舟渡国際法律事務所

酒気帯び運転と酒酔い運転の違い|外国人が飲酒運転で検挙された場合の処分の流れ

お問い合わせはこちら

酒気帯び運転と酒酔い運転の違い|外国人が飲酒運転で検挙された場合の処分の流れ

酒気帯び運転と酒酔い運転の違い|外国人が飲酒運転で検挙された場合の処分の流れ

2026/08/28

職場の歓送迎会や同郷の集まりの帰りに車を動かしてしまい、検問で止められて現行犯逮捕された、というご相談は今も後を絶ちません。日本の飲酒運転の規制は、母国の感覚よりも厳しいと感じる方が多く、少しだけなら大丈夫だろうという判断が、そのまま刑事事件になってしまいます。

飲酒運転には酒気帯び運転と酒酔い運転という二つの類型があり、どちらに当たるかで刑の重さも行政処分も変わります。ここでは、両者の違い、検挙された後に手続がどう進むのか、外国籍の当事者が注意すべき点を整理します。

酒気帯び運転と酒酔い運転は何が違いますか

酒気帯び運転は体内のアルコール量を基準とする類型で、酒酔い運転は運転能力への影響を基準とする類型です。前者は、呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールを身体に保有する状態で運転した場合に成立します。数値が基準を超えていれば、本人が酔っていないと感じていても該当します。

これに対し酒酔い運転は、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態を指し、数値の基準はありません。まっすぐ歩けるか、受け答えがしっかりしているか、直立できるかといった、現場での観察結果や録画が判断材料になります。したがって、呼気の数値がさほど高くなくても酒酔い運転と評価されることがあり、逆に数値が高くても酒気帯びにとどまることもあります。

それぞれどのような刑罰が定められていますか

酒気帯び運転は3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、酒酔い運転は5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。飲酒運転はいずれも反則金で終わる違反ではなく、刑事事件として処理されます。

初めての酒気帯び運転で事故がなければ、略式手続による罰金で終わることが多い一方、酒酔い運転、事故を伴う場合、無免許運転が重なる場合、過去にも飲酒運転で処分を受けている場合には、正式裁判となる可能性が高まります。

呼気検査を断ったらどうなりますか

呼気検査の拒否自体が独立した犯罪とされており、3か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象です。断れば飲酒の事実が証明できなくなるという考えは通用しません。

むしろ、検査を拒んだ事実は飲酒を隠そうとした事情として評価され、態度が悪いとして身柄拘束や量刑の判断に響きます。現場では検査に応じ、言い分は後から弁護人を通じて整理して主張するほうが、結果として有利になります。

飲酒運転で捕まった後、手続はどのように進みますか

おおよそ次の順で進みます。刑事の手続と、免許に関する行政の手続は別々に進行する点に注意してください。

  • 現場での呼気検査と、必要に応じた現行犯逮捕
  • 警察での取調べ。逮捕された場合は48時間以内に検察官へ送致
  • 検察官が勾留を請求し、裁判官が判断する。勾留は原則10日、延長でさらに10日まで
  • 検察官が起訴(略式命令の請求を含む)か不起訴かを決める
  • これとは別に、公安委員会による免許の停止または取消しの手続が進む

不起訴になっても免許の行政処分がなくなるわけではなく、逆に行政処分が済んでも刑事処分は残ります。二つの手続を並行して見ておく必要があります。

外国籍であることは、身柄の扱いに影響しますか

法律上、国籍によって取扱いを変える規定はありませんが、実務では、住居が定まっているか、身元を引き受ける人がいるか、勤務先が継続する見込みがあるかといった事情が重視され、結果として身柄拘束が長引きやすい傾向があります。帰国の可能性があると見られると、逃亡のおそれを理由に勾留が認められやすくなります。

したがって、在留カードの記載どおりに居住していること、勤務先が身元引受けに協力すること、家族が日本に生活基盤を持っていることなどを、資料をそろえて早期に示すことが重要です。これは弁護人が最初に取り組む作業の一つです。

免許の行政処分はどのように決まりますか

刑事処分とは別に、公安委員会が違反の点数に応じて停止または取消しを決めます。酒気帯び運転は体内のアルコール量に応じて扱いが分かれ、量が多い場合や酒酔い運転の場合には取消しとなり、一定期間は免許を再取得できません。

取消しや長期の停止が見込まれる場合には、事前に意見の聴取の機会が設けられます。仕事で運転が必要な事情などは、ここで述べることになります。呼出しの通知を放置すると、言い分を述べないまま処分が確定してしまいますので、必ず対応してください。

飲酒運転で退去強制になることはありますか

飲酒運転それ自体で直ちに退去強制の対象になるわけではありません。刑罰を理由とする退去強制事由は限られており、たとえば入管法24条4号リは1年を超える実刑を対象とし、同号但書により刑の全部の執行を猶予された場合は除かれます。

ただし、飲酒運転から人身事故に至り、その態様が悪質と評価されれば、危険運転致死傷として重い刑が科される可能性があります。その場合には入管法24条4号の2の問題も生じ得ます。在留期間の更新への影響については、別の記事で詳しく取り上げます。

早い段階で弁護人ができることは何ですか

身柄の解放に向けた活動、被害者がいる場合の示談、そして供述の整理です。とくに酒気帯びか酒酔いかの区別は、現場の観察記録や動画の評価によって左右されるため、初期の供述内容が結論に影響します。自分では覚えていない部分を、警察官の見立てに合わせて認めてしまうと、後から争うのは難しくなります。

また、飲酒運転の事案では、再発防止の取組みが処分の判断に影響します。車を手放す、アルコールの問題について専門機関に相談する、勤務先が運転業務から外すといった具体的な措置を、早い段階で形にしておくことをお勧めします。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

酒気帯び運転と酒酔い運転は、刑の重さも免許への影響も大きく異なり、どちらと評価されるかは現場の記録と初期の供述に左右されます。刑事手続と行政手続が並行して進むうえ、事故が伴えば刑はさらに重くなります。逮捕された、あるいは出頭を求められたという段階で、できるだけ早くご相談ください。中国語での対応が可能ですので、ご家族からのお問い合わせでも構いません。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

お問い合わせ

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

この記事の他の言語版

简体中文

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。