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18歳未満の外国籍の子が逮捕されたとき|少年審判の流れと在留資格への影響

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18歳未満の外国籍の子が逮捕されたとき|少年審判の流れと在留資格への影響

18歳未満の外国籍の子が逮捕されたとき|少年審判の流れと在留資格への影響

2026/08/18

本記事の要点

  • 18歳未満の少年の事件は、捜査が終われば原則としてすべて家庭裁判所に送致され、成人の起訴・公判とは別の枠組みで判断される。
  • 家庭裁判所の保護処分は刑罰ではないため、少年院送致それ自体が入管法24条4号リの退去強制事由になるわけではない。
  • 他方、薬物事犯は有罪判決だけで24条4号チに該当し、罰金でも刑の全部の執行猶予でも例外にならない。
  • 留学や家族滞在の在留資格は、退学・除籍や活動の中断によって在留資格の取消し(入管法22条の4)や更新拒否につながりうる。

お子さまが日本で逮捕されたという連絡を受け、何が起きているのか分からないまま時間だけが過ぎている。そうしたご家族からのご相談は少なくありません。18歳未満の少年事件は、成人の刑事事件とは手続の骨格そのものが異なります。それにもかかわらず、逮捕された直後に警察署で行われる取調べは、成人と同じ捜査の枠組みの中で進みます。ここに、少年事件の分かりにくさがあります。

さらに外国籍のお子さまの場合、事件の帰趨は在留資格にも及びます。在留資格が留学であれば学校に在籍していることが、家族滞在であれば扶養者である親の在留状況が前提になります。本記事では、18歳未満の外国籍のお子さまが逮捕された場面で、ご家族が何を把握し、何を急ぐべきかを整理します。

想定される刑事手続の流れ

逮捕されると、警察は48時間以内に事件を検察官に送致し、検察官は24時間以内に勾留を請求するか釈放するかを判断します。この合計72時間が、身柄の行方を決める最初の分岐点です。少年であってもこの期間は成人と同じ手続で進み、勾留に代わる観護措置がとられる場合もあります。裁判官が勾留を認めれば、原則10日、延長によりさらに10日の身柄拘束が続きます。

捜査が終わると、少年事件は原則としてすべて家庭裁判所に送致されます。家庭裁判所は必要に応じて観護措置を決定し、少年鑑別所での心身の鑑別が行われます。期間は原則4週間、更新により最長8週間に及ぶことがあります。その後の審判では、不処分、保護観察、児童自立支援施設等への送致、少年院送致、そして検察官への送致、いわゆる逆送のいずれかが判断されます。逆送された場合には、そこから先は成人と同じ起訴・公判の手続に移ります。

外国人事件特有のリスク

入管法24条は退去強制事由を号ごとに定めています。4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を挙げますが、但書により刑の全部の執行を猶予された者は除かれます。一部猶予の場合も、実刑部分が1年以下であれば除かれます。家庭裁判所の保護処分は刑罰ではありませんから、少年院送致を受けたこと自体で4号リに当たるわけではありません。逆送を経て起訴され、1年を超える実刑判決を受けた場合に初めて問題になります。

薬物事犯は別枠に置かれています。4号チは薬物関係の罪について有罪判決があれば足り、罰金でも、刑の全部の執行猶予でも、刑の免除でも該当します。在留資格の種類も問いません。また、4号ロの不法残留や4号イの資格外活動の専従は、刑事処罰の有無を問わずに該当します。

在留資格そのものへの影響も見落とせません。留学の在留資格であれば、退学や除籍、長期の欠席が在留資格の取消し(入管法22条の4)に結びつきます。在留期間の更新(入管法21条)の審査では素行が正面から評価されます。なお、退去強制事由の判断には故意・過失を要しないとする実務が長く続いてきました。当事務所は、この点について責任主義の射程を問う訴訟を提起し、上訴審まで争ってきました。

不起訴処分の重要性

少年事件では検察官の終局処分ではなく家庭裁判所の審判が中心になりますが、逆送された後は成人と同じく起訴・不起訴の判断が問題になります。ここで押さえておくべきなのは、刑の全部の執行を猶予する判決であっても退去強制につながる類型が存在するという点です。薬物事犯はその典型で、執行猶予であっても4号チに該当します。したがって、有罪か無罪かを争う前に、そもそも起訴されないという結論を取りにいくことが決定的な意味を持ちます。

そのために行うのは、検察官との面談を重ねて事案の見方を伝えること、被害者がいる事件では謝罪と被害弁償を尽くして示談を成立させること、少年の生育環境・監護体制・再非行防止の具体策を資料化し意見書として提出することです。

初動対応の3つのポイント

第一に、黙秘権の行使です。少年は取調べの場で相手に迎合しやすく、事実と異なる供述が調書に残ることがあります。何を話し、何を話さないかは、付添人と相談してから決めるべきです。

第二に、早期の弁護人・付添人の選任です。72時間の判断は、勾留の可否だけでなく、その後の観護措置や審判の見通しにも影響します。

第三に、通訳の質です。捜査機関が手配する通訳人は、あくまで捜査のために置かれています。依頼者本人のために動く通訳、すなわち弁護人と一体となって少年の言い分を正確に伝える通訳がいるかどうかで、記録に残る内容は変わります。少年の場合、法律用語を年齢に応じて言い換えられるかどうかも問われます。

当事務所のご案内と解決事例

本テーマに近接する取扱い事案をご紹介します。

  • 特殊詐欺の出し子(現金を引き出す役割)に関わったとされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を主張し、不起訴処分を獲得しました。若年者が指示系統の末端に置かれる構図を、証拠に即して示した事案です。
  • 観光目的で来日し、日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で起訴された事案では、婚姻と認知を成立させ、国籍国の公的書類がほとんど存在しない状況下で有利な証拠を積み上げ、1度の申請で在留特別許可を獲得しました。
  • 裁判員裁判の対象事件や、世界的に報道された重大事件を含む国際刑事事件にも対応してきました。中国籍の方の重大事件についても多数の取扱い実績があります。

当事務所では、弁護士松村大介が初動の接見から公判の結審まで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士による代行は行いません。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しており、接見にも同行します。刑事手続が終わった後の在留資格については、提携する行政書士とともにワンストップで対応します。

結語

少年事件は、処罰ではなく将来の改善更生を目的とする手続です。しかし外国籍のお子さまの場合、その将来は在留資格の存否に左右されます。逮捕直後の72時間に何をしたかは、審判の結論にも、その後の在留にも残ります。ご家族が最初にできることは、状況を正確に把握し、少年本人が理解できる言語で手続を説明できる体制を整えることです。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)。注力分野は外国人刑事弁護、入管手続(退去強制・在留特別許可)、行政訴訟。最終更新:2026年8月。

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网站:https://matsumura-lawoffice.jp/
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本記事の中国語版(简体字)はこちら

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