舟渡国際法律事務所

監理措置と保証金|収容によらない在留管理と、監理人を引き受ける方の責任

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監理措置と保証金|収容によらない在留管理と、監理人を引き受ける方の責任

監理措置と保証金|収容によらない在留管理と、監理人を引き受ける方の責任

2026/08/24

本記事の要点

  • 監理措置は、令和5年の入管法改正で設けられた、収容によらずに退去強制手続を進めるための制度です。
  • 監理措置には、収容令書による収容に代わる局面と、退去強制令書が発付された後の局面の二つがあります。
  • 監理人には、親族、知人、雇用主、支援者、弁護士などが選任され、生活状況の届出などの義務を負います。
  • 保証金は300万円を超えない範囲で定められ、条件に違反した場合には没取や監理措置の取消しがあり得ます。
  • 監理措置の決定を受けた方には、在留特別許可の申請権が定められています(入管法50条2項)。

家族が入管に収容されている。あるいは収容はされていないが、退去強制手続が始まって先が見えない。そうした状況で「監理人を引き受けてほしいと言われたが、何をすることになるのか」というご相談が増えました。

監理措置は比較的新しい制度であり、監理人となる方の責任の範囲は必ずしも知られていません。この記事では、制度の枠組み、監理人の義務、保証金の扱い、求める際に何を示すべきかを整理します。

監理措置とはどのような制度か

従来、退去強制手続では、退去強制事由に該当する疑いがあれば収容令書によって身柄を収容し、その状態で審査を進める運用が基本でした。令和5年の法改正は、収容が長期化しやすい構造的な問題に対応するため、社会内での生活を認めつつ手続を進める監理措置を設けました。

監理措置は二つの局面で用いられます。ひとつは収容令書による収容に代わるもので、違反審査から異議の申出までの過程を社会内で進めます。もうひとつは退去強制令書の発付後、送還までの間の収容に代わるものです。いずれも、逃亡や証拠隠滅のおそれの程度、収容による不利益の程度などを考慮して判断されます。

  • 住居と行動範囲が指定され、届出や呼出しへの出頭が条件として課されます。
  • 収容の要否や監理措置の要否は、一定期間ごとに見直される仕組みが設けられています。

監理人の義務と、引き受ける前に確認すべきこと

監理人は、本人の生活状況を把握し、入管に届出を行う立場に置かれます。届出義務に違反した場合には過料の定めがあり、単なる好意で名前を貸すという性質のものではありません。引き受ける前に、連絡体制、住居の安定、生活費の見通しを確認しておく必要があります。

就労の扱いも重要です。退去強制令書の発付前の監理措置では、生活維持のため就労が例外的に認められる場合がありますが、令書の発付後は認められません。就労できない期間の生活をどう支えるかを示せなければ、申請そのものが説得力を欠きます。

想定される刑事手続の流れ

刑事事件を経て退去強制手続に入る場合、刑事段階での対応が監理措置の可否にも影響します。逮捕されると48時間以内に検察官へ送致され、検察官は24時間以内に勾留を請求するかを判断します。逮捕から72時間で身体拘束の枠組みが決まり、勾留は原則10日、延長で最長20日です。この間に弁護人が身元引受人や生活基盤を整理できていれば、その資料はそのまま入管手続で使えます。

外国人事件特有のリスク

監理措置はあくまで身柄の扱いに関する制度であり、退去強制事由の有無とは別の問題です。退去強制事由は入管法24条に列挙され、号ごとに要件が異なります。4号ロは在留期間を経過した不法残留、4号イは在留資格に応じた活動を行わず他の収入を伴う活動を専ら行っている場合、4号ヘは資格外活動の罪により拘禁刑に処せられた場合です。

4号リは無期または1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象としますが、但書により刑の全部の執行を猶予された者は除かれます。これに対し4号チは薬物関係の有罪判決を対象とし、罰金でも執行猶予でも該当します。3号の4は不法就労助長で、行為があれば足り刑事処罰は要件ではありません。手続に入る前の段階では、在留期間更新の不許可(入管法21条)や在留資格の取消し(入管法22条の4)が引き金になります。なお、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとされてきた実務に対し、当事務所は責任主義の射程を問う訴訟を上訴審まで争ってきました。

不起訴処分の重要性

執行猶予判決が付けば安心という理解は誤りです。薬物事犯であれば執行猶予でも4号チに当たり、退去強制手続が始まります。起訴前に不起訴処分を得られれば、そもそも退去強制事由が生じない場合があり、監理措置や在留の見通しは大きく変わります。

  • 担当検察官との面談を申し入れ、事案の実態と生活基盤を直接説明する
  • 監理人となり得る方の陳述書、住居の資料、収入の資料を刑事段階から準備する

初動対応の3つのポイント

第一に、黙秘権の行使です。黙秘は権利であり、行使したこと自体が不利益に扱われることはありません。生活状況や交友関係を推測で答えると、その内容が逃亡のおそれの評価に使われます。

第二に、早期の弁護人選任です。監理措置を求めるには、監理人の適格性、住居、生活費、連絡体制といった資料を短期間で整える必要があります。ご家族から早期にご依頼いただければ、刑事手続と並行して準備を進められます。

第三に、通訳の質です。捜査機関や入管が手配する通訳人は、その機関の手続のために選ばれた通訳であり、依頼者のために動く立場ではありません。監理人との関係や生活費の出所は、表現の細部が評価を分けます。当事務所には中国語専属通訳が常駐し、面会に同行します。

当事務所のご案内と解決事例

舟渡国際法律事務所では、弁護士 松村大介が初動の接見から公判の結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士による代行はいたしません。提携行政書士による在留資格サポートを備えているため、刑事手続の後の在留資格手続まで一貫してご対応します。

  • 観光目的で来日した後に日本人女性との間にお子さまを授かり、在留資格を失って不法滞在で起訴された事案。婚姻と認知を成立させ、国籍国の公的書類がほとんど無い状況で有利な証拠を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。
  • 特殊詐欺の受け子で複数回にわたり再逮捕された事案について、取調べ対応と主張立証を徹底し、全件について不起訴処分を獲得しました。身柄拘束の長期化にも一貫して対応した事案です。
  • 外資系企業の支配権をめぐる紛争において勝訴しました。法人の意思決定と関係者の役割を丹念に立証しており、監理人や身元引受人の適格性を裏づける資料作りにも通じる経験です。

おわりに

監理措置は、収容によって家族の生活が壊れてしまう事態を避けるための制度です。しかし自動的に認められるものではなく、監理人の適格性と生活の見通しを具体的に示せるかどうかにかかっています。監理人を頼まれた方も、引き受ける前に責任の範囲を正確に理解しておくことが大切です。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。

過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)。注力分野は外国人刑事弁護、入管手続(退去強制・在留特別許可)、行政訴訟。最終更新:2026年8月。

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网站:https://matsumura-lawoffice.jp/
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本記事の中国語版(简体字)はこちら

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