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建造物侵入・住居侵入で逮捕されたら|マンション共用部への立入りと在留資格

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建造物侵入・住居侵入で逮捕されたら|マンション共用部への立入りと在留資格

建造物侵入・住居侵入で逮捕されたら|マンション共用部への立入りと在留資格

2026/08/19

本記事の要点

  • マンションのエントランス、共用廊下、階段、駐輪場も、住居侵入罪または建造物侵入罪の客体になりえます。居室に入っていないという説明だけでは反論になりません。
  • 刑法130条の法定刑は3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金です。初犯で1年を超える実刑となる例は多くありませんが、在留資格の審査には強く影響します。
  • 入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書により刑の全部の執行を猶予された者は除外されます。
  • この類型で現実に生じる打撃は、在留期間更新(入管法21条)の不許可や在留資格の取消し(同22条の4)という形で訪れます。
  • 起訴前に不起訴処分を得られるかどうかが、前科の有無と在留の安定の双方を決めます。

深夜にマンションの共用廊下に入った。元交際相手が住む建物のオートロックを、他の住人が開けたタイミングで一緒に通過した。営業のために各階のポストへ広告を配った。こうした行為が住居侵入罪や建造物侵入罪として立件されることは珍しくありません。部屋の中には入っていないというご本人の感覚と、法的な評価は別の基準で動きます。

在留資格をもって日本で生活している方にとって、この類型は二重の意味を持ちます。ひとつは刑事責任、もうひとつは在留の継続です。刑罰としては軽い部類に見えても、入管の審査では素行の評価に直結します。

共用部分はどこまで住居・建造物にあたるのか

刑法130条は、正当な理由がないのに人の住居や人の看守する建造物などに侵入した場合を処罰します。集合住宅の共用部分は、居住者や管理組合・管理会社の管理権が及ぶ空間として扱われます。管理権者の意思に反して立ち入ったと評価されれば、居室に一歩も入っていなくても成立しうるというのが実務の理解です。争点は目的と態様であり、オートロックの通過方法、滞在時間、防犯カメラの映像、立入りの反復といった事情の積み重ねで判断されます。

逮捕から勾留決定までの72時間

身柄を拘束されると、警察は48時間以内に事件を検察官へ送致し、検察官はさらに24時間以内に勾留を請求するかどうかを判断します。この合計72時間の間に、裁判官の勾留質問を経て、勾留か釈放かが決まります。勾留が認められると原則10日間、延長でさらに最大10日間続きます。

外国人の方は住居不定や逃亡のおそれを理由に勾留されやすい傾向がありますから、在留カード、賃貸借契約、雇用契約といった生活実態の資料を弁護人が集め、勾留請求前に検察官へ、勾留質問前に裁判官へ届けることに実質的な意味があります。

外国人事件特有のリスク|入管法上の位置づけ

刑事処分と在留は別の手続です。入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、但書があり、刑の全部の執行を猶予された者は除外されます。執行猶予付き判決だから直ちに4号リに該当するという理解は正確ではありません。他方、身柄拘束が長引いて在留期限が経過すれば24条4号ロの不法残留、留学や家族滞在の方が本来の活動を行っていないと評価されれば24条4号イ、資格外活動の罪で拘禁刑に処せられれば同4号ヘが問題になります。薬物事犯の24条4号チは有罪判決さえあれば罰金でも執行猶予でも該当し、構造が異なります。

この類型でより現実的なのは、在留期間更新(入管法21条)です。更新は権利ではなく、素行、生活状況、活動の実態を総合して判断されます。事件化した事実は審査で説明を求められ、在留資格の取消し(同22条の4)も、活動の不実施や虚偽申告が絡めば浮上します。なお、退去強制事由の判断には故意や過失を要しないとされてきた実務が長く続いてきました。当事務所は、この点について責任主義の射程を問う訴訟を提起し、上訴審まで争ってきました。

不起訴処分を得ることの決定的な意味

執行猶予でも退去強制につながりうる類型が現に存在する以上、判決で猶予を得れば安心だという発想は成り立ちません。より安定した出口は、そもそも起訴されないことです。共用部分への立入り事案では管理会社や特定の居住者が被害を訴えていることが多く、誰と何を解決すべきかの見極めが要ります。そのうえで再発防止の約束と示談交渉を進め、並行して検察官面談を求め、立入りの経緯、常習性がないこと、生活基盤が日本にあること、在留への影響が過大であることを意見書として提出します。

初動対応の3つのポイント

第一に、黙秘権の行使です。立入りの目的や事前の認識といった内心にかかわる部分は、言葉を選び損ねると取り返しがつきません。弁護人と方針を決めるまで話さないという選択に合理性があります。

第二に、早期の弁護人選任です。国選弁護人が付くのは原則として勾留決定の後ですから、最も重要な72時間は空白になりがちです。ご家族からのご依頼で私選弁護人が動けば、逮捕当日から接見できます。

第三に、通訳の質です。捜査機関が手配する通訳人は捜査手続を進めるために置かれた存在であり、依頼者本人の利益のために言葉を尽くす立場ではありません。弁護人が同行させる通訳は依頼者本人のために動きます。専門用語や供述のニュアンスを母語で理解できてはじめて、方針を自分で選べます。当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しています。

当事務所のご案内と解決事例

舟渡国際法律事務所では、弁護士 松村大介が初動接見から公判結審まで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代行することはありません。中国語専属通訳が常駐し、提携行政書士による在留資格サポートで、刑事手続後の在留期間更新や在留特別許可申請までワンストップでご対応します。

特殊詐欺の受け子とされ複数回にわたり再逮捕された事案では、取調べ対応の方針を初期から統一し、関与の実態と認識について主張立証を尽くした結果、全件について不起訴処分を獲得しました。身柄拘束が長期化しても処分段階で食い止める余地があることを示す例です。

また、観光目的で来日した後に在留資格を失い不法滞在で起訴された方の事案では、婚姻と子の認知を成立させ、国籍国の公的書類がほとんど存在しない状況下で有利な証拠を積み上げ、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。加えて当事務所は、裁判員裁判対象事件を含む重大事件への対応実績を有し、中国籍の方の事件にも多数対応してきました。

結語

共用部分への立入りという一見軽微な事件が、在留の継続という生活の土台を揺るがすことがあります。分かれ目は逮捕直後に誰が動いたかです。取調べに応じる前に、弁護人と通訳を確保してください。ご家族が中国本土にいらっしゃる場合でも、ご依頼を受けて弁護人は動き出せます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。

過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)。注力分野は外国人刑事弁護、入管手続(退去強制・在留特別許可)、行政訴訟。最終更新:2026年8月。

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网站:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

本記事の中国語版(简体字)はこちら

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