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外国人労働者が労働組合に加入して団体交渉を求める方法|手順と在留資格への影響

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外国人労働者が労働組合に加入して団体交渉を求める方法|手順と在留資格への影響

外国人労働者が労働組合に加入して団体交渉を求める方法|手順と在留資格への影響

2026/08/30

残業代が支払われない、一方的に減給された、けがをしたのに労災の手続をしてもらえない、辞めさせると言われた。会社に相談しても取り合ってもらえず、日本語で交渉する自信もない。中国籍の方から、こうしたご相談をいただくことが増えています。会社と一対一で向き合うのが難しい場面で、法律が用意している仕組みのひとつが労働組合です。

本記事では、外国人が日本の労働組合に加入して団体交渉を求めるとき、どのような手順を踏むのか、会社は交渉を断れるのか、そして組合活動が在留資格にどう影響するのかを説明します。

外国人でも日本の労働組合に加入できますか

加入できます。日本国憲法28条は、勤労者が団結する権利、団体交渉をする権利、団体行動をする権利を保障しており、この勤労者に国籍による制限はありません。労働組合法にも国籍を要件とする定めはなく、正社員でも、契約社員でも、パートやアルバイトでも、日本で使用されて賃金を得ている人であれば組合に加入できます。労働基準法3条は、使用者が労働者の国籍を理由として賃金や労働時間その他の労働条件について差別的取扱いをすることを禁じており、外国人であることを理由に組合活動を制限することも認められません。

会社に組合がない場合はどうすればよいですか

会社の中に組合がなくても、社外の組合に一人で加入することができます。地域や産業ごとに組織され、個人単位で加入できる組合は、一般に合同労組やユニオンと呼ばれています。外国人労働者の相談を専門に扱い、中国語をはじめとする多言語で対応する組合も存在します。加入すると、その組合が加入者の労働条件について会社と交渉する立場に立ちます。つまり、本人が一人で会社に掛け合う構図から、組合が会社と対等に交渉する構図に変わります。加入の際には、組合費の額、交渉の進め方、脱退の条件を事前に確認しておくとよいでしょう。

団体交渉ではどのようなことを求められますか

労働条件と労使関係に関わる事項が交渉の対象になります。実務でよく議題となるのは次のようなものです。

  • 未払賃金:残業代、深夜割増、休日割増の不足分。
  • 解雇や雇止めの撤回:理由の説明を求め、撤回や金銭による解決を協議する。
  • 労災の手続:会社が労災の届出に協力しない場合の対応。
  • ハラスメント:暴言、暴力、いじめについての調査と再発防止。
  • 寮費や送迎費の控除:賃金からの控除が適法かどうか。

交渉の結果は合意書としてまとめるのが通例です。金銭の支払いを含む合意では、支払時期と支払方法を明記しておくことが重要です。

会社は団体交渉を拒否できますか

正当な理由なく拒否することはできません。労働組合法7条は、使用者が労働組合の代表者との団体交渉を正当な理由なく拒むことを不当労働行為として禁じています。ここには、形だけ席に着いて実質的な回答をしない、資料を一切示さないといった不誠実な対応も含まれると解されています。会社が交渉に応じない場合、組合は労働委員会に救済を申し立てることができ、労働委員会は調査と審問を経て、交渉に応じるよう命じる救済命令を発することがあります。多くの事案では、申立てに至る前の段階で会社の対応が変わります。

組合に加入したことを理由に解雇や嫌がらせをされたらどうなりますか

それ自体が違法です。組合に加入したこと、組合活動をしたことを理由とする解雇、減給、配置転換などの不利益な取扱いは、不当労働行為として禁じられています。また、会社が組合の運営に介入したり、組合をやめるよう働きかけたりすることも禁じられます。こうした行為があった場合、労働委員会への救済申立てと、裁判所への訴えのいずれも選択できます。外国人の場合、解雇や雇止めが在留資格に直結するため、報復を恐れて声を上げにくいのが実情ですが、報復的な取扱いこそ法が正面から禁じている類型だという点を知っておいてください。

組合活動は在留資格に影響しますか

組合に加入し、団体交渉を求めること自体が、在留資格の審査で不利に扱われる理由にはなりません。むしろ注意が必要なのは、争いの過程で職を失った場合の取扱いです。就労資格で在留している方が退職した場合、契約機関に関する届出を事由が生じた日から14日以内に行う義務が入管法19条の16に定められています。また、入管法22条の4は在留資格の取消しについて定めており、その中には、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行わないで在留していることが取消事由とされる場合があります。ただし、正当な理由があるときは除かれますので、会社と係争中であること、次の就職先を探していることを、記録とともに説明できるようにしておくことが大切です。

失業した場合に生活を立て直す方法はありますか

いくつかの選択肢があります。雇用保険に加入していれば、要件を満たす場合に基本手当を受給できます。就職活動を継続するために、在留資格を特定活動に変更して一定期間の滞在が認められる運用もあります。また、生活が苦しい場合には、賃金の未払分について労働基準監督署への申告や、国の立替払制度の利用を検討できる場合があります。ここで避けたいのは、収入を得るために資格外の仕事に就いてしまうことです。資格外活動を専ら行っていると評価されると、入管法24条4号イの退去強制事由に該当し得るほか、入管法70条1項4号の罪に問われる可能性があります。生活の必要と在留資格の維持は、両立させる方法を探す必要があります。

技能実習生や特定技能で働いている場合も組合に加入できますか

加入できます。在留資格の種類によって団結権の保障が変わることはありません。もっとも、技能実習では受入先の変更が制度上限られており、実際には転籍の可否が交渉の中心になることが少なくありません。監理団体や外国人技能実習機構への申告、労働基準監督署への申告といった行政上の手続と、組合による交渉を組み合わせることが有効な場合があります。なお、技能実習に代わる新たな就労制度への移行が法律上予定されており、転籍の要件は今後変わり得ますので、手続を進める時点での最新の制度を確認してください。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

労働組合への加入と団体交渉は、一人では動かせなかった会社の対応を変えるための、法律が正面から認めた手段です。同時に、外国人にとっては、職を失うことが在留資格に直結するという固有の難しさがあります。交渉をどこまで求めるか、和解で終えるか、届出や在留資格の変更をどの時期に行うかは、労働問題と入管手続の両方を見通したうえで決めるべき事柄です。会社との関係が悪化してからでは選択肢が狭まりますので、迷いが生じた段階でご相談ください。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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