舟渡国際法律事務所

風営法違反で摘発されたとき|無許可営業・客引きと、外国籍の従業員・経営者のリスク

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風営法違反で摘発されたとき|無許可営業・客引きと、外国籍の従業員・経営者のリスク

風営法違反で摘発されたとき|無許可営業・客引きと、外国籍の従業員・経営者のリスク

2026/08/19

本記事の要点

  • 接待を伴う飲食店の営業は公安委員会の許可が必要で、無許可営業は2年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金又はその併科。
  • 深夜酒類提供飲食店の届出をしていても、そこで接待を行えば無許可の風俗営業と評価されうる。
  • 客引きは風営法と各自治体の条例の双方で規制され、6月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金又はその併科の対象となる。
  • 「留学」「家族滞在」の資格外活動許可は風俗営業等の営業所での業務には及ばず、皿洗いでも資格外活動となる。
  • 経営者側は不法就労助長(入管法24条3号の4)の退去強制事由に当たりうる。この号は行為があれば足り、刑事処罰を要しない。

スナックやガールズバーの店員として働いていた。友人に頼まれて店の前で声をかけていた。夜の街での摘発は、経営者だけでなく、雇われて働いていた方にも同時に及びます。

外国籍の方にとって深刻なのは、この分野の違反が刑事処分にとどまらず、在留資格の根幹に触れる点です。取調べの受け答え次第で、資格外活動の内容と期間が確定してしまいます。

風営法が規制しているもの

接待を伴う飲食店の営業は、公安委員会の許可を受けなければ営むことができません。ここでいう接待とは、歓楽的な雰囲気を醸し出す方法で客をもてなすことを指し、客の隣に座って継続的に談笑する、酒を注ぐ、カラオケを一緒に歌うといった行為が典型です。無許可で営業すれば、2年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金又はその併科という重い評価を受けます。

実務で問題になりやすいのが、深夜に酒類を提供する飲食店として届出だけを行い、実際には接待をしていた場合です。届出があるから適法だ、という理解は通用しません。また、客引きは風営法によって禁じられ、6月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金又はその併科の対象となるほか、多くの自治体が条例で独自の規制を置いています。18歳未満の者を働かせることも禁止されています。

想定される刑事手続の流れ

摘発は、営業時間中の立入りという形で始まることが多く、その場で従業員全員の身分確認が行われます。在留カードの提示を求められ、勤務実態について個別に事情を聴かれます。逮捕されれば、警察は48時間以内に検察官へ送致し、検察官は24時間以内に勾留を請求するか釈放するかを判断します。この72時間が身柄の帰趨を決めます。

この場面で決定的なのは、勤務の内容と期間についてどう説明するかです。「接待をしていたか」という質問は、法律上の評価を含んだ質問であり、日常語の感覚で肯定すると、そのまま構成要件の充足として扱われます。72時間の間に弁護人が入り、事実と評価を切り分けることが必要です。

外国人事件特有のリスク

従業員の側では、資格外活動が正面から問題となります。「留学」や「家族滞在」の方が受ける資格外活動許可には、風俗営業等の営業所における業務は含まれません。ホールでの配膳や皿洗いであっても、風俗営業の営業所での稼働であれば許可の範囲外です。資格外活動を専ら行っていると評価されれば入管法24条4号イに、資格外活動の罪により拘禁刑に処せられれば同号ヘに該当します。

経営者の側では、不法就労助長が問題となります。入管法24条3号の4は、不法就労をさせる行為等を退去強制事由としており、この号は行為があれば足り、刑事処罰を受けたかどうかを問いません。捜査が立件に至らなかったとしても、入管手続は別に進みます。当事務所は、退去強制事由の該当性に故意・過失を要しないとする従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起し、上訴審まで争ってきました。行政手続だから争えないというのは誤りです。

刑罰の面では、入管法24条4号リが無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書により刑の全部の執行を猶予された者は除かれます。退去強制に至らない場合でも、在留期間の更新(入管法21条)は裁量による許可であり、素行が問われます。店舗の閉鎖や解雇により在留資格に対応する活動を3か月以上行わなくなれば、在留資格の取消し(入管法22条の4)も検討されます。

不起訴処分の重要性

不起訴処分であれば前科は生じず、拘禁刑に処せられた者にも当たりません。他方、薬物事犯のように有罪判決そのものが退去強制事由となる類型(入管法24条4号チ)があり、この場合は罰金でも執行猶予でも該当します。刑事処分が軽く済んだことと在留が安全であることは、別の問題です。

不起訴を目指す活動としては、勤務実態を示す資料の収集と接待該当性の検討、雇用契約と勤務シフトの整理、資格外活動許可の範囲についての認識を裏づける事情の提示、そして検察官との面談と意見書の提出が挙げられます。経営者側では、在留カードの確認体制を整えたことを具体的に示す必要があります。

初動対応の3つのポイント

第一に、黙秘権の行使です。「接待」「客引き」といった言葉は法律上の評価語です。意味を確認しないまま認めれば、争点が消えます。

第二に、早期の弁護人選任です。逮捕直後の72時間は国選弁護人が付かない時間帯であり、シフト表や給与明細といった資料も、この時期に確保しなければ失われます。

第三に、通訳の質です。捜査機関が手配する通訳人は捜査を進めるために配置された存在で、依頼者本人のために動く通訳とは立場が異なります。当事務所は中国語専属通訳を弁護活動の内側に置いています。

当事務所のご案内と解決事例

  • 冤罪により不法就労助長罪に問われ強制退去の危機にあった女性の事案では、退去強制事由に故意・過失は不要とする従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められています。
  • 特殊詐欺の受け子(現場で現金や荷物を受け取る役割を指す用語)として複数回再逮捕された事案では、取調べ対応と主張立証を積み重ね、全件について不起訴処分を獲得しました。
  • 裁判員裁判対象事件や国際的な刑事事件、世界的に報道された重大事件への対応実績があり、中国籍の方の重大事件にも多数対応しています。

ご依頼をお受けした事件は、舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)の弁護士松村大介が初動接見から公判結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士による代行は行いません。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、接見にも同行します。刑事手続後の在留資格は、提携行政書士と連携してワンストップで対応します。

おわりに

夜の仕事に関わる事件では、本人が「普通に働いていただけ」と考えていることが多く、説明が後手に回りがちです。摘発を受けた時点で、雇用の形と業務の内容を法律の言葉で整理し直すことが必要です。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)。注力分野は外国人刑事弁護、入管手続(退去強制・在留特別許可)、行政訴訟。最終更新:2026年8月。

舟渡国际法律事务所
网站:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

本記事の中国語版(简体字)はこちら

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