察官へ送致し、検察官は24時間以内かつ逮捕から72時間以内に勾留を請求します。勾留は原則10日、やむを得ない事由があるときはさらに10日まで延長され、最大20日です。別の事件で再逮捕されれば、この期間が改めて進行します。二つの事件があれば、起訴までに1か月を超えて拘束されることは珍しくありません。

この期間の長さが、実習の継続を事実上不可能にします。刑事処分がどうなるかを待つ余裕は、受入企業の側にはないのが通例です。

技能実習は「活動」に結び付いた在留資格である

技能実習は、実習という活動を行うことを前提に与えられる在留資格です。したがって、身柄拘束や雇用契約の終了により、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていない状態になると、在留資格の取消しが問題になります(入管法22条の4第5号)。正当な理由が認められるかどうかが実務上の争点になりますが、資格が取り消されれば、その後は不法残留の問題に移ります。

出入国在留管理庁の統計では、令和7年の在留資格取消件数は1,446件で過去最高を記録し、うち技能実習が973件、率にして67.3%を占めています。取消事由の内訳は、住居地の届出義務違反等に当たる第6号が999件、活動を行っていないことに当たる第5号が350件です。

監理団体・受入企業への連絡と、混同しやすい用語

受入企業と監理団体には、早い段階で弁護人から連絡を取り、雇用契約の扱い、寮の明渡し、私物と旅券・在留カードの保管について確認しておく必要があります。放置すると、私物が処分され、在留カードの所在が分からなくなるという事態が生じます。

ここで用語を整理しておきます。技能実習の「監理団体」は、実習の実施を監督する民間の団体です。これに対し、入管手続における「監理措置」は、収容に代えて監理人の監督の下で社会内で生活することを認める制度で、まったく別のものです。ご家族が両者を混同すると、必要な相手に必要な連絡ができません。

残された出口の選択肢

第1は、不起訴又は執行猶予を得て、在留資格の変更や別の受入先での再開を目指す道です。ただし実習の再開は制度上も実際上も容易ではなく、他の在留資格への変更が可能かどうかを個別に検討することになります。

第2は、自ら出国する道です。在留資格を失って不法残留の状態になった場合、違反調査が始まる前に自ら地方出入国在留管理官署へ出頭したときは、出国命令の対象となり得ます。出国命令によって出国した場合の上陸拒否期間は1年で、退去強制によって送還された場合の5年と大きく異なります。摘発を待つのか、自ら出頭するのかで結果が変わるということです。

第3は、退去強制手続の中で在留特別許可を求める道です。出入国管理統計(令和7年)によれば、審査、口頭審理、異議申出の各段階を合わせて年間1,030人に在留特別許可が与えられています。在特ガイドラインでは、自ら出頭したことが積極的な要素として明記されており、他方で在留の長期化は消極的な要素とされています。

ご家族と企業に、今お願いしたいこと

ご家族には、旅券と在留カードの所在の確認、寮に残された私物の保全、母国の家族の受入体制の確認をお願いします。帰国を選ぶ場合でも、航空券の手配や受入れの準備には時間がかかります。受入企業には、退職の手続を急ぐ前に、雇用契約の終了時期が在留資格の判断に影響することを踏まえ、弁護人と情報を共有していただきたいと考えています。刑事の見通しと入管の手続は連動していますので、一つの窓口で並行して検討することが、結局は本人にとっても企業にとっても近道になります。

中文版:在同一职场发生第二起案件,再次被捕后实习无法继续

中国語対応の刑事弁護のご相談

舟渡国際法律事務所では、中国語の専属通訳が常駐しており、逮捕直後からの接見、勾留に対する準抗告、被害弁償・示談交渉、不起訴を目指す弁護活動、そして刑事処分の後に続く在留資格の問題まで、一つの窓口で対応しています。刑事事件と入管手続は連続しており、刑事の段階でどのような処分を得るかが在留の帰趨を大きく左右します。初回のご相談は無料です。ご本人が身柄を拘束されている場合は、ご家族からのご連絡でも承ります。

お問い合わせ:舟渡国際法律事務所(東京)/微信ID matsumura1119

この記事を書いた弁護士

松村大介(まつむら・だいすけ)弁護士。第二東京弁護士会所属、登録番号59077。舟渡国際法律事務所。外国人の刑事弁護と入管事件(退去強制、在留特別許可、監理措置、在留資格の取消し)を主要な取扱分野とし、中国語圏のご依頼者からのご相談を数多く受けています。

本記事は一般的な法制度の解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載は執筆時点の法令・統計に基づいています。

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