舟渡国際法律事務所

中古品の買取転売に許可は必要か|古物営業法の無許可営業と外国人の在留資格

お問い合わせはこちら

中古品の買取転売に許可は必要か|古物営業法の無許可営業と外国人の在留資格

中古品の買取転売に許可は必要か|古物営業法の無許可営業と外国人の在留資格

2026/08/29

フリマアプリで安く仕入れたブランド品を繰り返し売っている、知人から中古のスマートフォンやカメラをまとめて買い取って中国へ送っている、店舗を借りて中古品の買取を始めた。日本ではこうした活動に許可が必要な場合があり、許可を受けずに続けていると、ある日、警察の生活安全課から連絡が来ることがあります。

古物営業法は、盗まれた品物が市場に流れることを防ぐために作られた法律で、中古品の売買を業として行う人に許可と記録の義務を課しています。外国人の方の場合、この法律の問題に加えて、そもそもその在留資格でその活動を行ってよいのかという入管法上の問題が同時に生じます。本記事では、どこから許可が必要になるのか、無許可だった場合に何が起きるのか、そして在留資格との関係を整理します。

中古品を買い取って転売するには許可が必要ですか

結論として、中古品を買い取って売る行為を反復継続して行う場合には、都道府県公安委員会の許可(古物商の許可)が必要です。この許可は営業所の所在地を管轄する警察署を通じて申請します。

ここでいう古物には、一度使用された物品のほか、使用のために取引されたがまだ使用されていない物品、これらに幾らかの手入れをした物品が含まれます。未使用品であっても、いったん消費者の手に渡ったものを買い取って売れば、古物の取引に当たります。衣類、時計・宝飾品、自動車、自動二輪車、自転車、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品、書籍、金券類など、対象は幅広く区分されています。

自分の不用品を売るだけでも許可が要りますか

自分が使っていた物を売るだけであれば、原則として許可は必要ありません。古物営業法が対象とするのは、他人から買い取ったものを売る営業だからです。

もっとも、実務上の線引きには注意が必要です。次のような場合は、自分の不用品の処分ではなく営業と評価される可能性があります。

  • 転売を目的として仕入れた新品・中古品を継続的に売っている
  • 知人や不特定の人から買い取った品物を売っている
  • 出品数や取引回数が多く、仕入れと販売のサイクルが繰り返されている
  • 屋号を掲げたり、買取の告知をしたりしている

なお、自分で仕入れた新品だけを売る場合や、無償でもらった物を売る場合は、古物営業法の許可の対象外とされています。ただしどちらに当たるかは取引の実態で判断されるため、自己申告の名目では決まりません。

無許可で営業した場合の罰則はどうなりますか

古物営業法は、許可を受けずに古物営業を営む行為を処罰しており、法定刑は3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。併科されることもあります。

加えて、次の行為も同じ重さで処罰の対象とされています。

  • 自己の名義を他人に貸して古物営業を営ませること(名義貸し)
  • 許可を受けずに古物市場を経営すること

また、許可を受けている場合でも、取引の記録(帳簿等)を作成・保存しなかったり、虚偽の記載をしたりすると別に処罰されます。買取の際に相手方の身元を確認する義務も課されており、これを怠ると許可の取消しや営業停止の対象になります。

外国人でも古物商の許可を取れますか

国籍を理由に許可が受けられないという定めはなく、日本に住所があり、欠格事由に当たらなければ申請することができます。欠格事由には、一定の犯罪歴、破産手続開始の決定を受けて復権していないこと、住居が定まらないことなどが含まれます。

ただし外国人の方には、もう一つ重要な前提があります。その在留資格で、その事業を行うことが認められているかどうかです。許可が下りたとしても、入管法上その活動が許されていなければ、資格外活動の問題は残ります。この点は後述します。

名義を貸してほしいと言われた場合はどうなりますか

断ってください。名義貸しは古物営業法が明文で禁じており、無許可営業と同じ法定刑が定められています。実際に自分は何もしていない、名前を貸しただけだという説明は、責任を免れる理由になりません。

さらに深刻なのは、名義を借りた側が盗品の売買や詐欺に関わっていた場合です。取引の記録上は自分が営業主として現れるため、捜査の最初の対象は名義人である自分になります。実態を説明するためには、いつ誰にどのような経緯で名義を貸したのか、報酬の有無、実際の運営者との連絡の記録といった資料が必要になります。安易に応じた結果、共犯を疑われて長期の身柄拘束を受けた例は少なくありません。

買い取った品物が盗品だった場合はどうなりますか

盗品であることを知りながら、あるいはその可能性を認識しながら買い取れば、盗品等有償譲受け罪(刑法256条2項)が問題になります。まったく知らなかった場合は犯罪にはなりませんが、それでも品物は警察に差し押さえられ、被害者に返還されるのが原則です。

古物営業法は、古物商が買い取った品物が盗品であった場合について、一定の期間内であれば被害者が無償で返還を求められる仕組みを置いています。つまり、支払った代金が戻らないまま品物だけを失う可能性があるということです。だからこそ、この法律は買取時の本人確認と帳簿の記録を厳しく求めています。

実務上、著しく安い価格、身元を明かさない相手、同種の品物の大量持込み、正規の付属品や保証書がないといった事情が重なると、知らなかったという説明が通りにくくなります。買取時の記録は自分を守る資料でもあります。

在留資格との関係でどのような点に注意すべきですか

もっとも注意すべきは、古物営業法の許可を取ったかどうかとは別に、入管法上その活動が認められているかという点です。

留学や家族滞在のように就労が原則として認められない在留資格の方が、反復継続して買取転売の収入を得ていれば、資格外活動の問題が生じます。資格外活動を専ら行っていたと評価されれば入管法70条1項4号の罪と24条4号イの退去強制事由が、資格外活動罪(同法73条)で拘禁刑を受ければ24条4号ヘが問題になります。技術・人文知識・国際業務などの就労資格の方も、許可された活動の範囲外で独自に事業を営めば同じ問題が生じます。

自ら事業として買取転売を行うのであれば、事業の実体を備えたうえで経営・管理の在留資格への変更を検討することになります。あわせて、在留資格取消しの制度(入管法22条の4)や、契約機関等に関する届出(同法19条の16、14日以内)にも注意が必要です。古物商の許可を取ったこと自体は、入管法上の適法性を保証しません。両方の制度を同時に見ておく必要があります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

中古品の買取転売は、規模が小さくても許可が必要な営業に当たることがあり、無許可のまま続ければ3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金という重い罰則が用意されています。外国人の方にとっては、これに加えて資格外活動という在留資格上の問題が重なり、刑事事件と入管手続の双方に対応しなければならなくなります。すでに取引を始めている方も、これから事業を考えている方も、警察から連絡が来る前の段階で、許可の要否と在留資格の適合性を弁護士にご確認ください。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

お問い合わせ

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

この記事の他の言語版

简体中文

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。