速度超過・信号無視は反則金で終わるのか|青切符と赤切符の違いと外国人の注意点
2026/08/28
スピード違反で止められ、その場で紙を渡された。信号無視を指摘されたが、内容を十分に理解できないまま署名してしまった。渡された書類が反則金の納付書なのか、刑事事件の呼出しなのかが分からない。日本語の交通取締りの場面では、この区別がつかないまま手続が進んでしまうことがよくあります。
本記事では、いわゆる青切符と赤切符の違い、どの程度の違反から刑事事件として扱われるのか、納付しなかった場合や出頭しなかった場合に何が起きるのか、そして反則金と罰金が在留審査でどう扱われるのかを説明します。
青切符と赤切符は何が違いますか
結論から言えば、刑事裁判を経ずに済ませられるかどうかという違いです。比較的軽微な違反は反則行為とされ、交通反則通告制度によって処理されます。この場合に交付されるのが青い用紙の告知書で、期限内に反則金を納付すれば、その違反について公訴を提起されることはありません。前科にもなりません。これに対して、反則行為に当たらない違反については赤い用紙の告知書が交付され、通常の刑事手続に乗ります。捜査を受け、多くは略式手続によって罰金が科され、これは前科になります。
どの程度の速度超過から刑事事件になりますか
超過の幅によって分かれます。一般道路ではおおむね時速30キロメートル以上、高速道路ではおおむね時速40キロメートル以上の超過が、反則行為の範囲から外れ、刑事事件として扱われるのが通常の運用です。これを下回る超過は青切符で処理されます。もっとも、同じ速度超過であっても、無免許運転や酒気帯び運転を伴っている場合は、そもそも反則行為から除外されますので、超過の幅にかかわらず刑事手続となります。
信号無視は反則金だけで終わりますか
単独の信号無視は反則行為として扱われるのが通常であり、反則金の納付によって刑事手続には進みません。ただし、これはあくまで違反だけで終わった場合の話です。信号無視によって人身事故を起こせば、過失運転致死傷の問題となり、別個の刑事事件として捜査を受けます。この場合、信号無視という違反の悪質さが、処分の重さを判断するうえで不利に働きます。事故の有無によって結論が全く変わるという点を押さえてください。
反則金を払わないとどうなりますか
放置しても消えることはありません。手続は次のように進みます。
- その場で交付された告知書に基づき、期限内に納付しなかった場合、後日、通告書が送付されます。
- 通告に応じてもなお納付しない場合、事件は検察官に送致され、通常の刑事手続に移ります。
- 捜査の結果、略式手続によって罰金が科されれば前科になります。呼出しに応じない状態が続けば、逮捕状が発付される可能性もあります。
反則金を納付するほうが金銭的にも法的にも軽い結果になることが多く、納得できない事情がないのであれば、期限内の納付が現実的な選択です。
出頭日に行かなかった、あるいは帰国してしまった場合はどうなりますか
最も避けるべき対応です。呼出しに応じないまま日本を出国すると、事件は未処理のまま残ります。再入国の際に空港で手続を求められたり、次の在留手続で説明を求められたりすることがあります。長期の帰国予定がある場合は、出国前に必ず担当の警察署または検察庁に連絡し、処理の見通しを確認してください。連絡を取ったという事実自体が、逃亡の意思がないことを示す材料になります。
反則金や罰金は前科になりますか、在留審査で見られますか
反則金は行政上の措置であり、刑罰ではないため前科になりません。罰金は刑罰ですので前科になります。ただし、在留審査という場面では、この区別だけで安心はできません。在留期間の更新や変更、永住許可の審査では、素行が善良であるかどうかが評価されるところ、前科の有無だけでなく、違反の内容と回数も考慮の対象となり得るためです。軽微な違反であっても、短期間に繰り返していれば説明を求められることがあります。
切符の内容に納得できない場合、争うことはできますか
できます。反則金を納付するかどうかは任意であり、納付しなければ通常の刑事手続の中で事実関係を争うことになります。ただし、争う道を選ぶということは、捜査を受け、場合によっては公判に臨むということであり、時間と労力の負担は小さくありません。速度測定の方法や信号の表示に具体的な疑問がある場合には、争う価値がありますが、その判断は、証拠として何が残っているかを踏まえて行う必要があります。告知書を受け取った段階で写真を撮り、現場の状況を記録しておいてください。
取締りの現場で言葉が通じないときはどうすればよいですか
分からないまま署名しないことが原則です。告知書への署名は、内容を認めたという意味に受け取られ得ます。理解できない場合は、日本語が十分に分からないことをはっきり伝え、通訳や説明を求めてください。その場で押印や署名を拒んでも、それ自体が新たな違反になるわけではありません。後日、家族や弁護士とともに内容を確認したうえで対応するほうが安全です。免許証と在留カードの提示を求められた場合には、これに応じてください。
当事務所のご案内
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。
外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。
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初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。
おわりに
交通違反の手続は、青切符か赤切符かという入口の違いで、その後の負担が大きく変わります。反則金で済む事案を放置して刑事手続に移行させてしまうのは、最も避けたい経過です。逆に、争うべき事情がある事案で内容を理解しないまま署名してしまえば、後から覆すのは容易ではありません。渡された書類がどちらなのかを確認し、期限を把握することが出発点です。
なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
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