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3回目以降の難民認定申請と送還停止効の例外|令和6年6月10日以降に変わったこと

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3回目以降の難民認定申請と送還停止効の例外|令和6年6月10日以降に変わったこと

3回目以降の難民認定申請と送還停止効の例外|令和6年6月10日以降に変わったこと

2026/08/31

難民認定の申請をして不認定となり、審査請求でも認められず、それでも本国には戻れないという事情から、再度の申請を考えている。しかし周囲からは「3回目からは申請しても送還される」と聞かされ、どうすればよいのか分からない。令和6年以降、こうしたご相談が増えています。

令和5年の入管法改正により、難民認定申請中は送還が停止されるという従来の扱いに例外が設けられ、令和6年6月10日から施行されています。この記事では、何がどう変わったのか、3回目以降の申請で何を示す必要があるのか、送還が迫っているときに何ができるのかを説明します。

難民認定申請中は送還されないと聞きましたが本当ですか

かつてはそのように運用されていましたが、現在はそうとは限りません。令和5年の改正により、一定の場合には申請中であっても送還を停止しないこととされ、令和6年6月10日から施行されています。

この変更は、制度の理解として最も重要な点です。以前に申請を経験した方や、同じ立場の知人から聞いた情報をそのまま前提にすると、対応が間に合わなくなるおそれがあります。今の制度がどうなっているかを、申請の前に確認してください。

送還停止効の例外とはどのようなものですか

難民認定申請をしている間は送還されないという効果を、実務上、送還停止効と呼びます。改正により、次のような場合には、この効果が及ばないこととされました。

  • 3回目以降の難民認定申請をしている方(後述の資料を提出した場合を除く)
  • 重大な罪により無期又は3年以上の拘禁刑に処せられた方
  • テロリスト等に該当するとされた方

これらに当たる場合、申請中であるという一事をもって送還が止まるわけではなくなります。ただし、送還が可能になったからといって、直ちに送還が実施されるとは限らず、時期は事案によって異なります。

3回目以降の申請では何を示す必要がありますか

3回目以降の申請であっても、難民又は補完的保護対象者の認定を行うべき相当の理由がある資料を提出した場合には、送還停止効が及ぶこととされています。つまり、申請を重ねること自体が問題なのではなく、新たに何を示せるかが問われる仕組みです。

ここでいう資料とは、これまでの申請で示されていなかった事情や、その裏付けとなるものを指します。前回と同じ主張を同じ資料で繰り返すだけでは、この要件を満たすことは難しいと考えられます。

相当の理由がある資料とは具体的に何ですか

個々の事案によりますが、実務上、次のようなものが検討の対象になります。

  • 前回の判断の後に本国の情勢が変化したことを示す、公的機関や報道による客観的資料
  • 本人や家族の身に、前回の判断後に新たに生じた出来事を示す資料
  • 日本での活動が本国当局に把握された可能性を示す資料
  • 宗教活動や政治的な活動への関与が、前回の申請後に始まった、または深まったことを示す資料
  • これまで提出できなかった身分関係書類、逮捕状や召喚状の写しなど、入手に時間を要した資料
  • 心身の状態について、専門家が作成した意見書や診断書

いずれについても、いつ、どのような経緯で入手したのか、なぜ前回は提出できなかったのかを説明できることが重要です。資料の存在だけでなく、その位置付けの説明が求められます。

前回と同じ主張を繰り返すとどうなりますか

新たな資料の提出がないまま3回目以降の申請をした場合、送還停止効が及ばないという取扱いを受ける可能性があります。その結果、申請の審査が続いている状態のまま送還されるという事態も生じ得ます。

したがって、再度の申請を検討する際に最初にすべきことは、申請書を書くことではありません。前回の不認定の理由を正確に把握し、どの点が足りないと判断されたのかを特定することです。不認定通知書、審査請求の裁決書、これまでに提出した資料の控えを、まず手元に集めてください。

実刑判決を受けた場合や退去を命じられた場合はどうなりますか

重大な罪により無期又は3年以上の拘禁刑に処せられた方については、申請の回数にかかわらず送還停止効の例外とされています。刑事事件の結果が、難民手続における立場に直接影響する仕組みになっているということです。

この点は、外国人の刑事事件を考えるうえで見落とせません。刑事手続の段階での対応が、その後の在留や難民手続に及ぶことがあります。刑事事件と入管手続は別々に進みますが、結果は互いに影響します。刑事事件の弁護人を選ぶ段階から、入管手続への影響を踏まえて相談することには意味があります。

送還されそうなときに取れる手段はありますか

退去強制令書に基づく送還が現実に迫っている場合には、その処分を争う訴訟を提起したうえで、行政事件訴訟法25条に基づく執行停止を申し立てる方法を検討することになります。

執行停止が認められるには、重大な損害を避けるため緊急の必要があること、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがないこと、本案について理由がないとみえるときでないことといった要件を満たす必要があります。認められるかどうかは事案ごとの事情によりますので、結論を断定することはできません。

はっきりしているのは、送還が実施されてしまえば、その後に争っても生活を取り戻すことは事実上できないということです。時間との勝負になります。

3回目の申請を考えている人は何から始めるべきですか

まず、手元の書類をすべて集めてください。次の順序で整理すると、検討が進めやすくなります。

  • これまでの申請について、不認定通知書と審査請求の裁決書を年月日順に並べる
  • 過去に提出した申請書と資料の控えを確認し、何を主張してきたかを整理する
  • 前回の判断の後に起きた出来事を、時系列で書き出す
  • その出来事を裏付ける資料が入手可能かを検討する
  • 在留の状況(在留資格の有無、収容・仮放免・監理措置の別)を確認する

これらを持参したうえで相談すれば、再度の申請が現実的かどうか、他に検討できる手続があるかどうかを、具体的に判断しやすくなります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

3回目以降の難民認定申請は、制度上、以前とは異なる位置付けになりました。同じ主張を繰り返すだけでは送還を止める効果が及ばない一方、認定を行うべき相当の理由がある資料を示せるかどうかが分かれ目になります。申請書を書き始める前に、前回までの判断の理由を正確に把握することから始めてください。

舟渡国際法律事務所では、中国語の通訳を交えて経緯を伺い、過去の不認定理由の分析、新たに示すべき事情と資料の検討、送還が迫っている場合の執行停止の申立てまで、緊急性に応じた対応をご案内しています。なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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