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永住許可の3要件をわかりやすく解説|素行善良・独立生計・国益適合と在留年数の考え方

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永住許可の3要件をわかりやすく解説|素行善良・独立生計・国益適合と在留年数の考え方

永住許可の3要件をわかりやすく解説|素行善良・独立生計・国益適合と在留年数の考え方

2026/08/31

日本での生活が10年近くになり、そろそろ永住許可を申請したいとお考えの方から、何が要件なのか、自分は満たしているのか、というご相談をいただきます。インターネット上には年数や年収の目安と称する情報があふれていますが、その多くは法律そのものの要件ではなく、出入国在留管理庁が公表しているガイドラインの運用上の目安を、断定的に書き換えたものです。

永住許可は、在留資格の変更や更新とは別に、入管法22条が定める独立した許可です。本記事では、法律が定める3つの要件が実際に何を意味しているのか、そして年数の目安がどのような位置付けのものなのかを、混同しないように整理してご説明します。

永住許可の要件は法律上どのように定められていますか

入管法22条は、永住許可の要件として、素行が善良であること独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること、そしてその者の永住が日本国の利益に合すると認められることの3つを定めています。これに加えて、永住許可は法務大臣が与えることができるとされており、要件を満たせば当然に許可されるという性質のものではありません。要件の充足を示す資料をそろえるだけでなく、なぜ永住を認めるべき事案なのかを積極的に示していく姿勢が求められます。

素行が善良であることとはどのような意味ですか

法律を守り、日常生活においても社会の一員として非難されることのない生活を送っていることを意味します。実務上は、前科の有無、交通違反を含む違反歴、日常生活における違法行為の有無などが確認されます。ここでいう前科には、罰金刑も含まれます。一度でも処分歴があれば永久に許可されないという意味ではありませんが、処分の内容や時期、その後の生活状況が具体的に評価されることになります。犯罪歴や交通違反歴がある場合の考え方は、別の記事で詳しく取り上げています。

独立の生計を営むに足りる資産又は技能とはどの程度のものですか

日常生活において公共の負担とならず、その資産または技能から見て将来にわたって安定した生活が見込まれることを指します。ポイントは次の点です。

  • 本人だけでなく、世帯としての収入や資産で判断されるのが通例であること
  • 特定の金額が法律で決まっているわけではなく、世帯人数や扶養している家族の人数によって評価が変わること
  • 収入の額そのものだけでなく、その安定性や継続性が見られること
  • 過去数年分の課税証明書や納税証明書によって、収入と納税の実際が確認されること

転職を繰り返している、直近の年だけ収入が高いといった場合には、経緯を説明する書面を添えるとよいでしょう。

国益に合すると認められることとは具体的に何を見られますか

この要件が実際には最も幅の広いものです。ガイドラインでは、原則として一定期間以上継続して日本に在留していること、納税や公的年金・公的医療保険の保険料の納付といった公的義務を適正に履行していること、現に有している在留資格について最長の在留期間をもって在留していること、公衆衛生上の観点から支障がないことなどが挙げられています。近年は、年金や健康保険の保険料の納付状況が、期限内に納付されていたかという点まで含めて確認される傾向にあります。後からまとめて納付すれば足りるとは限らない点に注意が必要です。また、住居地や所属機関に関する届出を怠っていないかも見られます。

何年日本に住んでいれば永住許可を申請できますか

在留年数は、法律の条文に書かれた要件ではなく、ガイドラインで示された運用上の目安です。一般的な目安として、原則として引き続き相当長期間にわたり日本に在留していることが求められ、そのうち一定期間は就労資格または居住資格をもって在留していることが必要とされています。もっとも、これはあくまで運用の指針であり、事案によって取扱いが異なり得ます。年数を満たしていることが直ちに許可を意味するわけではなく、逆に、身分関係や日本への貢献に関する事情によっては短い期間でも検討の対象となる場合があります。年数の目安を断定的に受け取らず、ご自身の在留の経緯に即して確認されることをお勧めします。

配偶者や定住者の場合に要件が緩和されると聞きましたが本当ですか

制度として、そのような取扱いが定められています。日本人の配偶者等、永住者の配偶者等の在留資格をもつ方や、定住者の在留資格をもつ方については、素行が善良であることの要件と、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有することの要件が緩和され得るものとされています。ただし、緩和されるのはこの2つであって、その者の永住が日本国の利益に合すると認められることという要件はなお審査されます。したがって、公的義務の履行状況や在留状況は、配偶者であっても引き続き重要です。また、婚姻の実体が問われる点も、通常の更新申請と同じです。

永住許可申請中も在留期間の更新は必要ですか

必要です。永住許可の審査には相応の期間がかかることがあり、その間に現在の在留期間が満了することは珍しくありません。永住許可を申請したことによって現在の在留資格の期限が延びるわけではありませんので、期限が近づいたら別途、在留期間の更新許可を申請してください。更新を怠って在留期限を過ぎれば不法残留となり、退去強制の事由に当たります(入管法24条4号ロ)。永住許可の審査中であることは、この結論を変えるものではありません。

永住許可が不許可になった場合はどうすればよいですか

不許可になっても、現に有している在留資格が失われるわけではありませんので、慌てて出国する必要はありません。重要なのは、不許可の理由を確認し、次の申請に向けて何を改善すべきかを具体的に把握することです。収入の安定性が問題だったのか、納付の遅れが問題だったのか、届出義務の不履行が響いたのかによって、対応はまったく異なります。理由の説明を受けた記録を整理し、改善の実績を積んだうえで再度申請するというのが現実的な進め方です。同じ内容のまま再申請しても結論は変わりにくいとお考えください。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

永住許可は、日本での生活の安定を大きく左右する手続でありながら、要件の中心である国益適合の判断が幅の広いものであるため、準備の質が結果に反映されやすい分野です。年数だけを気にするのではなく、納税と社会保険の納付状況、届出義務の履行、収入の安定性という日々の積み重ねを、資料で示せる形に整えておくことが最も確実な準備になります。当事務所では、中国籍の方の在留に関するご相談を数多くお受けしており、過去に処分歴のある方の在留資格の維持や、退去強制手続に進んだ後の在留特別許可を得た事例もございます。中国語通訳が常駐しておりますので、日本語での説明に不安のある方も安心してご相談ください。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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