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賭博で摘発されたら|単純賭博と常習・開張の違い、そして在留資格への影響

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賭博で摘発されたら|単純賭博と常習・開張の違い、そして在留資格への影響

賭博で摘発されたら|単純賭博と常習・開張の違い、そして在留資格への影響

2026/08/16

日本ではカジノが原則として認められておらず、賭博は刑法上の犯罪です。しかし、在日中国人コミュニティのなかでは、仲間内の麻雀やポーカー、あるいはオンラインの賭博サイトが、犯罪という自覚のないまま日常に入り込んでいることがあります。この記事は、賭博で摘発された場合に何が問われ、在留資格にどう影響するのかを、条文に即して整理するものです。

本記事の要点

  • 単純賭博は刑法185条により50万円以下の罰金または科料にとどまり、拘禁刑の定めがありません。
  • 常習として賭博をすれば刑法186条1項により3年以下の拘禁刑、賭博場を開張して利益を図れば同条2項により3月以上5年以下の拘禁刑となります。
  • 賭博の罪は刑法第2編第23章に置かれ、この章は入管法24条4号の2の列挙に含まれています。
  • 同号には執行猶予の除外規定がなく、別表第一の在留資格をお持ちの方は、執行猶予付きの拘禁刑でも退去強制事由に該当し得ます。

単純賭博と常習賭博・開張は別物である

刑法185条は、賭博をした者を50万円以下の罰金または科料に処すると定め、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときを除外しています。ここで重要なのは、この条文には拘禁刑の定めがないという点です。

これに対し、刑法186条1項は常習として賭博をした者を3年以下の拘禁刑に処し、同条2項は賭博場を開張し、または博徒を結合して利益を図った者を3月以上5年以下の拘禁刑に処すると定めています。2項の罪は罰金刑の選択肢がなく、下限も3月と定められています。仲間内の遊びのつもりで場所と道具を用意し、参加者から手数料を取っていたという事情があれば、この2項が視野に入ってきます。

オンラインの賭博サイトについても、参加者が日本国内から接続して賭けていれば、日本国内で賭博をしたと評価されるのが実務です。運営が国外にあり、その国では合法であることは、日本国内の参加者の可罰性を当然には左右しません。

在留への影響――第23章が列挙されている意味

入管法24条4号の2は、別表第一の在留資格をもって在留する方について、刑法第2編第12章、第16章から第19章まで、第23章、第26章、第27章、第31章、第33章、第36章、第37章、第39章などの罪により拘禁刑に処せられた場合を退去強制事由と定めています。この第23章が、賭博及び富くじに関する罪の章です。

ここから導かれる帰結は明快です。単純賭博(185条)は罰金または科料しか定められていませんので、この号には該当しません。しかし、常習賭博(186条1項)や賭博場開張等図利(186条2項)で拘禁刑に処せられれば、同号に該当し得ます。そして、この号には執行猶予の除外規定が置かれていません。すなわち、執行猶予付きの判決であっても、別表第一の在留資格をお持ちの方は退去強制事由に該当する構造になっています。

「賭博くらいで送還されるはずがない」という感覚と、条文の構造との間には、このような落差があります。単純賭博で罰金となった場合であっても、前科として残る以上、在留期間の更新審査における素行の評価には影響し得ます。

争点はどこにあるか

弁護活動の焦点は、まず単純賭博にとどまるのか、常習性や開張の要素があるのかという評価の切り分けです。常習性は、回数、期間、賭け金の規模、道具や場所の準備状況、収益の帰属などから判断されます。参加者の一人にすぎない方が、場所を提供していたというだけで開張者と評価されることには、慎重な検討が必要です。

また、賭け金の規模が「一時の娯楽に供する物」の範囲にとどまるかどうかも、条文上の除外に直結する争点です。飲食代相当の負担に近い形態であったのか、換金性のある金銭のやり取りであったのかを、客観的資料で示していく作業になります。

初動で押さえたい3点

  • 関与の役割を正確に区別すること。参加者、場所の提供者、収益の管理者では、適用条文が変わります。
  • スマートフォンの記録に注意すること。送金アプリの履歴やグループチャットが、常習性の立証に使われます。
  • 在留資格の種別を確認すること。別表第一か別表第二かで、24条4号の2の適用の有無が分かれます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としております。

関与の程度が争点となる事件では、特殊詐欺の受け子として複数回にわたり再逮捕された事案において、取調べ対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例がございます。組織的な形態の事件では、全体像の重さと、ご本人の関与の実質とを切り分ける作業が、結論を左右します。

また、国際刑事事件や裁判員裁判対象事件、広く報道された事件への対応経験も重ねてまいりました。事件が組織的な広がりを見せる局面での見通しの立て方には、一定の蓄積がございます。

当事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。事務員や若手弁護士に引き継ぐ運用を採っておりません。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関側の通訳とは別に、依頼者ご本人の立場で動く通訳を刑事手続の全般でご利用いただけます。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更についても、提携の行政書士と連携してご対応いたします。

結語

賭博は、日本の刑法のなかでは軽い部類に見えます。しかし、入管法24条4号の2に第23章が並んでいることを知れば、見え方は変わってまいります。摘発の連絡を受けられた段階で、単純賭博にとどまるのか、常習・開張の評価を受けそうなのかを見極めることが、その後の分かれ目になります。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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