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投資詐欺・ロマンス詐欺の被害に遭った外国人ができること|口座凍結、被害回復の制度と在留への不安

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投資詐欺・ロマンス詐欺の被害に遭った外国人ができること|口座凍結、被害回復の制度と在留への不安

投資詐欺・ロマンス詐欺の被害に遭った外国人ができること|口座凍結、被害回復の制度と在留への不安

2026/08/29

SNSで知り合った相手に勧められて投資のアプリに送金した、最初は出金できたのに、追加の入金を求められて連絡が取れなくなった。あるいは、親しくなった相手に事情を説明されて何度も送金してしまった。こうした被害は在日中国人のコミュニティでも広がっていますが、被害に遭った方の多くが、警察に行けば自分の在留資格や資格外活動のことを調べられるのではないかと考えて、相談をためらっておられます。

本記事では、被害に気づいた直後にすべきこと、日本にある被害回復の制度、そして在留資格に不安がある方が相談を進める順序について説明します。取り戻せる金額を約束できる制度は存在しませんので、その点も含めて正確にお伝えします。

だまされてお金を送ってしまいました。まず何をすればよいですか

結論として、時間が結果を左右します。最初の数日で行うべきことは限られています。

  • 振込先の金融機関と、自分の取引金融機関の両方に連絡し、詐欺被害である旨を伝えて口座の凍結を求める
  • 警察署または警察相談専用電話(#9110)に相談し、被害届の提出について確認する
  • やり取りの記録、送金の明細、相手のアカウント情報、アプリの画面をすべて保存する
  • 消費者ホットライン(188)で、消費生活センターに相談できる内容かを確認する

特に重要なのは記録の保存です。アプリが使えなくなる、相手にブロックされる、グループが削除されるといったことは短時間で起こります。画面を撮影し、送金の日付と金額を一覧にしておいてください。

在留資格に不安があっても警察に相談してよいですか

この点を正直に整理しておきます。オーバーステイの状態にある、資格外活動の範囲を超えて働いていた、そうした事情がある方が被害を申告した場合に、在留の状況が明らかになる可能性を否定することはできません。

他方で、被害を申告したことのみを理由に直ちに収容されるという運用が定まっているわけでもありません。入管法50条5項は、在留特別許可の判断にあたって考慮すべき事項を定めており、家族関係や在留の状況、人道上の配慮を要する事情などが考慮の対象とされています。捜査に協力した事実や、被害を受けた経緯が、こうした判断のなかで意味を持つ場合があります。

したがって、何もせずに黙っていることが最善とは限りません。ただし、どの順序で、どこに、何を伝えるかによって展開は変わります。在留資格に不安がある方は、警察に行く前に弁護士に相談し、被害申告と在留手続の進め方を一緒に組み立てることをお勧めします。

振り込んでしまったお金は取り戻せますか

取り戻せる場合もありますが、確実ではありません。金額の一部にとどまることも、まったく戻らないことも珍しくありません。

日本には、犯罪に利用された預金口座について、金融機関が口座を凍結し、その残っている資金を被害者に分配する仕組みがあります。いわゆる振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)による制度です。ここで重要なのは、分配の原資が凍結時に口座に残っていた金額に限られるという点です。すでに引き出されていれば分配される資金はありません。また、公告や申請の手続を経るため、結論が出るまでに相当の時間がかかります。

だからこそ、被害に気づいた直後に金融機関へ連絡することが決定的に重要になります。

暗号資産で送ってしまった場合はどうなりますか

銀行振込の場合より回復は難しくなるのが実情です。

国内の取引所を経由している場合は、取引所に連絡し、送金先のアドレスと取引の記録を伝えて対応を求めることが考えられます。もっとも、送金先が国外の事業者や身元の分からないアドレスである場合、追跡と回復は容易ではありません。それでも取引記録は民事の請求や捜査の資料として意味を持ちますので、履歴は早い段階で保存してください。

刑事手続のなかで被害者としてできることはありますか

被害届や告訴を行い、捜査に協力することが基本になります。そのうえで、制度の限界も知っておく必要があります。

刑事裁判に被害者本人が参加する被害者参加制度や、刑事裁判の手続を利用して損害賠償を命じてもらう損害賠償命令制度は、対象となる犯罪が法律で限定されており、詐欺はその対象に含まれていません。したがって、詐欺の被害については、刑事裁判のなかで賠償を命じてもらうことはできず、民事の手続によることになります。

他方で、組織的な犯罪により犯人からはく奪された財産を原資として、被害者に給付金を支給する制度が設けられています。検察官から通知が来ることもありますので、捜査機関に対して、自分が被害者であることと連絡先を明確に伝えておくことが大切です。

民事で相手に請求するにはどうすればよいですか

最大の壁は、相手が誰なのかを特定することです。

相手の氏名も住所も分からない状態では、訴訟を起こすことができません。振込先の口座名義人が判明していれば、その人物を相手にすることが考えられますが、名義人自身も口座を売った人物で資産がないという例が多くあります。

また、相手を特定できたとしても、支払う資力があるかどうかという問題が残ります。訴訟の費用と時間、回収の見込みを比較したうえで進めるかどうかを判断することになりますので、弁護士に相談する際は、この見通しを率直に確認してください。

自分が受け子や口座の提供者にされていた場合はどうなりますか

被害者だと思っていた方が、捜査のなかで加害者側として扱われることがあります。

報酬をもらって荷物や現金を受け取っていた、自分の口座に入金させて別の口座へ送っていた、頼まれて銀行口座やキャッシュカードを渡していた。こうした行為は、詐欺の共犯や、預貯金通帳等の譲渡に関する犯罪として捜査の対象になります。だまされていたという事情があっても、その説明が受け入れられるかどうかは、報酬の有無、依頼の内容、認識の程度によって変わります。

この場合、被害の相談と刑事の防御を同時に組み立てる必要があります。取調べでは黙秘権があり、日本語の調書に署名するかどうかは、通訳を通じて内容を確認したうえで判断できます。

被害の後に届く「お金を取り戻します」という連絡には注意が必要ですか

強く注意すべきです。被害者名簿が出回り、回収を持ちかける二次被害が起きています。

手数料を先に払えば回収できる、海外の弁護士事務所が資金を保全している、といった連絡はその典型です。日本の弁護士は日本弁護士連合会と各弁護士会に登録されており、登録の有無は照会できます。少しでも不審に感じたら、支払う前に、正規の窓口や弁護士に確認してください。すでに支払ってしまった場合も、その事実を含めて相談してください。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

投資詐欺やロマンス詐欺の被害では、口座の凍結を求めるまでの数日、記録を保存できたかどうか、そして被害の申告を早く行えたかどうかが、その後の展開を大きく左右します。在留資格に不安があることを理由に相談をためらっていると、その数日が失われてしまいます。在留の問題を含めて一緒に整理することができますので、まずは状況をお聞かせください。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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