舟渡国際法律事務所

逮捕直後の弁解録取と48時間の意味|送致までに何ができるか

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逮捕直後の弁解録取と48時間の意味|送致までに何ができるか

逮捕直後の弁解録取と48時間の意味|送致までに何ができるか

2026/08/18

本記事の要点

  • 逮捕直後の弁解録取は、事件全体の出発点となる書面が作られる。
  • 送致までの制限時間は48時間、勾留の判断までを含めて通算72時間である。
  • 48時間内に接見できれば、送致前から検察官への働きかけを準備できる。
  • 弁解録取では事実の詳細ではなく、身柄拘束の要否に関わる生活基盤を述べれば足りる。
  • 身柄拘束が長引けば在留期限にも波及し、入管法上の問題が別途生じうる。

逮捕された当日、本人は自分がどの手続の途中にいるのかを把握できません。ご家族の側も、連絡が取れないまま時間だけが過ぎます。しかし法律上、この段階には明確な時間の枠があり、その中で何ができるかも決まっています。

この記事では、逮捕から送致までの48時間という区切りに焦点を当て、弁解録取の場で何を述べるべきか、弁護人がこの時間帯に何をするのかを具体的に説明します。

弁解録取とは何か

逮捕後、司法警察員は速やかに被疑事実の要旨を告げ、弁解の機会を与えなければなりません。これが弁解録取で、内容は弁解録取書という書面に残ります。送致を受けた検察官も、あらためて弁解の機会を与えます。

弁解録取書は短い書面ですが、事件の入口にあるため、その後の取調べの方向づけに使われます。ここで事実を細かく語れば、記憶が整理される前の説明が基準になります。まったく何も述べない選択も可能です。現実的な中間の対応は、事件の内容に立ち入らず、住居、家族、勤務先、在留資格といった生活の基盤だけを正確に述べる方法です。これは身柄拘束の要否を判断する材料になり、本人の利益になります。

48時間と72時間、二つの制限時間

警察は、逮捕から48時間以内に書類と証拠物とともに身柄を検察官へ送致しなければなりません。検察官は身柄を受け取ってから24時間以内、かつ逮捕から通算72時間以内に、勾留を請求するか釈放するかを決めます。勾留が認められれば原則10日間、延長でさらに最大10日間となります。

この二つは性質が違います。48時間は警察が事件を整理して検察官に引き継ぐ時間、72時間は身体拘束を継続するかどうかを決めるまでの時間です。弁護人の活動もこれに合わせます。送致前は防御方針を固め、無用な供述が積み重ならないようにすること。送致後は、検察官に勾留請求をしないよう求め、裁判官に意見書を提出することが中心になります。

この時間帯に弁護人が実際にすること

  • 可能な限り早く接見し、被疑事実の内容と本人の言い分を中国語で把握する。
  • 取調べへの対応方針を決め、署名押印の可否についても基準を共有する。
  • 家族や勤務先と連絡を取り、在職証明、賃貸借契約書、身元引受書などを集める。
  • 被害者がいる事件では、示談交渉の可否を早期に検討する。
  • これらを踏まえ、勾留の必要がないことを示す意見書を作成する。

外国籍のみを理由に逃亡のおそれが大きいと扱われる場面は今も少なくありません。日本での生活が続いていること、帰る住居があること、身元を引き受ける人がいることを、書面で具体的に示します。

身柄拘束が在留資格に及ぼす影響

身柄拘束が続けば、刑事事件の結論の前に入管法上の問題が生じます。

  • 24条4号ロは不法残留です。勾留中に在留期間が満了すれば、更新の申請ができないまま期限を過ぎかねません。弁護人を通じて状況を整理し、対応を検討します。
  • 24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象としますが、但書により、刑の全部の執行を猶予された者は除かれます。一部猶予でも実刑部分が1年以下であれば除かれます。
  • 24条の3の出国命令は、要件のひとつとして、24条4号ハからヨまでのいずれにも該当しないことを求めています。薬物関係の4号チに該当する場合には出国命令を利用できません。

在留期間の更新(入管法21条)の審査では素行が考慮され、在留資格の取消し(入管法22条の4)が問題となることもあります。従来の実務は、退去強制事由の判断に故意や過失を要しないとしてきました。当事務所は、これに対し責任主義の射程を問う訴訟を提起し、上訴審まで争ってきました。

不起訴処分を目指す活動の起点

執行猶予判決でも退去強制の対象となりうる類型がある以上、起訴前に不起訴処分を得ることが在留を守る最短の道です。不起訴に向けた活動の起点は、まさにこの48時間にあります。

被害者のいる事件では、示談の申入れが早いほど選択肢が広がります。事実に争いがある事件では、客観資料の収集が早いほど提示できる材料が増えます。処分が近づいてから動いても、心証はすでに固まっています。弁護人は送致直後から担当検察官との面談を求め、意見書を提出します。

初動対応の3つのポイント

第一に、黙秘権の行使です。48時間の段階では、事件の全体像が本人にも見えていません。見えない状況で語ることは、後で訂正が必要な記録を作るだけです。

第二に、早期の弁護人選任です。国選弁護人は勾留段階で選任されるのが通常であり、逮捕直後の48時間を担えるのは私選の弁護人です。ご家族からご連絡いただければ、その日のうちに接見に向かいます。

第三に、通訳の質です。捜査機関が手配する通訳人は捜査の進行のために配置され、本人の代理人ではありません。弁護人が同行させる通訳は依頼者本人のために働きます。弁解録取のような短時間の手続ほど、訳語の精度が結果に響きます。

当事務所のご案内と解決事例

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)は、外国人刑事弁護と入管手続を中心に取り扱っています。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回にわたり再逮捕された事案では、逮捕ごとの取調べ対応を徹底し、事実関係と犯意についての主張立証を積み上げ、全件について不起訴処分を獲得しました。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された事案では、証拠を徹底的に分析し、被告人質問と反対尋問により検察側立証の弱点を明らかにして、無罪判決を獲得しました。
  • 観光目的で来日した後に在留資格を失い、不法滞在で起訴された事案では、婚姻と認知を成立させ、国籍国の公的書類がほとんど得られない中で有利な資料を集め、1回の手続で在留特別許可を獲得しました。

ご依頼いただいた事件は、弁護士松村大介が初動接見から公判結審まで全工程を直接担当し、事務員や若手弁護士による代行は行いません。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐します。刑事手続後の在留資格は、提携行政書士と連携してワンストップで対応します。

結語

48時間は、本人には長く感じられ、手続としては極めて短い時間です。この時間に何が積まれ、何が積まれなかったかは、判決や処分が出る何か月も後に効いてきます。連絡が取れる立場のご家族は、迷っている時間そのものが資源の消費だとお考えください。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)。注力分野は外国人刑事弁護、入管(退去強制・在留特別許可)、行政訴訟。最終更新2026年8月。

舟渡国际法律事务所
网站:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

本記事の中国語版(简体字)はこちら

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