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アルバイト先が入管に摘発されたら留学生はどうなるか|取調べ対応と未払賃金・在留への影響

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アルバイト先が入管に摘発されたら留学生はどうなるか|取調べ対応と未払賃金・在留への影響

アルバイト先が入管に摘発されたら留学生はどうなるか|取調べ対応と未払賃金・在留への影響

2026/08/30

ある日突然、アルバイト先に入管の職員や警察官が来て、従業員全員が在留カードの提示を求められた。店長が連れて行かれ、自分も後日、話を聞きたいと連絡を受けた。同僚の中には、その日から連絡が取れなくなった人もいる。飲食店、コンビニ、工場、解体現場などで、こうした場面に遭遇する留学生の方は少なくありません。

このとき最も多い誤解が、摘発されたのは会社なのだから自分には関係がない、というものと、逆に、もう終わりだと思い込んで連絡を絶ってしまう、というものです。実際には、雇用主が問われる責任と、留学生本人が問われる責任は別の条文に基づいており、また、たとえ資格外活動の超過があっても、働いた分の賃金を請求する権利は残ります。本記事では、摘発の直後に何が起き、何をすべきかを整理します。

アルバイト先が摘発されると留学生も逮捕されますか

結論として、必ず逮捕されるわけではありません。摘発の対象と、そこで問題になる責任は、立場によって異なります。

雇用主の側では、不法就労助長罪(入管法73条の2)が問題になります。これは、事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた場合などに成立する罪です。外国人が経営者である場合には、退去強制事由としても入管法24条3号の4が定められており、この事由は行為そのもので該当し、刑事処罰を受けていることを要件としていません。

留学生の側では、資格外活動許可の範囲内で働いていたのであれば、刑事責任は生じません。許可の範囲を超えていた場合は資格外活動罪(同法73条)が、本来の活動を行わず就労を専らにしていたと評価される場合は同法70条1項4号の罪が問題になります。したがって、まず確認すべきは、自分の許可の内容と実際の勤務時間です。

入管や警察から呼出しを受けたらどう対応すればよいですか

行く前に弁護士に相談してください。呼出しの時点では、自分が参考人として事情を聞かれるのか、被疑者として調べられるのかが分からないことが多く、この違いによって準備すべき内容が変わります。

取調べでは黙秘権があり、供述を拒む権利も、供述調書に署名しない権利もあります。日本語での取調べに不安があるときは、通訳人を求めることができます。訳された内容が自分の言いたいことと一致しているかを確認してから署名してください。

とりわけ、勤務時間や雇用条件の記憶があいまいなまま、取調官が示した数字をそのまま認めることは避けてください。分からないことは分からないと述べ、資料を確認したいと伝えて構いません。

雇用主が処罰される場合と自分が処罰される場合はどう違いますか

根拠となる条文も、問われる内容も異なります。整理すると次のとおりです。

  • 雇用主は、外国人に不法就労活動をさせたことについて不法就労助長罪(入管法73条の2)の責任を問われます
  • 留学生本人は、自分の在留資格と許可の範囲を超えて働いたことについて、資格外活動罪(同法73条)や、就労を専らにしていた場合の同法70条1項4号の責任を問われます
  • 逆に、本人が許可の範囲内で働いていれば、雇用主が摘発されたことをもって本人が処罰されることはありません

両者は連動していません。雇用主から、自分たちに合わせて説明してほしいと求められることがありますが、事実と異なる説明をすれば、それ自体が不利益に働きます。自分の事実は自分の資料で説明してください。

給料の未払いがあっても請求できますか

できます。実際に労務を提供した以上、賃金を請求する権利は発生しています。在留資格の種類や、資格外活動許可の範囲を超えていたかどうかは、すでに働いた分の賃金を受け取る権利を否定する理由にはなりません。

摘発の後、雇用主が事業を停止したり、連絡が取れなくなったりすることがあります。次の対応をご検討ください。

  • タイムカード、シフト表、給与明細、業務上のやり取りの記録を確保する
  • 労働基準監督署に申告する
  • 金額と期間を整理し、内容証明郵便で請求する

労働基準法上の保護は、国籍にかかわらず及びます。ただし、請求の過程で勤務時間が明らかになりますので、在留の手続との関係を弁護士と整理したうえで進めることをおすすめします。

学校に連絡が行きますか。退学になりますか

事案によっては、学校に照会が行われることがあります。教育機関は在籍状況や出席状況を入管に報告する立場にあり、学生が刑事事件や入管の違反調査の対象となった場合、学校が事実確認を行うことは珍しくありません。

退学や除籍になるかどうかは、学則の定めと事案の内容によります。ただ、ここで重要なのは、退学や除籍になると、留学の在留資格に応じた活動を行っていない状態が生じるという点です。入管法22条の4は、正当な理由なく在留資格に応じた活動を3か月以上行っていない場合を在留資格取消しの対象に含めています。

また、退学・除籍は所属機関に関する届出の対象となり、入管法19条の16に基づき14日以内の届出が必要です。学校との話し合いは、在留への影響を踏まえて進める必要があります。

在留資格にはどのような影響がありますか

刑事手続と入管手続は別に進みます。刑事処分が軽く済んだとしても、それだけで在留の問題が解決するわけではありません。

まず、資格外活動を専ら行っていたと明らかに認められる場合は入管法24条4号イ、資格外活動罪で拘禁刑を受けた場合は同法24条4号ヘが、それぞれ退去強制事由になり得ます。前者は刑事処罰を要件としていません。

違反調査の結果、収容令書が発付される場合もありますが、現在は監理措置の制度が設けられています。出入国在留管理庁の公表によれば、令和6年6月10日から同年末までの間に監理措置の決定は1,123件、仮放免は127件であり、監理人の9割以上は親族や知人でした。身元を引き受けてくれる方の確保は、身柄の扱いに直結します。

退去強制手続に進んだ場合でも、在留特別許可(入管法50条)を求める余地があります。令和6年3月改定・同年6月10日施行のガイドラインでは、自ら出頭したことが積極要素とされています。

摘発の直後にすべきことは何ですか

連絡を絶たないこと、そして資料を保全することです。所在が分からなくなることは、後の手続で最も不利に働きます。

具体的には、次の準備を進めてください。

  • 資格外活動許可書または在留カード裏面の記載を写しで保管する
  • すべての勤務先のシフト表、タイムカード、給与明細、勤務に関する連絡記録を集める
  • 在籍証明書、成績証明書、出席状況など、学業を継続していたことを示す資料を確保する
  • 住居と身元引受人を確保し、連絡先を明確にしておく
  • 呼出しに応じる前に弁護士に相談し、参考人か被疑者かを踏まえて方針を決める

働いた時間を正確に把握することが、刑事の説明にも、未払賃金の請求にも、在留の手続にも共通して必要になります。当事務所では中国語通訳を備え、ご本人とご家族の双方に手続の見通しをご説明しています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

アルバイト先が摘発された場合、雇用主が問われる不法就労助長罪と、本人が問われる資格外活動の問題は、別の条文に基づく別の責任です。まず自分の許可の範囲と実際の勤務時間を確認し、それを裏づける資料を保全したうえで、呼出しに応じる前に方針を立ててください。未払賃金があれば請求する権利は残っていますし、退去強制手続に進んだ場合でも在留特別許可を求める余地はあります。連絡を絶たず、早い段階でご相談いただくことが、選択肢を残す最も確実な方法です。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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