舟渡国際法律事務所

中国本土のご家族へ|日本で逮捕された家族に会いに行くための、査証・面会・差入れの実務

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中国本土のご家族へ|日本で逮捕された家族に会いに行くための、査証・面会・差入れの実務

中国本土のご家族へ|日本で逮捕された家族に会いに行くための、査証・面会・差入れの実務

2026/08/17

中国にいらっしゃるご家族から、いちばん多くいただくお尋ねが、「本人に会いに行きたい。どうすればよいのか」というものです。連絡が途絶え、事情も分からないまま、まず顔を見たいと思われるのは当然のことと存じます。

ただ、日本の刑事手続における面会には、時期・回数・内容にわたっていくつかの制約があります。準備なく渡航されると、せっかく来日されても会えないまま帰国することになりかねません。本記事では、その手順を順を追って整理いたします。

本記事の要点

  • 逮捕から勾留が決まるまでの間、ご家族の面会は原則としてできません。この期間に本人と会えるのは弁護人だけです。
  • 勾留後は一般面会が可能になりますが、接見等禁止決定(刑事訴訟法81条)が付されている場合には、ご家族も会えません。
  • 一般面会は、平日の限られた時間帯に、1日1回・15分程度・3人までという運用が一般的です。
  • 中国本土から来日される場合、親族訪問の短期滞在査証の準備には日数を要しますので、逆算した段取りが必要です。
  • 面会で事件の内容に踏み込むことは、証拠隠滅を疑われる契機となり、かえってご本人の不利益になり得ます。

面会と接見は別のものです

日本の制度では、弁護人が本人と会うことを「接見」といい、ご家族やご友人が会うことを「一般面会」といいます。両者は法律上の位置づけが異なります。

弁護人の接見は、立会人なしで、時間の制限も原則としてなく、逮捕直後から行うことができます(刑事訴訟法39条1項)。これに対し、ご家族の一般面会は、勾留が決まった後でなければ認められないのが通常であり、職員の立会いのもとで行われます。

つまり、逮捕からの最初の72時間、本人と話ができるのは弁護人だけです。この期間は、勾留を回避できるかどうかを左右する最も重要な時期でもあります。ご家族が中国にいらっしゃる場合、まずは弁護人を通じて本人の状況を把握し、その情報を共有していただくという流れが現実的です。

接見等禁止決定が付いている場合

共犯者がいる事件や、否認している事件では、裁判所が接見等禁止決定を出すことがあります(刑事訴訟法81条)。この決定が付されると、弁護人以外の者との面会・手紙のやりとりが禁じられます。ご家族も例外ではありません。

もっとも、弁護人から準抗告を申し立てたり、一部解除の申立てを行ったりすることで、ご家族との面会が認められる場合があります。実務上、ご家族が事件と無関係であることを具体的に疎明できるかどうかが分かれ目になります。渡航前に、弁護人を通じて接見等禁止の有無を確認しておかれることを強くお勧めいたします。

一般面会の具体的な手順

面会の場所は、勾留されている警察署の留置施設、又は拘置所です。受付は平日の日中に限られ、おおむね午前中から夕方前までとされています。土日祝日は受け付けていない施設が多くあります。

面会は1日1回、時間はおよそ15分、同時に入れるのは3人までというのが一般的な運用です。受付では身分を確認する書類の提示を求められますので、旅券をご持参ください。会話は日本語で行うことが原則とされる施設が多く、中国語での会話が制限される場合があります。この点は施設によって運用が異なりますので、事前の確認が欠かせません。

差入れについては、現金、衣類、書籍などが可能ですが、施設ごとに品目や数量の制限があります。食品の差入れは認められないのが通常です。中国から持参した物品よりも、日本国内で調達したもののほうが手続はスムーズです。

中国本土から来日される場合の査証

親族訪問を目的とする短期滞在査証の申請には、招へい理由書、身元保証書、滞在予定表、親族関係を証明する書類などが必要となります。親族関係の証明としては、戸口簿や公証処が発行する親属関係公証書が用いられます。公証書の取得と認証には日数を要しますので、早めの着手が肝要です。

裁判の傍聴を目的とされる場合も同様です。公判期日は数週間から数か月先に指定されることが多いため、期日が決まった段階で準備を始めれば、間に合うことが多いといえます。弁護人から、公判期日や身柄の所在に関する情報を得たうえで、日程を組んでいただくのが確実です。

なお、来日されても、施設の場所によっては移動に時間がかかります。勾留先が移送されることもありますので、渡航直前にも所在を確認していただくようお願いいたします。

面会の場で気をつけていただきたいこと

ご家族としては、当然、事件のことを尋ねたくなります。しかし、一般面会には職員が立ち会い、内容が記録されます。事件の内容に踏み込んだやりとりは、証拠隠滅のおそれを基礎づける事情として評価され、接見等禁止の契機になったり、保釈の判断で不利に働いたりすることがあります。

面会で伝えていただきたいのは、むしろ生活の話です。家族が元気であること、待っていること、住まいや仕事の手当てが進んでいること。こうした情報は、ご本人が取調べに冷静に向き合う支えになります。事件の内容については、弁護人との間で整理していただくのが安全です。

また、ご家族が用意される身元引受書、住居の資料、勤務先の証明といった書面は、勾留の必要性や保釈の判断において実際に用いられます。何を準備すべきかは事案によって異なりますので、弁護人にご確認ください。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続に注力しております。中国本土にご家族がいらっしゃる事案では、弁護人がご本人との窓口となり、状況を随時ご家族に共有する体制を整えております。

解決事例としては、特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議を重ね、全件について不起訴処分を獲得した事例がございます。また、在留資格を失って不法滞在で逮捕・起訴された方について、婚姻・認知の手続を当局との交渉により整え、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下で有利な資料を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例もございます。

松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、ご家族との打合せにも対応いたします。刑事手続の終了後の在留資格については、提携の行政書士とともに対応いたします。

なお、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

おわりに

会いに行きたいというお気持ちは、ご本人にとって何よりの支えです。ただ、その気持ちを確実に届けるためには、制度の段取りを踏む必要があります。渡航の前に一度ご相談いただければ、無駄足を避け、限られた時間を最も意味のある形で使うことができます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

本記事の中国語版(简体字)はこちら

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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