舟渡国際法律事務所

代購・越境ECと輸入申告義務|個人使用と商業輸入の境目、無申告のリスクと在留への影響

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代購・越境ECと輸入申告義務|個人使用と商業輸入の境目、無申告のリスクと在留への影響

代購・越境ECと輸入申告義務|個人使用と商業輸入の境目、無申告のリスクと在留への影響

2026/08/29

日本の化粧品や医薬品、ブランド品をまとめて買い、中国の依頼者へ送る。あるいは中国の商品を日本へ取り寄せて販売する。いわゆる代購や越境ECは、留学生や配偶者ビザで在留する方が始めやすい仕事として広がっていますが、税関の手続を意識しないまま続けている方が少なくありません。

本記事では、代購や越境ECにおいて輸入申告がどこから必要になるのか、個人使用と商業目的で扱いがどう違うのか、無申告が発覚した場合の処分、そして在留資格にどのような影響が及ぶのかを整理します。

代購や越境ECで商品を日本へ送ると輸入申告は必要ですか

結論として、外国から日本へ物を持ち込む行為は輸入に当たり、関税法に基づく手続の対象になります。国際郵便や国際宅配便を利用した場合でも、この点は変わりません。

もっとも、多くの小口貨物では、通関業者や配送業者が簡易な手続を代行するため、荷受人が手続を意識しない形で通関が完了します。ここに落とし穴があります。手続を業者が代行していても、輸入者としての責任は荷受人に帰属し、内容や価格が正しく申告されていなければ、責任を問われるのは荷受人本人です。

個人使用と商業目的では扱いがどう違いますか

自分や家族が使う物として輸入する場合と、販売目的で輸入する場合とでは、課税価格の算定方法も、必要な手続も異なります。個人的な使用に供する物品については課税価格の算定に軽減的な取扱いがあり、販売目的の場合にはこれが適用されません。

実務上争いになりやすいのは、同一の商品を大量に、あるいは反復して輸入している場合です。個人使用と申告していても、数量、頻度、販売用のページの存在、決済の記録などから商業目的と認定されることがあります。個人使用と書けば通るという理解は誤りです。

少額の輸入なら税金がかからないと聞きましたが本当ですか

課税価格が一定額以下の少額貨物については、関税および消費税が免除される取扱いがあります。ただし、革製品やニット製品など、この取扱いの対象外とされる品目が定められています。

また、免税の枠に収めるために一つの注文を複数の小包に分けて送る、価格を実際より低く書いた書類を添付するといった対応は、免税の適用を受けるための偽装として評価されます。分割された貨物が一体のものと認定されれば、免税は認められず、虚偽の申告として別に責任が問われます。

申告をしなかった場合、どのような処分を受けますか

無申告や虚偽の申告は、関税法上の処罰の対象となります。あわせて、納付すべきであった関税や消費税の追徴を受けます。刑事事件として立件されるほか、税関の犯則調査を経て金銭の納付を求められる通告処分という手続によって処理されることもあります。

処分の軽重は、申告漏れの金額、期間、反復性、意図的であったかどうかによって大きく変わります。継続的に販売しながら申告をしてこなかった場合は、単発の申告漏れよりも厳しく評価されます。

税関で商品が止められたときはどうすればよいですか

まず、通知書の内容と、止められた理由を正確に確認してください。理由は、価格の疑義、品目の該否、他の法令に基づく規制、知的財産権の侵害の疑いなど多岐にわたり、それぞれ対応が異なります。

  • 通知書、送り状、注文履歴、決済記録を保存する
  • 実際の取引価格を示す資料を用意する
  • 商品の用途と数量の説明を書面にまとめる
  • 回答期限を確認し、期限内に対応する
  • 刑事事件に発展し得る内容であれば、回答前に弁護士に相談する

扱う商品によって別の許可や届出が必要になりますか

必要になります。関税の問題とは別に、商品ごとの規制が重なる点が代購の難しさです。医薬品、化粧品、医療機器などは薬機法の規制を受け、販売目的での輸入には所定の手続が求められます。

食品や肉製品には検疫に関する規制があり、動植物やその加工品は持込みが禁止されている場合があります。中古品の買取や転売を業として行う場合には、古物営業法上の許可が別途必要です。関税の申告だけを整えても、これらの規制に触れていれば違法な状態は解消されません。

代購を仕事として続けると在留資格の面で問題になりますか

在留資格によっては問題になります。留学や家族滞在の在留資格は収入を伴う活動を原則として予定しておらず、資格外活動許可の範囲を超えて収益活動を行えば入管法上の違反となります。専ら収益活動に従事していたと認められれば24条4号イの退去強制事由に当たり、70条1項4号の罪も問題となります。

また、資格外活動罪(入管法73条)により拘禁刑に処せられた場合には、24条4号ヘの退去強制事由に該当します。代購は在宅で完結するため見過ごされやすいのですが、収益を伴う継続的な活動である以上、就労と同じ枠組みで評価されます。

摘発された場合、在留にどのような影響がありますか

入管法24条4号リは、一定の犯罪により1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としていますが、同号の但書により、刑の全部の執行を猶予された場合は除かれます。関税に関する事案では罰金にとどまることもあり、その場合はこの規定に直接該当しません。

ただし、在留期間の更新や在留資格の変更は、相当の理由があると認められるときに限り許可される仕組みです。無申告での販売を続けていた場合には、所得の申告状況や納税の状況も併せて確認されますので、税務の面も含めて是正しておくことが、その後の在留手続を左右します。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

代購や越境ECは、始めるときの手軽さに比べて、関税、商品ごとの業法規制、税務申告、在留資格という複数の制度が同時に関わる仕事です。個人使用として申告してきた、業者に任せていたという説明は、輸入者としての責任を免れる理由にはなりません。税関から連絡があった、商品が長期間止まっている、取引の規模が大きくなってきたという段階でご相談いただければ、是正の方法と在留への影響を併せて検討できます。当事務所は中国語通訳を備えています。

問題が小さいうちに整えるほど、選択肢は多く残ります。なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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