舟渡国際法律事務所

暗号資産の送金・出金代行を頼まれたときのリスク|詐欺の共犯・無登録営業と在留への影響

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暗号資産の送金・出金代行を頼まれたときのリスク|詐欺の共犯・無登録営業と在留への影響

暗号資産の送金・出金代行を頼まれたときのリスク|詐欺の共犯・無登録営業と在留への影響

2026/08/29

取引所の口座を貸してくれれば手数料を払う。USDTを受け取って日本円に換え、指定した相手に渡すだけでよい。SNSやグループチャットを通じて、こうした依頼を受けた在日中国人の方からのご相談が増えています。暗号資産は銀行を介さないため、気軽な副業のように説明されがちです。

本記事では、暗号資産の送金や出金を代行する行為がどのような罪に問われ得るのか、ブロックチェーンの記録が捜査でどう使われるのか、そして刑事処分が在留資格にどう跳ね返るのかを整理します。

暗号資産の送金や出金を代行すると、どのような罪に問われますか

代行の内容によっては、詐欺の共犯、犯罪収益の移転に関する罪、無登録営業の罪が同時に問題となり得ます。暗号資産だから刑法や入管法の適用外だということはありません。

典型的なのは、詐欺やロマンス詐欺で得られた資金を暗号資産に換えて海外へ流す過程に組み込まれるケースです。この場合、資金の出所を分からなくする役割を担ったとして、組織的犯罪処罰法上の犯罪収益に関する罪が問われるほか、事情によっては詐欺罪(刑法246条)の幇助犯や共同正犯として扱われます。

自分のウォレットや取引所口座を人に使わせるとどうなりますか

本人確認を経て開設した取引所口座を他人に使わせる行為は、契約違反にとどまらず、犯罪の道具を提供したものとして評価されます。取引所の口座は、本人が自分のために利用することを前提に開設が認められているためです。

結果として、口座は凍結され、預けていた資産の払戻しも長期間受けられなくなることが少なくありません。自分の資産まで巻き添えになるという点は、依頼を受ける段階では説明されない部分です。

現金化してその一部を報酬として受け取る形はなぜ危険ですか

受け取った報酬が、犯罪収益を認識していたことの裏づけとして働くからです。通常の取引では発生し得ない高率の手数料が約束されている場合、その不自然さ自体が、故意を推認させる事情として扱われます。

また、現金化して手渡す役割は、資金の追跡が途切れる地点に立つ行為です。捜査機関はまさにこの地点を重視するため、末端の実行役であっても、事件全体の中で重い位置づけを受けやすくなります。

業として交換や送金を行うと登録が必要になるのはなぜですか

暗号資産の交換や管理を業として行うには、法律上の登録が必要とされています。登録を受けた事業者には、利用者の本人確認、取引記録の保存、疑わしい取引の届出、利用者資産の分別管理といった義務が課されます。

個人が反復して両替や送金を引き受ければ、これらの義務をすべて回避した状態で事業を行っていることになり、無登録営業として処罰の対象となります。少額でも、レートを示して継続的に相手を募っていれば、業として行っていたと評価されやすくなります。

暗号資産は匿名だから発覚しないという説明は本当ですか

そうではありません。多くの暗号資産の取引記録は公開された台帳に残り、消すことができません。捜査機関は、取引所での本人確認情報と台帳上の資金の流れを突き合わせることで、送金の経路を相当程度まで復元できます。

さらに、暗号資産交換業者にも、一定の送金について送付人と受取人の情報を通知する取扱いが求められています。匿名だから安全だという説明は、依頼する側が関与者を集めるための勧誘文句にすぎないと考えるべきです。

捜査の対象になったとき、どのように弁護できますか

争点は、資金の性質をどこまで認識していたか、そして関与がどの範囲にとどまるかの二点に集約されます。この二点を客観的な資料で示すことが弁護活動の中心です。

  • 依頼の経緯と、当時受けていた説明が分かるやり取りを保存する
  • 報酬の有無と金額、支払方法を明らかにする
  • 自分の取引履歴と、他人に使わせた期間を切り分ける
  • 被害者が特定できる場合、被害弁償や示談の可能性を早期に検討する
  • 取調べで署名する前に、通訳を通じて調書の内容を確認する

有罪になった場合、在留資格や退去強制はどうなりますか

入管法24条4号リは、一定の犯罪により1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由と定めていますが、同号には但書があり、刑の全部の執行を猶予された場合は除かれます。実刑を避けられるかどうかが最も大きな分岐点です。

仮に退去強制手続に進んだ場合でも、入管法50条の在留特別許可を求める道があります。同条5項は考慮すべき事情を法定しており、家族関係、在留の経緯、素行などが総合的に判断されます。ただし1項但書により、無期または1年を超える実刑に処せられた場合には加重された要件が課されるため、刑事段階での結果がここでも重く響きます。

まだ実行していない段階でできることは何ですか

直ちに関係を断ち、やり取りを保存したうえで弁護士に相談してください。実行前であれば、口座やウォレットの安全確保、取引所への事前説明、家族への説明など、取り得る対応が広く残されています。

すでに一度応じてしまった場合でも、自ら経緯を整理して申告することが、認識の内容を裏づける事情として評価されることがあります。時間が経つほど、後から説明を追加したという見方をされやすくなりますので、早い相談が有効です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

暗号資産をめぐる代行の依頼は、銀行口座を貸す行為と比べて危険性が見えにくく、そのぶん巻き込まれやすい構造になっています。しかし、記録が消えないという性質上、事後に関与の範囲を否定することはかえって難しくなります。誘われた段階、口座が凍結された段階、警察から連絡を受けた段階のいずれであっても、早めにご相談いただくことで、不起訴処分や執行猶予、そして在留の維持に向けた手立てを検討できます。当事務所は中国語通訳を備え、刑事と入管の双方を見据えて対応します。

説明の順序を整えるだけでも、結果は変わり得ます。なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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