「早く認めて反省すれば必ず軽くなる」は本当か|外国人事件で安易な自白が危険な理由
2026/07/11
「素直に認めて反省すれば、きっと軽く済む」。ご本人やご家族から、よくこうしたお考えを伺います。反省の姿勢が量刑で考慮されることは事実でございますが、事実と異なる点まで認めてしまったり、認識のない事柄まで肯定してしまったりすることは、かえって重い結果を招きかねません。本記事は、外国人事件において安易な自白がなぜ危険なのかを整理いたします。
供述調書は独り歩きする
取調べで作成される供述調書は、後の裁判で重要な証拠となります。いったん「認めた」とされる調書ができあがると、後から「本当はそうではなかった」と訂正することは容易ではございません。特に、共犯事件で自分の役割や認識を過大に認めてしまうと、量刑が重くなり、退去強制事由(入管法24条4号リ)への該当という取り返しのつかない結果につながるおそれがございます。
外国人事件では通訳を介した誤解が加わる
外国人の取調べでは、通訳を介するために、微妙なニュアンスがずれて調書に残る危険が加わります。捜査機関側の通訳は必ずしも法律用語の専門家ではなく、方言への対応が十分でないこともございます。ご本人が意図しない内容が「自白」として記録されれば、その影響は公判・在留の双方に及びます。認めるべき点と争うべき点の切り分けは、専門的な判断を要します。
「反省」と「不利益の甘受」は違う
真に反省すべき点について誠実に向き合うことと、事実でないことや認識のないことまで認めてしまうことは、まったく別でございます。前者は量刑上も評価されますが、後者は不利益をいたずらに広げるだけでございます。何を認め、何を争うのかは、弁護人と相談しながら、事実に即して慎重に決めていく必要がございます。
初動で押さえておきたいこと
- 記憶が曖昧な事柄について、迎合して認めない。黙秘権は正当な権利でございます。
- 調書に署名する前に、内容が自分の認識と合っているかを確認する。
- 早期に弁護人と、依頼者側に立つ通訳を確保する。
当事務所のご案内と解決事例
当事務所は、取調べ対応と証拠の精査を通じて、結果を大きく変えてきた実績がございます。
たとえば、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された方について、徹底した証拠分析と反対尋問により無罪判決を獲得した事例がございます。安易に認めず争い抜くことの意味を示す事例でございます。
また、特殊詐欺の出し子に関わったとされた方について、犯意の不存在を主張して不起訴処分を獲得した事例もございます。中国語専属通訳が、供述の正確な聴取を支えます。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更につきましても、提携の行政書士と連携し、ワンストップでご相談をお受けしております。
おわりに
反省の気持ちは大切でございますが、それは事実に即した形で示されるべきものでございます。何を認め、何を争うのか。その判断こそ、弁護人がお力になれるところでございます。取調べが本格化する前に、ぜひご相談ください。
なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案につきましては弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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