舟渡国際法律事務所

ポイント・電子マネー・ギフト券の不正取得で問われる罪|外国人の在留資格への影響と初動対応

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ポイント・電子マネー・ギフト券の不正取得で問われる罪|外国人の在留資格への影響と初動対応

ポイント・電子マネー・ギフト券の不正取得で問われる罪|外国人の在留資格への影響と初動対応

2026/08/29

インターネットで見かけた副業の話に乗って他人のアカウントにログインしポイントを移した、知らない相手に頼まれてコンビニでギフト券を買い番号の写真だけを送った、相場よりかなり安く売られていた電子マネーの番号をまとめて買い取った。こうした出来事のあと、しばらく経ってから警察署の生活安全課や捜査二課から出頭を求める電話がかかってくることがあります。

ポイントや電子マネー、ギフト券は現金とは違うのだから大した問題にはならないだろう、と考える方は少なくありません。しかし日本の刑法では、これらはいずれも財産上の利益や財物として保護されており、取得の方法によっては詐欺罪や電子計算機使用詐欺罪といった、罰金刑の定めのない重い罪が問題になります。有罪になれば在留期間の更新や在留資格の変更の審査にも直接影響します。本記事では、どのような行為がどの罪に当たるのか、在留資格にどう響くのか、そして警察から連絡を受けた段階で何をすべきかを整理します。

ポイントや電子マネーを不正に取得すると何罪になりますか

結論から申し上げると、取得の方法によって罪名が変わり、多くの場合は詐欺罪または電子計算機使用詐欺罪に問われます。いずれも法定刑は10年以下の拘禁刑で、罰金刑の定めがありません。つまり起訴されて有罪となれば、実刑か執行猶予かという判断になります。

  • 店員や係員を欺いて商品やサービス、返金を受けた場合は詐欺罪(刑法246条)
  • 人を介さずに、システムに虚偽の情報や不正な指令を与えて残高やポイントを自分の側に移した場合は電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)
  • 他人が管理するカードやスマートフォンそのものを持ち去った場合は窃盗罪(刑法235条)

キャンペーンの特典を狙って架空名義や大量のアカウントを作り、システム上の判定をすり抜けてポイントを得た類型も、同罪として立件されます。金額が小さくても、手口が反復的・組織的であると評価されると、起訴に傾きやすくなります。

他人のIDとパスワードでログインしてポイントを使うと不正アクセスになりますか

なります。他人の識別符号を無断で入力してネットワーク経由でサービスにログインする行為は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律が禁じる不正アクセス行為に当たり、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が定められています。

注意していただきたいのは、この法律がログインした行為そのものを処罰している点です。ポイントを一切使わなかったとしても犯罪は成立します。ログインしたうえでポイントや残高を移せば、不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺罪の両方が問題になり、評価はさらに重くなります。

ギフト券の番号を安く買い取っただけでも罪になりますか

事情によっては罪になります。売主が詐欺や不正アクセスによって手に入れた券であることを知りながら、あるいはその可能性を認識しながら買い取れば、盗品等有償譲受け罪(刑法256条2項)や、詐欺の共犯が問題になります。

実務上、捜査機関は本人の言い分ではなく客観的な事情から認識の有無を判断します。相場より著しく安い価格、身元を明かさない相手、匿名性の高いアプリでのやり取り、現金手渡しや暗号資産での決済、番号だけを大量に受け取る取引形態といった事情がそろうと、薄々おかしいと思っていたのではないかという形で未必の故意が認定されやすくなります。

SNSで頼まれてギフト券を買い番号を送っただけでも捜査対象になりますか

なります。近年は、他人からだまし取った金銭でギフト券を購入させ、番号だけを転送させるという形で資金を回収する手口が広がっており、この購入・転送の役割を担った人は、特殊詐欺の受け子や出し子と同じ位置づけで捜査されます。

作業内容に比べて報酬が高い、身分証の写真を先に送らされた、匿名性の高いアプリでしか連絡が取れない、購入の理由について不自然な説明を受けた、といった事情があると、詐欺の共同正犯または幇助として立件される可能性があります。

逮捕された場合、在留資格にはどのような影響がありますか

刑事手続と入管手続は別々に進みます。刑事事件が終わっても、それで在留の問題が自動的に解決するわけではありません。

まず退去強制事由についてですが、入管法24条4号リは1年を超える実刑を受けた場合を対象としており、同号の但書によって全部執行猶予が付いた場合は除外されます。したがって、罰金や執行猶予付きの判決であれば、この規定を理由に直ちに退去強制手続に進むわけではありません。

問題はその先です。在留期間の更新や在留資格の変更は、素行が善良であることを含めた総合判断で行われます。財産犯で有罪となった事実は審査で正面から評価され、更新が認められない結果につながることがあります。更新が不許可になれば出国準備のための在留しか残らず、期限を過ぎれば不法残留として入管法70条1項5号の罪と24条4号ロの退去強制事由の問題になります。永住許可の審査でも大きな障害となります。

起訴されずに済む可能性はありますか

事案によってはあります。日本の検察官は、犯情に加えて被害の回復状況や本人の事情を総合して起訴するかどうかを決める権限を持っており、被害が弁償され示談が成立している事案では、起訴猶予による不起訴処分となることがあります。

重要になるのは次の点です。いずれも早い段階でしか整えられません。

  • 被害額を確定し、可能な範囲で速やかに弁償すること
  • 被害者や事業者との示談交渉を弁護人を通じて行うこと
  • 自分が全体の中でどの役割にとどまっていたのかを、客観的な資料とともに示すこと
  • 再発防止のための生活環境(勤務先、家族、身元引受人)を整えること

とりわけ外国人の方の場合、起訴前に不起訴を獲得できるかどうかが、その後の在留を左右する最大の分岐点になります。

警察から連絡が来た段階で何をすればよいですか

出頭する前に弁護士に相談してください。最初の取調べで述べた内容は供述調書として残り、あとから訂正することは容易ではありません。

取調べには黙秘権があり、供述しない権利も、調書への署名を拒む権利もあります。日本語での取調べに不安がある方は、訳された内容が自分の言いたいことと合っているかを確認してから署名すべきです。

あわせて、アカウントの利用履歴、相手方とのやり取りの画面、送金や購入の記録は、消さずに保全してください。自分が主導的な立場ではなかったことや、だまされて関与したことを示す資料は、削除してしまうと二度と戻りません。当事務所では中国語通訳を備え、初期段階からご本人とご家族の双方に状況をご説明しています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

ポイントや電子マネー、ギフト券をめぐる事件は、被害額が数万円にとどまる場合でも、詐欺罪や電子計算機使用詐欺罪という罰金刑の定めのない罪で立件されることがあります。そして刑事処分が確定した後には、在留期間の更新や在留資格の変更という、生活の基盤そのものに関わる審査が待っています。警察から連絡があった段階、あるいは自分の関わった取引に不安を感じた段階で、できるだけ早く弁護士にご相談ください。早い段階であれば、被害弁償や示談、役割の説明といった、結果を左右しうる働きかけの選択肢が残されています。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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