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生活保護の受給と在留資格の関係|対象となる在留資格、更新・永住審査への影響と代わりの制度

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生活保護の受給と在留資格の関係|対象となる在留資格、更新・永住審査への影響と代わりの制度

生活保護の受給と在留資格の関係|対象となる在留資格、更新・永住審査への影響と代わりの制度

2026/08/29

仕事を失った、病気で働けなくなった、家賃と医療費が払えない。それでも、生活保護を受けたら在留資格を失うのではないか、次の更新で不許可になるのではないかと考えて、役所の窓口に行けないまま状況が悪化してしまう。外国人の方からのご相談で、これは非常に多い場面です。

本記事では、どのような在留資格の方が生活保護の対象になり得るのか、受給が在留期間の更新や永住許可の審査でどう扱われるのか、そして生活保護以外にどのような制度があるのかを、順を追って説明します。

外国人でも生活保護を受けられますか

結論として、日本国籍の方と同じ意味での法律上の受給権は認められていませんが、一定の在留資格を有する方については、行政上の措置として生活保護法を準用する取扱いが行われています。

最高裁判所は平成26年7月18日の判決において、外国人は生活保護法に基づく受給権を有する者には当たらないとの判断を示しました。他方で、行政の判断に基づく事実上の保護の対象となり得ることは否定されておらず、実際にも各自治体で保護が行われています。つまり、法律上の権利として保護を請求できる立場ではないものの、行政上の措置として保護を受け得る立場にある、という整理になります。

実際の運用では、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、特別永住者、難民として認定された方などが対象とされています。留学、技能実習、家族滞在、就労系の在留資格の方は、原則として対象外です。この点は窓口によって説明が異なることもあるため、自分の在留資格を確認したうえで相談することが大切です。

生活保護を受けると在留資格を失いますか

受給したこと自体によって直ちに在留資格を失うわけではありません。もっとも、無関係でもありません。

入管法24条4号には、貧困や放浪により生活上国または地方公共団体の負担となっている者に関する退去強制事由の定めが置かれています。この規定が実際に適用されるかどうかは個別の判断によりますので、受給しているから当然に退去強制になる、という説明は正確ではありません。実務上、より現実的な影響が生じるのは、在留期間の更新、在留資格の変更、永住許可といった審査の場面です。

在留期間の更新で不利になりますか

影響し得ます。入管は更新の審査において、本人または扶養してくれる方の収入によって安定した生活を営めるかどうかを見ています。

特に注意が必要なのは、就労系の在留資格の方です。生活保護の受給それ自体よりも、その前提として就労していない状態が続いていることが問題になります。入管法22条の4は、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていない場合を在留資格の取消事由の一つとしており、正当な理由がある場合は除かれるとされています。病気や会社の倒産といった事情があるのであれば、診断書や離職票などの形で説明できるようにしておく必要があります。

永住許可の審査ではどう評価されますか

永住許可では、素行が善良であること、独立して生計を営むに足りる資産または技能を有すること、その者の永住が日本国の利益に合すると認められることが要件とされています。

生活保護を受給している状態は、このうち独立生計の要件との関係で消極的に評価される可能性が高いといえます。過去に受給していた期間があるという事実だけで永住が一律に否定されるわけではありませんが、申請の時点で安定した収入があること、世帯としての収支が説明できることは重要です。受給を終えてから一定の期間、就労と納税の実績を積んだうえで申請することを検討する方が現実的な場面もあります。

生活保護の対象にならない場合、ほかにどのような制度がありますか

在留資格の関係で生活保護の対象とならない方でも、利用できる制度があります。窓口はそれぞれ別ですので、一つ断られたからといってあきらめないでください。

  • 区市町村の生活困窮者向けの相談窓口(家計や就労の相談、住居費の支援)
  • 国民健康保険料や国民年金保険料の減免・免除の申請
  • 医療機関による無料低額診療事業の利用
  • 子どもの学用品費や給食費に関する就学援助
  • 住民として登録されている場合の児童手当などの給付
  • 社会福祉協議会による貸付制度(内容は時期や地域によって異なります)

保険料の減免や免除は、申請しなければ適用されません。未納のまま放置すると、在留期間の更新の際に納付状況を説明できなくなります。払えない状況にあること自体を、正規の手続で記録に残しておくことが後の防御になります。

扶養している家族の在留に影響はありますか

家族滞在の在留資格は、扶養する側の収入によって生活が維持できることを前提としています。したがって、扶養者の収入が途絶えた状態が続けば、家族の在留期間更新の審査にも影響が及びます。

この場合、扶養者が別の在留資格へ変更して就労できるようにする、家族の側が資格外活動許可の範囲で就労する、あるいは家族自身が就労系の在留資格へ変更するといった選択肢を検討することになります。いずれも時間がかかりますので、収入が途絶えた時点で早めに動くことが重要です。

生活が苦しくなったとき、まずどこに相談すればよいですか

結論として、在留資格の相談と生活の相談を切り離さずに、同時に整理することです。

役所の福祉の窓口では、在留資格の見通しまで答えてはくれません。逆に、在留資格の手続だけを進めても、家賃や医療費の問題は解決しません。家賃の滞納、医療費の未払い、借金の返済、子どもの就学といった問題が同時に起きているときは、優先順位をつけて処理する必要があります。

日本語でのやり取りに不安がある場合は、通訳を交えて窓口に同行してもらう方法もあります。相談の際には、在留カード、これまでの給与明細や離職を示す書類、家賃や公共料金の請求書、診断書など、状況を示す資料を持参すると、話が早く進みます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

生活が行き詰まったときに最も避けたいのは、在留資格を失うことを恐れて誰にも相談せず、家賃の滞納や保険料の未納が積み重なっていくことです。未納や滞納は、後になって在留期間の更新や永住許可の審査で説明を求められる事情になります。減免や免除の申請、就労に向けた在留資格の見直しなど、早い段階であれば取り得る手段があります。生活の問題と在留の問題は切り離せませんので、両方を一緒にご相談ください。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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