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チケットの高額転売はどこから違法か|チケット不正転売禁止法と外国人の在留資格への影響

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チケットの高額転売はどこから違法か|チケット不正転売禁止法と外国人の在留資格への影響

チケットの高額転売はどこから違法か|チケット不正転売禁止法と外国人の在留資格への影響

2026/08/29

好きなアーティストのチケットが取れたので、行けなくなった分を定価より高く譲った。友人の分もまとめて申し込み、あとで手数料を上乗せして渡した。転売サイトで人気公演のチケットを繰り返し売買していたところ、ある日、警察から連絡が来た。日本ではチケットの転売について専用の法律が置かれており、行為の内容によっては刑事事件になります。

中国語圏では、チケットの転売そのものは珍しい行為ではなく、日本でも同じ感覚で扱ってしまう方がおられます。しかし日本では2019年6月から、特定の要件を満たすチケットを業として定価を超えて転売する行為が、法律で明確に禁止されています。本記事では、どのチケットが対象になるのか、どこからが違法なのか、そして有罪となった場合に在留資格へどう影響するのかを説明します。

チケットを高く転売すると法律違反になりますか

結論としては、すべての転売が違法なわけではありませんが、一定の要件を満たすチケットについて、業として定価を超える価格で売る行為は、特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律、いわゆるチケット不正転売禁止法によって禁止されています。

違反した場合の法定刑は、1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又はその併科です。この法律は2019年6月14日に施行されました。

また、この法律とは別に、多くの都道府県には、駅前や会場周辺などの公共の場所でチケットを売ったり買ったりする行為、いわゆるダフ屋行為を禁じる迷惑防止条例があります。会場の前で声をかけて売買した場合は、条例違反として検挙されることがあります。

どのようなチケットが規制の対象になりますか

規制の対象は、法律が定める要件をすべて満たしたチケット(特定興行入場券)に限られます。おおむね次のような条件です。

  • 興行の日時、場所、入場資格者または座席が特定されているものであること
  • 不特定または多数の人に販売されるものであること
  • 販売時に、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨が明示され、その旨がチケットの券面や電子的な表示に記載されていること
  • 購入者の氏名や連絡先を確認する措置がとられ、その旨が券面等に記載されていること

したがって、券面に転売禁止と書かれていない一般的なチケットや、購入者の確認が行われていないチケットは、この法律の対象外です。ただし対象外であっても、次に述べるように別の法律や条例の問題が残ります。

1回だけ転売した場合も処罰されますか

この法律が禁じているのは、業として行う不正転売です。業として、とは反復継続して行う意思をもって行うことを意味し、実際の回数が1回であっても、繰り返す意思が認められれば該当しうるとされています。

逆に、本当に行けなくなった1枚を、繰り返す意思なく譲った場合は、この法律の処罰対象にはなりにくいと考えられます。もっとも、出品履歴、複数名義での申込み、価格の設定方法、宣伝の文言といった客観的な事情から反復継続の意思が推認されることがあり、自分では1回のつもりでも捜査の対象になる場合があります。定価以下で譲る場合は、そもそも不正転売には当たりません。

転売目的で買った場合や、買う側はどうなりますか

この法律は、不正転売を目的としてチケットを譲り受ける行為も禁止しており、罰則も同じです。つまり、転売するつもりで買い集めた段階で違反となりうるということです。

単に自分で観るために高値で買った人は、この法律による処罰の対象ではありません。ただし、公共の場所での売買であれば迷惑防止条例の問題が生じますし、支払ったのにチケットが届かない、入場できなかったという場合は、売主に対して代金の返還を求める民事の問題になります。相手が匿名の場合、被害の回復はきわめて困難です。

転売サイトやSNSでの取引は摘発されますか

されています。興行主やチケット販売事業者が転売サイトの出品を監視し、購入者情報と照合して警察に相談する例が増えており、SNSでの取引についても、アカウントの履歴と入金記録から関与者が特定されています。

特に注意が必要なのは、次のような形態です。

  • 家族や友人の名義を借りて複数口申し込み、当選分をまとめて売る
  • 抽選のために大量のアカウントを作成する
  • 報酬を受け取って他人のために出品や発送を代行する

他人名義の使用や大量アカウントの作成は、事案によっては別の犯罪が問題になります。また、代行を引き受けただけの人でも、外形的には出品者として扱われます。

有罪になった場合、在留資格にどう影響しますか

刑事手続と入管手続は別に進みます。チケット不正転売禁止法違反の法定刑は1年以下の拘禁刑であり、入管法24条4号リが対象とする1年を超える実刑には当たりません。同号の但書により全部執行猶予も除外されますので、この罪だけで直ちに退去強制手続に進むことは通常ありません。

ただし影響は別のところに現れます。第一に、在留期間の更新や在留資格の変更は素行を含めた総合判断で行われ、有罪となった事実は審査で評価されます。永住許可の審査ではさらに厳しく見られます。

第二に、留学や家族滞在のように就労が原則として認められない在留資格の方が、反復継続して転売による収入を得ていた場合、資格外活動の問題が生じます。資格外活動を専ら行っていたと評価されれば入管法70条1項4号の罪と24条4号イの退去強制事由が、資格外活動罪(同法73条)で拘禁刑を受ければ24条4号ヘが問題になります。転売そのものより、収入を伴う活動を無許可で反復していたという評価のほうが、在留にとって重い意味を持つ場合があります。

警察から連絡が来たらどう対応すればよいですか

出頭する前に弁護士に相談してください。この種の事件では、出品履歴、入金記録、チャットのやり取りといった客観的な資料がすでに押さえられていることが多く、事実関係をどう位置づけるかが結論を分けます。

取調べでは黙秘権があり、供述を拒む権利も、調書に署名しない権利もあります。日本語の細かなニュアンスに不安がある方は、通訳人が訳した内容が自分の言いたいことと合っているかを確認してから署名すべきです。

あわせて、次の資料を保全してください。削除してしまうと、自分に有利な事情を示す手段が失われます。

  • チケットの購入履歴と価格が分かる画面
  • 譲渡の相手方とのやり取り
  • 行けなくなった事情を示すもの(勤務シフト、診断書、渡航記録など)
  • 受け取った金額と、定価との関係が分かる記録

当事務所では中国語通訳を備え、ご本人とご家族の双方に手続の見通しをご説明しています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

チケットの転売は、日本では専用の法律によって明確に規制されており、対象となるチケットを業として定価を超えて売れば刑事事件になります。金額としては大きくない事案であっても、有罪となった事実は在留期間の更新や永住許可の審査に残り、就労が認められない在留資格の方であれば資格外活動という別の問題も生じます。心当たりがある段階、あるいは警察から連絡があった段階で、できるだけ早く弁護士にご相談ください。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

お問い合わせ

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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