舟渡国際法律事務所

解体・スクラップの現場で問われる廃棄物処理法違反|無許可収集運搬・不法投棄と外国人労働者の在留

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解体・スクラップの現場で問われる廃棄物処理法違反|無許可収集運搬・不法投棄と外国人労働者の在留

解体・スクラップの現場で問われる廃棄物処理法違反|無許可収集運搬・不法投棄と外国人労働者の在留

2026/08/21

解体工事、産業廃棄物の運搬、金属スクラップの取扱いといった現場で働く外国籍の方が、廃棄物処理法違反の疑いで摘発される事案があります。「指示されたとおりに運んだだけ」「これがごみに当たるとは思わなかった」という受け止めをされる方が多い類型でもあります。法人が処罰されるだけでなく、実際に運搬・投棄を行った作業員個人も立件されるため、在留資格を持って働く方にとっては軽視できない問題です。

本記事の要点

  • 無許可での産業廃棄物の収集運搬・処分は、廃棄物処理法25条1項により5年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金、又はその併科と定められています。
  • 不法投棄も同条の対象であり、未遂も処罰の対象とされています。
  • 法人には両罰規定が適用されますが、実行行為をした従業員個人の責任が消えるわけではありません。
  • 争点は、運んだ物が廃棄物に当たるという認識があったか、そして許可の有無を認識していたかという故意の問題に集約されがちです。
  • 外国籍の方の場合、在留資格に応じた活動の範囲(資格外活動の有無)も併せて確認されることがあります。

摘発の端緒と手続の流れ

山林や空き地への投棄が通報されたり、パトロールで運搬車両が停止を求められたりすることが端緒となります。積荷、マニフェスト(産業廃棄物管理票)、契約書、運行記録が確認され、許可の有無が調べられます。逮捕された場合には、48時間以内の送致、その後の勾留という流れをたどります。従業員個人が身柄を拘束されると、会社側は「本人の判断だった」と説明することもあり、立場が対立する場面も生じます。

外国籍の作業員にとっての在留リスク

この類型は、直ちに退去強制事由の中核に触れるものではありませんが、実刑で1年を超える拘禁刑となれば入管法24条4号リの問題が生じます。より現実的なのは、在留期間更新(入管法21条3項)の審査における素行の評価です。特定技能や技能実習、育成就労といった枠組みで在留しておられる場合、受入機関との関係が断たれれば、在留の基盤そのものが揺らぎます。

また、廃棄物の運搬という業務が、そもそも在留資格に対応する活動の範囲内かどうかが問われることもあります。契約上の職種と、現場で実際に行っていた作業が食い違っている場合、資格外活動(入管法24条4号ハ)の問題が併せて浮上する可能性があります。

不起訴を目指す弁護活動

この類型の弁護では、指示系統の解明が要となります。誰が積込みを指示し、行き先をどのように伝えたのか、運転手に伝えられていた情報は何であったのか。作業日報、配車指示、現場のやり取りの記録を集め、実行行為者の認識の限界を示していきます。会社側が主導していた事案において、末端の従業員がその構造の中でどのような位置にあったのかを具体的に描くことは、起訴猶予を求める意見書の中核となります。あわせて、原状回復への協力や適正処理費用の負担といった事後的な対応も、処分の判断に影響します。

初動で押さえたい3つのこと

  • 取調べでは黙秘権があります。指示された内容と自分の理解を区別せずに話すと、了解していたと受け取られかねません。
  • 会社が用意した弁護人と、従業員個人の立場は必ずしも一致しません。ご自身のための弁護人を選任することが望ましい場面です。
  • 現場の日本語は略語や業界用語が多く、通訳を介した説明が食い違いやすい領域です。当事務所では外国人事件に精通した中国語専属通訳が同席いたします。

当事務所について

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護に注力しております。裁判員裁判対象事件や、世界的に報道された事件を含む重大事案への対応経験を有しており(事例E-1)、組織的な背景を持つ事件において、末端で関与したとされる方の立場を丁寧に切り分ける弁護を重ねてまいりました。

入管手続の場面では、婚姻・認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされた困難な事案において、憲法的観点から当局と交渉し、在留特別許可を獲得した事例がございます(事例D-1)。刑事手続が終わった後に入管手続が待っている類型では、刑事の段階から一貫した方針を持つことが不可欠です。接見の初動から公判の結審まで、松村弁護士が全工程を直接担当いたします。

おわりに

現場で働く方にとって、荷物の性質や許可の有無は、必ずしも自分で確かめられる事柄ではありません。その構造を説明せずに、実行した人だけが責任を負う結果になるとすれば、それは事実に即した処分とはいえないでしょう。事実関係を早期に整理し、正確に伝えることが、何よりの防御となります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

本記事の中国語版(简体字)はこちら

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