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在留資格の取消し(入管法22条の4)の各号|刑事事件で身柄を拘束されたとき

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在留資格の取消し(入管法22条の4)の各号|刑事事件で身柄を拘束されたとき

在留資格の取消し(入管法22条の4)の各号|刑事事件で身柄を拘束されたとき

2026/08/24

本記事の要点

  • 在留資格の取消し(入管法22条の4)は退去強制とは別の制度で、各号に定められた事由に該当する場合に行われる。
  • 取消事由には、偽りその他不正の手段による許可、虚偽の申請、対応する活動を継続して行っていない状態、住居地の届出義務違反などがある。
  • 取消しの前には意見聴取の手続があり、ここでの説明が結論を左右する。放置してはならない。
  • 取消しの類型によっては出国猶予期間が指定され、別の類型では直ちに退去強制手続に移る。
  • 刑事事件で身柄を拘束されると、活動の不継続や届出の遅れが同時に発生しやすい。

在留資格の取消しは、退去強制ほど知られていない制度です。しかし実務上の影響は大きく、取消しを受ければ、その在留資格に基づく日本での生活はそこで終わります。刑事事件で身柄を拘束された方が、事件そのものとは別に、この制度によって在留を失う場面は少なくありません。

この記事では、取消しの各号がどのような事由を捉えているのかを内容に即して整理し、通知が届いたとき、あるいは届く前に何をすべきかを説明します。ご本人が拘束されている場合に、ご家族が何を確認すべきかにも触れます。

取消しの対象となる事由

入管法22条の4は、在留資格を取り消しうる場合を各号で列挙しています。内容としては、次のような類型に整理できます。

  • 偽りその他不正の手段により上陸の許可等を受けた場合。上陸拒否事由に該当することを隠していた場合などが含まれます。
  • 虚偽の書類や虚偽の説明により在留資格を得た場合。本人が知らないところで受入れ側が書類を作っていた事案でも、結果として問題になることがあります。
  • 現に有する在留資格に対応する活動を継続して3か月以上行っていない場合。正当な理由がある場合は除かれます。
  • 日本人の配偶者等または永住者の配偶者等の在留資格をもつ方が、配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合。ここにも正当な理由による除外があります。
  • 住居地の届出に関する義務違反。上陸後や住居地変更後の一定期間内に届け出ない場合、虚偽の住居地を届け出た場合が対象になります。

刑事事件との関係で問題になりやすいのは、活動の不継続と届出義務違反です。勾留が長引けば勤務も通学もできません。留置施設にいる間に住居地の変更届出の期限が過ぎることもあります。正当な理由があると説明できるかどうかが分かれ目になりますが、その説明は誰かが代わりに行わなければ入管には届きません。

刑事手続の72時間と取消しの接続

逮捕されると、警察は48時間以内に検察官へ送致し、検察官は24時間以内に勾留請求の可否を決めます。この72時間で勾留の枠組みが決まり、勾留されれば原則10日、延長で最大10日が加わります。身柄拘束が20日を超えれば、活動の不継続が現実の問題として立ち上がります。

この段階で弁護人が行うのは、勾留を争って早期の身柄解放を目指すことに加え、勤務先や学校との関係を維持し、正当な理由を裏づける資料を残すことです。休職の扱い、在籍の継続、賃貸借契約の維持といった生活基盤の確保は、後の入管対応の材料そのものになります。

意見聴取と、その後に何が起きるか

取消しに先立っては、意見を述べる機会が設けられます。ここは形式的な手続ではなく、事情を説明し、正当な理由を主張する実質的な場です。通知を放置すれば、こちらの言い分がないまま結論が出ます。身柄を拘束されている場合には、代理人を立てて対応する必要があります。

取消しの類型によっては、出国のための猶予期間が指定され、その期間内に出国すれば退去強制手続には移りません。他方、不正取得の類型などでは、猶予期間の指定を経ずに退去強制手続へ進むことがあります。どちらの扱いになるかで、その後の選択肢が大きく変わります。

退去強制事由との違いと不起訴処分の意味

取消しと退去強制は別の制度ですが、刑事処分は両方に効きます。入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象とし、但書により刑の全部の執行を猶予された者は除外されます。24条4号チは薬物関係法令違反の有罪であれば足り、罰金でも執行猶予でも刑の免除でも該当します。薬物事犯は上陸拒否にも年限の定めがなく、出国命令も使えません。

執行猶予でも退去強制の対象となりうる類型がある以上、狙うべきは起訴前の不起訴処分です。示談交渉と宥恕文言の取得、故意や共謀の有無に関する意見書の提出、検察官との面談を通じて、処分が決まる前に働きかけます。不起訴を得られれば、身柄が早く解放され、活動の不継続という取消事由からも遠ざかります。なお、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする実務に対し、当事務所は責任主義の射程を問う訴訟を提起し、上訴審まで争ってきました。

初動対応の3つのポイント

黙秘権の行使。勤務実態や住居について記憶があいまいなまま答えると、取消事由を自ら認めたかのような記録が残ります。確認してから話すべきです。

早期の弁護人選任。国選弁護人は勾留決定後です。最初の72時間を担えるのは私選弁護人であり、入管側の期限も同時に管理できる体制が要ります。

通訳の質。捜査機関が手配する通訳人は、依頼者本人のために動く立場ではありません。住所や勤務先の名称、期間の言い違いが、そのまま届出義務違反の証拠のように扱われることがあります。弁護人が同行させる通訳は、依頼者本人のために正確に訳します。

当事務所のご案内と解決事例

舟渡国際法律事務所では、弁護士 松村大介が初動接見から公判結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士による代行は行いません。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しています。刑事手続後の在留資格については、提携行政書士と連携してワンストップで対応します。

  • 冤罪により不法就労助長罪に問われ強制退去の危機にあった女性の事案では、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められています。
  • 特殊詐欺の出し子に関わったとされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を具体的に主張し、不起訴処分を獲得しました。
  • 国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された重大事件への対応実績があり、中国籍の方の重大事件にも数多く対応してきました。

おわりに

取消しの通知は、多くの場合、事態が動き出してからかなり後に届きます。届いてから慌てるのではなく、身柄を拘束された時点で、在留資格の側で何が進行しているかを把握しておくことが必要です。刑事と入管を同時に見る目が要る場面です。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。

過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)。注力分野は外国人刑事弁護、入管手続(退去強制・在留特別許可)、行政訴訟。最終更新:2026年8月。

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网站:https://matsumura-lawoffice.jp/
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本記事の中国語版(简体字)はこちら

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