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在留資格の取消し(入管法22条の4)|取り消される類型・意見聴取手続・取消し後にできること

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在留資格の取消し(入管法22条の4)|取り消される類型・意見聴取手続・取消し後にできること

在留資格の取消し(入管法22条の4)|取り消される類型・意見聴取手続・取消し後にできること

2026/08/31

ある日突然、地方出入国在留管理局から「意見聴取通知書」という書面が届き、指定された日に出頭するよう求められる。会社を辞めてから次の就職先が決まらないまま数か月が過ぎている、配偶者と別居している、転居したが届出をしていない。そうした心当たりのある方にとって、この通知は在留資格の取消し手続が始まった合図です。

在留資格の取消しは、退去強制とは別の制度でありながら、その後の生活を大きく左右します。この記事では、どのような場合に在留資格が取り消されるのか、取消しの前に自分の言い分を述べる機会はあるのか、取り消された後に日本に残る道はあるのかを、順を追って説明します。

在留資格の取消しとはどのような処分ですか

在留資格の取消しは、いったん適法に与えられた在留資格を、法務大臣が入管法22条の4に基づいて将来に向かって失わせる処分です。刑事罰ではなく行政処分であり、警察や検察が関与するものではありません。

取り消されると、その時点で日本に在留する法的な根拠を失います。実務上は、取消しの類型によって、出国のための準備期間が指定される場合と、期間の指定がなく直ちに退去強制手続に移る場合とに分かれます。ここが本人にとって最も重要な分かれ道になります。

どのような場合に在留資格が取り消されますか

入管法22条の4は、取消しの対象となる場合を各号で限定的に定めています。実務でよく問題になるのは、おおむね次の類型です。

  • 偽りその他不正の手段によって上陸許可や在留資格の変更・更新の許可を受けた場合
  • 申請に当たり、経歴・学歴・雇用条件などについて虚偽の内容を申告した場合
  • 与えられた在留資格に対応する活動を、継続して3か月以上行っていない場合(正当な理由がある場合を除く)
  • 日本人の配偶者等・永住者の配偶者等の在留資格を持つ方が、配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合(正当な理由がある場合を除く)
  • 新たに上陸許可等を受けた後、90日以内に住居地を届け出なかった場合や、虚偽の住居地を届け出た場合

契約機関に関する届出(入管法19条の16。転職や退職から14日以内に行うもの)を怠ったり、虚偽の届出をしたりした場合も、取消しの対象となり得ます。届出は形式的な手続に見えますが、在留資格の維持に直結します。

活動を3か月以上行っていないと必ず取り消されますか

そうとは限りません。条文自体が「正当な理由がある場合を除く」と定めており、事情によっては取り消されないことがあります。

実務で正当な理由として説明されることが多いのは、次のような事情です。

  • 会社の倒産・解雇・雇止めなど、本人の責めに帰することができない理由で職を失い、再就職活動を継続していること
  • 病気や出産・育児のため一時的に就労できず、治療や療養の見通しが立っていること
  • 次の受入れ機関との間で内定が出ており、入社日が具体的に決まっていること

大切なのは、これらを口頭で述べるだけでなく、離職票、求人への応募記録、内定通知、診断書、通院履歴といった裏付けとなる資料をそろえて示すことです。何もせず3か月が過ぎたのか、努力を続けたが結果が出ていないのかで、評価は大きく変わります。

日本人の配偶者等で別居している場合はどうなりますか

結論として、別居していれば直ちに取り消されるわけではありませんが、6か月という期間は意識しておく必要があります。

単身赴任、親の介護のための一時的な別居、配偶者の入院、子の就学のための住み分けなど、婚姻関係が実質的に維持されている中での別居は、正当な理由として説明できる余地があります。他方、離婚を前提とした別居や、配偶者と連絡が取れなくなっている状態が長く続いている場合には、取消しの可能性が高まります。

この場合に検討すべきなのは、取消しを争うことだけではありません。日本での生活実態や子の監護状況によっては、定住者などへの在留資格変更を先に検討したほうがよい場合もあります。どの手続を選ぶかによって結果が変わるため、早い段階で専門家に相談する意味があります。

取消しの前に意見を述べる機会はありますか

あります。在留資格の取消しに当たっては、あらかじめ本人から意見を聴く手続が法律上定められており、入国審査官による意見の聴取が行われます。

意見聴取通知書が届いたら、指定された期日に必ず出頭してください。正当な理由なく欠席すると、本人の言い分が反映されないまま手続が進みます。この手続では、代理人や補佐する方の同席が認められる場合があり、通訳を求めることもできます。

意見聴取は、単に質問に答える場ではなく、本人が正当な理由を主張し、資料を提出できる最初で最大の機会です。ここで十分な説明ができないまま取消処分がなされると、その後の争いは格段に難しくなります。通知書を受け取った時点で弁護士に相談する価値が最も高いのは、この段階です。

在留資格を取り消されたらすぐに帰国しなければなりませんか

取消しの類型によって扱いが異なります。活動を行っていない類型や住居地の届出をしなかった類型では、多くの場合、出国のための期間として30日を超えない範囲の期間が指定されます。その期間内に出国すれば、退去強制の手続を経ることなく日本を離れることができ、上陸拒否期間の扱いも退去強制の場合とは異なります。

これに対し、偽りその他不正の手段による在留資格の取得など、悪質性が高いとされる類型では、出国期間の指定がなく、そのまま退去強制手続に移行します。この場合は収容や退去強制令書の発付が問題となるため、対応の緊急度は格段に高くなります。

取消しに納得できない場合はどうすればよいですか

取消しは行政処分ですから、これを争う道は用意されています。行政不服審査の手続によって不服を申し立てる方法と、裁判所に取消訴訟を提起する方法があります。

ここで最も注意していただきたいのが期間の制限です。行政処分を裁判で争うには、処分があったことを知った日から一定の期間内に訴えを起こす必要があり、この期間を過ぎると、内容にどれほど言い分があっても審理してもらえなくなります。処分書を受け取った日付は必ず控え、封筒も捨てずに保管してください。

また、争っている間も出国期間の進行や退去強制手続は別に進みます。訴訟を提起しただけでは執行が自動的に止まるわけではないため、必要に応じて執行停止の申立てを併せて検討することになります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

在留資格の取消しは、ある日突然始まるように見えて、実際には届出の遅れや離職後の空白期間といった、日常の小さなつまずきが積み重なって表面化することがほとんどです。逆に言えば、意見聴取の通知が届いた段階であれば、正当な理由を資料とともに示すことで結果が変わる余地が残されています。通知書を放置せず、指定された期日までに準備を整えてください。

舟渡国際法律事務所では、中国語の通訳を交えて事情を丁寧に伺い、意見聴取への同行、正当な理由を裏付ける資料の整理、取消し後の在留資格変更や不服申立ての検討まで、状況に応じた対応をご案内しています。なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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