舟渡国際法律事務所

私事性的画像記録の提供等(リベンジポルノ)|刑事責任と、削除・被害回復の実務

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私事性的画像記録の提供等(リベンジポルノ)|刑事責任と、削除・被害回復の実務

私事性的画像記録の提供等(リベンジポルノ)|刑事責任と、削除・被害回復の実務

2026/08/19

本記事の要点

  • 私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律は、第三者への提供を3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、不特定多数への提供や公然陳列を5年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金としている。
  • この罪は親告罪であり、告訴がなければ公訴を提起できない。示談と告訴の取消しが処分に直結する。
  • 被写体が18歳未満であれば児童ポルノの問題となり、親告罪ではなく法定刑もはるかに重い。
  • 送信すると告げて相手を畏怖させれば、提供前の段階でも脅迫や強要が問題となる。
  • 被害者側では、発信者情報開示命令や仮処分による削除、損害賠償請求という手段があり、国境をまたぐ場合も方法は残されている。

交際が終わった後、相手から画像を送りつけると告げられた。あるいは、送ってしまった画像が第三者に渡っていた。この分野の相談は、加害を疑われる側からも、被害に遭った側からも寄せられます。日本での在留資格を持つ方にとっては、刑事責任の有無と在留への影響が同時に問題となります。

この記事は、法律の構造と、削除や被害回復のために実際に使える手段を整理するものです。個別の事件について刑事責任を断定するものではありません。

法律の構造

私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律は、撮影対象者を特定できる方法で、その同意を得ずに私事性的画像記録を第三者に提供する行為を3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金とし、不特定又は多数の者に提供し、あるいは公然と陳列する行為を5年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金としています。画像データだけでなく、印刷物などの記録物も対象です。

実務上きわめて重要なのが、この罪が親告罪であるという点です。告訴がなければ公訴を提起することはできません。したがって、被害者との示談が成立し告訴が取り消されれば、不起訴となる可能性が高くなります。他方で、被写体が18歳未満であれば児童ポルノの問題となり、親告罪ではなく、法定刑もはるかに重くなります。また、名誉毀損、脅迫、強要、ストーカー規制法上の規制など、関連する罪名が同時に問題となる場面も多くあります。

想定される刑事手続の流れ

被害者が警察に相談し、告訴が受理されると捜査が始まります。端末やアカウントの解析が行われ、送信の事実と範囲が特定されていきます。逮捕されれば、警察は48時間以内に検察官へ送致し、検察官は24時間以内に勾留を請求するか釈放するかを判断します。この72時間で身柄の見通しが決まります。

この類型では、示談交渉の可否が身柄にも直結します。被害者との接触は弁護人を通じて行う必要があり、本人が直接連絡を取ろうとすれば、証拠隠滅や被害者への働きかけと評価され、勾留の理由を作ってしまいます。

外国人事件特有のリスク

入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書により刑の全部の執行を猶予された者は除かれます。この類型で実刑1年超に至る例は多くありませんが、児童ポルノや強要などが併合されれば評価は変わります。

退去強制に至らない場合でも、在留期間の更新(入管法21条)は裁量による許可であり、素行の善良性が問われます。加えて、事件が報道されれば、勤務先の解雇や学校の除籍につながり、在留資格に対応する活動を継続して3か月以上行わない状態になれば、在留資格の取消し(入管法22条の4)も問題となりえます。刑事処分の重さだけでなく、生活基盤が崩れることによる在留への影響を見ておく必要があります。

なお、退去強制事由の該当性判断について、実務は長く故意や過失を要しないという立場を前提としてきました。当事務所はこの考え方に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起し、上訴審まで争ってきました。入管手続でも、争うべき論点は残されています。

不起訴処分の重要性

親告罪であることから、この類型では不起訴を得られる余地が比較的大きく、そこに全力を注ぐ意味があります。不起訴なら前科は生じず、拘禁刑に処せられた者にも当たりません。他方、薬物事犯のように有罪判決そのものが退去強制事由となる類型(入管法24条4号チ)もあり、罰金や執行猶予でも該当します。罪名ごとに構造が違うことを踏まえて判断する必要があります。

不起訴を目指す活動としては、拡散の範囲の確定と削除、複製の廃棄を証明する資料の作成、被害者への謝罪と賠償、告訴取消しを含む示談の成立、再発防止のための環境整備、そして検察官との面談と意見書の提出が挙げられます。削除が済んでいるかどうかは、示談交渉の出発点になります。

初動対応の3つのポイント

第一に、黙秘権の行使です。送信の範囲や動機について曖昧に答えると、公然陳列という重い類型に引き寄せられることがあります。

第二に、早期の弁護人選任です。示談交渉は弁護人にしかできず、逮捕直後の72時間は国選弁護人が付かない時間帯です。

第三に、通訳の質です。捜査機関が手配する通訳人は捜査を進めるために配置された存在で、依頼者本人のために動く通訳とは立場が異なります。交際関係や同意の有無に関するやり取りは、訳し方によって意味が反転しかねません。当事務所は中国語専属通訳を弁護活動の内側に置いています。

被害に遭った側の手段

被害者側の代理人としては、プラットフォームへの削除請求、発信者情報開示命令の申立て、投稿記事等の削除を求める仮処分、損害賠償請求、そして刑事告訴という手段を組み合わせます。海外事業者や海外在住の相手方が関わる場合でも、方法が尽きるわけではありません。

当事務所のご案内と解決事例

  • Facebookのなりすましアカウントについて、仮処分により削除を実現しました。プラットフォームを相手とする迅速な手続の経験があります。
  • インターネット上の誹謗中傷被害について、解決金5,000万円を獲得しました。
  • 海外の交流サイトでの侮辱被害につき、インターポールを経由して刑事告訴が受理された事例を扱っています。国境をまたぐ被害にも対応してきました。

ご依頼をお受けした事件は、舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)の弁護士松村大介が初動接見から公判結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士による代行は行いません。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、接見にも同行します。刑事手続後の在留資格は、提携行政書士と連携してワンストップで対応します。

おわりに

画像をめぐる事件は、時間の経過とともに拡散が進み、回復が難しくなります。加害を疑われた側にとっても、被害に遭った側にとっても、最初の数日の動き方が結果を大きく変えます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)。注力分野は外国人刑事弁護、入管手続(退去強制・在留特別許可)、行政訴訟。最終更新:2026年8月。

舟渡国际法律事务所
网站:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

本記事の中国語版(简体字)はこちら

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