一般面会の回数・時間・言語|家族が会うときに知っておく制限
2026/08/23
本記事の要点
- 警察署の留置施設での一般面会は、原則として1日1回、平日の日中、15分から20分程度、職員の立会いのもとで行われます。
- 弁護人の接見には回数の制限がなく、立会いもありません。夜間や休日にも行うことができます。
- 外国語での面会には通訳の同席や事前の申出を求められる場合があり、運用は施設により異なります。
- 接見禁止決定がついている場合、ご家族の面会はできません。一部解除を求める申立てを検討します。
ようやく面会できることになった、という段階で、多くのご家族が同じ場所でつまずきます。時間が短すぎる、言いたいことが言えない、日本語で話すよう求められた、そして何より、話してよいことと悪いことの区別が分からない。
制限の内容を事前に知っておくだけで、15分の使い方はまるで変わります。ここでは、一般面会がどのような制限のもとに行われるのかを整理します。
一般面会と弁護人接見はどう違うのか
- 回数。一般面会は原則として1日1回です。同じ日に複数の家族が別々に面会することは通常できません。弁護人の接見に回数の制限はありません。
- 時間帯と長さ。一般面会は平日の日中に限られ、15分から20分程度とされることが多く、混雑状況によってはさらに短くなります。弁護人の接見にこの種の一律の制限はなく、夜間や休日にも行えます。
- 立会い。一般面会には職員が立ち会い、会話の内容が記録されることがあります。弁護人の接見には立会いがなく、内容が捜査機関に伝わることもありません。
事件について本人が本当のところをどう考えているのかを聞き取り、方針を相談できるのは、立会いのない弁護人接見だけだということです。
言語の制限と、面会で話してよいこと
外国語での面会については、職員が内容を確認できないという理由から、通訳の同席や事前の申出を求められることがあり、日本語で話すよう求められる場合もあります。面会での会話は記録されうるため、事件の内容には触れないでください。やっていないと言いなさい、あの人には連絡しておくから、といった発言は、それ自体が罪証隠滅を疑わせ、勾留の延長や接見禁止の理由に使われることがあります。伝えるべきは、家族が元気であること、生活の心配をしなくてよいこと、弁護人と連携していることです。
想定される刑事手続の流れ
逮捕から48時間以内に検察官へ送致され、さらに24時間以内に勾留を請求するかどうかが決まります。合計72時間です。この間ご家族は面会できず、会えるのは弁護人だけです。この72時間に勾留の要否について裁判官へ意見を届けられるかどうかで、その後が変わります。
勾留が認められれば原則10日、延長で最大20日です。この期間に一般面会が可能になりますが、接見禁止決定がついていればご家族は依然として会えません。起訴された後に拘置所へ移監されると運用が変わることがあり、そこでも事前の確認が必要です。
外国人事件に特有のリスク
入管法24条は退去強制事由を号ごとに定めています。24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象としますが、但書により刑の全部の執行を猶予された者は除かれます。一部猶予でも実際に服する部分が1年以下であれば同様です。
もっとも、退去強制事由は刑の重さだけで決まるものではありません。24条4号ロは不法残留を対象としており、身柄拘束が長引くあいだに在留期限が過ぎてしまえば、刑事事件とは別にこの号の問題が生じます。4号ハは人身取引等を対象としており、事件の性質によっては刑の重さと無関係に該当します。薬物関係の4号チは、罰金でも執行猶予でも有罪判決があれば該当します。
在留期間の更新(入管法21条)は裁量処分であり、事件の存在は素行の評価として審査に入ります。届出義務違反などがあれば22条の4による在留資格の取消しも問題となります。なお実務は、退去強制事由の判断に故意や過失を要しないとしてきました。当事務所は、責任主義の射程を問う訴訟を担当してきました。
不起訴処分の重要性
限られた面会時間のなかでご家族ができることには限りがあり、だからこそ起訴前の弁護活動が決定的になります。不起訴であれば有罪判決が存在せず、4号リも4号チも問題になりません。執行猶予でも退去強制事由に該当する薬物事犯のような類型が現に存在し、有罪判決の存在自体が後の更新や変更の審査で不利に働きます。
弁護人は、検察官との面談、示談、犯意や関与の程度を争う意見書の提出、生活環境の整備を、起訴の判断が下りる前に集中して行います。面会で伝えられない事情も、弁護人であれば資料の形にして届けることができます。
初動でおさえる3つのこと
- 黙秘権。面会でご家族が励ますことと、取調べで本人が話すこととは、切り離して考えてください。通訳を介した供述が日本語の調書として固定されると、後から動かすことは容易ではありません。
- 弁護人選任の早さ。国選弁護人は勾留決定の後に選任されるため、最初の72時間には存在しません。この空白を埋められるのは私選の弁護人だけで、ご家族からのお申込みで選任できます。
- 通訳の質。取調べの通訳人は捜査機関が手配します。依頼者のために働く通訳は、弁護方針を理解したうえで、頼まれたのか指示されたのか、預かったのか受け取ったのかを訳し分けます。この差が犯意の評価に直結します。
当事務所のご案内と解決事例
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)は、外国人の刑事弁護と入管手続を中心に取り扱っています。
- 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、徹底的な証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しました。客観証拠を一点ずつ検証する作業を積み重ねた事案です。
- 特殊詐欺の受け子として複数回にわたり再逮捕された事案では、取調べ対応の方針を固め、関与の実態と犯意について主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を得ました。
- 観光目的で来日した後に在留資格を失い不法滞在で起訴された事案では、婚姻と子の認知を成立させ、国籍国の公的書類がほとんど得られない状況で資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。
ご依頼いただいた事件は、弁護士松村大介が初動の接見から公判の結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士による代行はありません。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、接見にも同行します。刑事手続後の在留資格は、提携する行政書士とともにワンストップで対応します。
結語
15分という時間は短いものです。それでも、家族の顔を見たという事実は、拘束された方にとって大きな支えになります。
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
弁護士 松村大介。第一東京弁護士会所属、登録番号59077、2019年登録。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)。注力分野は外国人の刑事弁護、入管手続(退去強制、在留特別許可)、行政訴訟。最終更新:2026年8月。
舟渡国际法律事务所
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