舟渡国際法律事務所

中国にいるご家族が日本の弁護人を頼むとき|委任契約はどう結ぶのか、費用と送金はどうするのか

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中国にいるご家族が日本の弁護人を頼むとき|委任契約はどう結ぶのか、費用と送金はどうするのか

中国にいるご家族が日本の弁護人を頼むとき|委任契約はどう結ぶのか、費用と送金はどうするのか

2026/08/17

ご家族が日本で逮捕された。すぐに弁護士を頼みたい。けれども、本人は身柄を拘束されていて連絡が取れず、こちらは中国にいる。契約はどうやって結ぶのか。お金はどう送ればよいのか。

このご質問は、実務上きわめて頻繁にいただくものでありながら、日本語のウェブサイトではあまり丁寧に説明されていない領域でもあります。本記事では、契約の仕組みと費用の考え方、そして中国から日本への送金にまつわる注意点を整理いたします。

本記事の要点

  • 弁護人を選任できるのは本人のほか、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹なども含まれます(刑事訴訟法30条2項)。
  • 実務では、ご家族がまず依頼をされ、弁護士が接見して本人の意思を確認したうえで、正式に選任の手続をとる流れが一般的です。
  • 私選弁護人と国選弁護人では、選任の時期・活動の範囲・入管手続への対応可能性が異なります。
  • 費用は、着手金・報酬金・実費・日当という区分で構成されるのが一般的で、委任契約書で明示されます。
  • 中国から日本への送金には外貨管理上の枠がありますので、資金の出所と経路を明確にしておくことが大切です。

誰が弁護人を選任できるのか

刑事訴訟法30条1項は、被疑者・被告人本人がいつでも弁護人を選任できると定めています。そのうえで、同条2項は、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹も、独立して弁護人を選任できると定めています。

つまり、中国にいらっしゃる親御さんや配偶者の方が、本人と連絡が取れない段階でも、弁護士に依頼することができます。実務の流れとしては、ご家族からご依頼をいただいた弁護士が、まず本人と接見し、状況を確認するとともに本人の意思を確かめ、そのうえで選任の手続をとることになります。

ここで大切なのは、最初の接見までの時間です。逮捕から勾留が決まるまでの72時間は、ご家族が本人と会うことができない期間であり、同時に、身柄の帰趨を左右する期間でもあります。この間に本人と話ができるのは弁護人だけですので、ご依頼のタイミングが結果に直結いたします。

私選と国選の違い

一定の要件のもとで、国が費用を負担する国選弁護人が選任されます。資力の乏しい方にとって重要な制度であり、その意義は決して小さくありません。

もっとも、外国人の方の事件では、いくつかの点で違いが生じます。第一に、国選弁護人が選任されるのは勾留が決定した後であり、それ以前の最も重要な時期の活動は対象外です(当番弁護士制度による初回接見は別途利用できます)。第二に、国選弁護の職務は刑事手続を対象とするものであり、退去強制手続や在留特別許可の申請といった入管手続は、原則として別の委任が必要になります。第三に、弁護人を選ぶことはできません。

外国人の刑事事件では、刑事の結論がそのまま在留の結論になるわけではなく、両者を一体として設計する必要があります。この点をどう手当てするかが、私選をご検討いただく際の判断材料になろうかと存じます。

費用の構成と委任契約

弁護士費用は、一般に、着手金、報酬金、実費、日当という区分で構成されます。着手金は結果にかかわらずお支払いいただくもの、報酬金は得られた結果に応じてお支払いいただくものです。実費には、記録の謄写費用、交通費、通訳費用などが含まれます。

具体的な金額は、事件の罪名、身柄の有無、争点の複雑さ、公判の見込み、入管手続の要否によって異なります。いずれの事務所でも、受任にあたって委任契約書を作成し、費用の算定方法を明示することとされています。ご不明な点は、契約前に遠慮なくお尋ねください。

なお、費用は日本円で定められるのが通常です。為替の変動により、中国側での負担額が変わり得る点にもご留意ください。

中国から日本への送金についての実務

中国の外貨管理制度では、個人が購入できる外貨に年間の上限が設けられています。緊急に相当額を送金する必要が生じたとき、この枠が制約となることがあります。

実務上、ご留意いただきたい点が三つあります。

第一に、送金の名目です。弁護士費用の支払として正確に記載していただくことが、後々の説明を容易にします。名目を曖昧にすると、資金の性質について確認を求められることがあります。

第二に、第三者名義の送金です。複数の知人の枠を借りて分割送金する方法は、中国側の規制との関係で問題を生じ得るほか、日本側でも資金の出所についての疑義を招きます。事件の性質によっては、この点自体が捜査の対象となりかねません。

第三に、日本国内での調達です。日本にご親族やお知り合いがいらっしゃる場合、国内から立て替えてお支払いいただき、後日精算するほうが、手続としては簡明です。

いずれの方法をとるにせよ、資金の出所と経路を書面で説明できる状態にしておくことが、ご本人とご家族の双方を守ることにつながります。

ご依頼の前にご準備いただきたいこと

ご相談の際、次の情報をお伝えいただけると、初回接見までの時間を短縮できます。本人の氏名(旅券の綴りを含む)、生年月日、国籍、在留資格の種類、逮捕された日、逮捕された警察署の名称、判明していれば罪名。これらが揃えば、弁護士は速やかに所在を確認し、接見に向かうことができます。

在留カードの写し、旅券の写し、勤務先や在学先の情報、日本国内での住居の資料も、後の身柄解放や入管手続の場面で用いられます。中国にいらっしゃるご家族でも、微信で写真を送っていただければ足ります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続に注力しております。ご家族が中国本土にいらっしゃる事案では、弁護人が本人との窓口となり、経過を随時ご家族に共有する体制をとっております。

解決事例としては、特殊詐欺の出し子行為に関わったとされた20代女性について、主観的事情を総合的に主張して不起訴処分を獲得した事例がございます。入管手続の局面では、不法就労助長罪に問われて強制退去の危機に瀕した女性の事案において、従来の実務に対し責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争い、その後、入管から在留特別許可が認められた事例がございます。

松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、中国にいらっしゃるご家族との打合せにも対応いたします。刑事手続の終了後の在留資格については、提携の行政書士とともに対応いたします。

なお、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

おわりに

遠く離れた場所から、限られた情報のなかで判断をしなければならないご家族のご負担は、決して小さくありません。それでも、選任の権限はご家族にも認められており、動き出すことができます。ご不明な点は、契約の前の段階でお尋ねいただいて差し支えございません。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

本記事の中国語版(简体字)はこちら

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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