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国民健康保険と年金の未納は在留審査でどう見られますか|更新・変更・永住それぞれの場面と対応

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国民健康保険と年金の未納は在留審査でどう見られますか|更新・変更・永住それぞれの場面と対応

国民健康保険と年金の未納は在留審査でどう見られますか|更新・変更・永住それぞれの場面と対応

2026/08/29

収入が不安定な時期に国民健康保険の保険料を払えず、そのままになっている。国民年金の納付書を受け取ったが、どうせ将来は帰国するのだからと放置してきた。永住許可を申請しようとしたところ、年金の納付状況の資料を求められて青ざめた。社会保険料の未納は、住民税と並んで、在留審査で問題になりやすい公的義務です。

本記事では、国民健康保険と国民年金の未納が在留期間の更新や永住許可の審査でどのように扱われるのか、どの書類で納付状況が確認されるのか、さかのぼって納付できるのか、免除を受けていた場合の扱い、そして解消の手順を整理します。

国民健康保険や年金を払っていないと在留期間の更新はできませんか

結論として、保険料の未納があるという一事で直ちに更新が不許可になるとは限りませんが、公的義務の履行状況として審査で考慮されます。在留期間の更新は、活動の実態、素行、独立して生計を営む能力などを総合的に考慮して判断されるためです。

審査での評価が特に厳しくなるのは、長期にわたる未納がある場合、督促を受けても対応していない場合、納付の計画も免除の申請もしていない場合です。反対に、免除や納付猶予の承認を受けている場合、分割で納付を進めている場合には、事情を説明する余地が大きくなります。問題視されるのは、払えないことよりも、何の手当てもせずに放置していることです

どのような書類で納付状況が確認されるのですか

永住許可の申請では、社会保険料の納付状況に関する資料の提出が求められる運用となっています。具体的には次のような書類です。

  • 公的年金の被保険者記録に関する照会の回答票、またはこれに代わる資料
  • 国民年金保険料の領収証書の写し
  • 国民健康保険料または保険税の納付証明書、領収証書の写し
  • 会社員の場合は、健康保険と厚生年金の加入を示す資料

永住許可では、原則として直近2年分の納付状況が確認される取扱いとされています。会社の社会保険に加入している方は、給与から控除されているため通常は問題になりませんが、加入手続がされていない期間がないかを確認してください

外国人にも国民健康保険や年金に加入する義務がありますか

あります。原則として、3か月を超えて日本に滞在し、住民登録をしている方は、勤務先の健康保険に加入していない限り、国民健康保険に加入する義務があります。年金についても、日本に住所を有する20歳以上60歳未満の方は、厚生年金の対象でない場合、国民年金の被保険者となります。

加入は本人の希望によるものではなく、法律上の義務です。保険証を使っていないから加入していないつもりだった、という説明は通りません。加入していないつもりでいた期間についても、後から保険料の納付を求められることがあります。

未納分をさかのぼって払うことはできますか

保険料には時効の定めがあり、一般に、さかのぼって納付できる期間は原則として2年程度に限られます。したがって、古い期間の未納については、納付したくてもできない場合があります。

この点は在留審査との関係で悩ましい問題です。納付できない期間がある場合には、その期間の事情を説明する理由書と、現在は適正に納付しているという実績を組み合わせて示すのが現実的な対応です。具体的な取扱いは市区町村や年金事務所によって異なりますので、まず窓口で納付可能な範囲を確認してください。

保険料の免除や猶予を受けていた場合は不利になりますか

適法に免除や納付猶予の承認を受けていた期間は、未納とは扱いが異なります。制度が定める手続に従って承認を得ているのですから、公的義務に違反しているわけではないからです。

したがって、収入が減って納付が難しいときは、放置するのではなく、免除や納付猶予の申請を行うことが重要です。学生であれば学生納付特例の制度もあります。申請をしていれば残ったはずの記録が、何もしなかったために単なる未納として残ってしまうのは避けるべきです。

未納のまま永住申請をするとどうなりますか

永住許可の審査では、素行が善良であること、独立して生計を営むに足りる資産または技能を有すること、その者の永住が日本国の利益に合すると認められることが基本的な観点となります。社会保険料の納付は、公的義務の履行として最後の観点に関わります。

実務上、期限内に納付できていない履歴が繰り返しある場合には、審査が厳しくなる傾向が見られます。申請の直前にまとめて納付するだけでなく、一定期間、期限内納付を継続した実績を積んでから申請することが望ましいといえます

未納が在留資格の取消しにつながることはありますか

従来から、入管法22条の4は、虚偽の申請により在留資格を得た場合や、正当な理由なく届け出た活動を一定期間行っていない場合などを在留資格の取消し事由として定めています。保険料の未納が、それ自体で直ちにこの取消し事由に当たるわけではありません。

もっとも、2024年(令和6年)に成立した改正入管法では、永住者について、故意に公租公課の支払をしない場合などを在留資格の取消しの対象に加える規定が設けられました。施行時期と具体的な運用は今後の政令や指針によりますので、永住許可を得た後も納付を継続する重要性が高まっていることに留意してください

これから解消する場合、何から手をつければよいですか

順序としては、次のように進めるのが現実的です。

  • 市区町村と年金事務所の窓口で、未納の期間と金額、納付可能な範囲を確認する
  • 納付が難しい場合は、分割納付、免除、納付猶予の申請を行う
  • 会社に勤めている場合は、社会保険の加入手続がされているかを確認する
  • 納付を開始し、領収証書や納付証明書を保管する
  • 更新や永住の申請時には、経緯と現在の履行状況を理由書で説明する

当事務所では中国語対応の体制を整え、保険料の是正と在留申請の準備を併せて検討しています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

国民健康保険と国民年金の保険料は、加入が法律上の義務である以上、未納の状態が続けば公的義務を履行していないと評価される可能性があります。他方、免除や納付猶予、分割納付といった正規の手続を取っていれば、単なる放置とは異なる評価を求める余地があります。納付が難しいと感じた時点で窓口に相談し、記録を残しておくことが、その後の在留審査で大きな意味を持ちます。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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