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配偶者からの暴力(DV)を受けている外国人の方へ|保護の手続と在留資格を守る方法

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配偶者からの暴力(DV)を受けている外国人の方へ|保護の手続と在留資格を守る方法

配偶者からの暴力(DV)を受けている外国人の方へ|保護の手続と在留資格を守る方法

2026/08/31

配偶者から暴力を受けていても、在留資格が夫や妻に結び付いているために家を出られない、通報すれば自分が日本にいられなくなるのではないかと不安で相談できない、という方が少なくありません。在留カードや旅券を取り上げられ、生活費を渡されず、身動きが取れなくなっている場合もあります。

身体への暴力だけでなく、大声で怒鳴る、外出や交友を細かく制限する、お金を渡さない、在留資格を盾に脅すといった行為も、支援の対象となる暴力に含まれます。この記事では、まずどこに相談すればよいのか、保護命令とはどのような制度か、別居や離婚をした場合に在留資格をどう守るのかを、当事者の安全を第一に整理します。

配偶者から暴力を受けています。まず誰に相談すればよいですか

身の危険が差し迫っているときは、ためらわずに110番へ通報してください。そのうえで、配偶者暴力相談支援センター警察、そして弁護士が相談先の中心になります。全国共通の相談窓口も設けられており、多言語での対応が用意されている窓口もあります。

大切なのは、一人で抱え込まないことです。相談したこと自体で在留資格を失うことはありません。むしろ、公的な機関に相談し、記録が残っていることが、その後の在留手続で被害の事実を説明する土台になります。

配偶者暴力相談支援センターや警察は何をしてくれますか

配偶者暴力相談支援センターでは、相談と情報提供のほか、緊急時の安全の確保、一時保護、自立に向けた支援制度の案内、保護命令の手続に関する情報提供などを受けられます。生活の場所を確保できないときの一時保護は、支援の中核です。

警察では、被害の届出のほか、加害者への警告や指導、パトロールの強化などの対応が検討されます。また、住民票や戸籍の附票について、加害者からの閲覧・交付を制限する支援措置を市区町村に申し出ることもできます。これらは、居場所を知られないために重要な手続です。

保護命令とはどのような制度ですか

配偶者暴力防止法に基づき、裁判所が加害者に対して、被害者へのつきまといや住居・勤務先付近の徘徊を禁止したり、住居からの退去を命じたりする制度です。子や親族への接近を禁止する類型、電話やメール等による連絡を禁止する類型もあります。

令和6年4月に施行された改正により、精神的な暴力を受けた場合にも対象が広がるなど、保護の範囲が見直されています。命令に違反した場合には刑事罰が定められており、単なる注意にとどまらない実効性があります。申立ては地方裁判所に対して行い、被害の状況を示す資料が必要になりますので、診断書、写真、やり取りの記録、相談の記録などは、可能な範囲で保存しておいてください。

家を出て別居すると在留資格を失いますか

直ちに失うわけではありません。日本人の配偶者等などの在留資格については、配偶者としての活動を6か月以上行っていない場合に在留資格の取消し(入管法22条の4)が問題となり得ますが、正当な理由があるときは除かれます。暴力から逃れるための別居は、この正当な理由に当たり得るものとして扱われています。

入管当局も、配偶者からの暴力の被害者について、事情を踏まえた対応を行う取扱いを示しています。ただし、黙って姿を消してしまうと、事情が伝わらないまま手続が進むおそれがあります。避難した後、なるべく早い段階で、支援機関や弁護士を通じて経緯を説明できる状態を整えることが大切です。

在留カードや旅券を配偶者に取り上げられている場合はどうしますか

在留カードを他人が保管する義務も権利もありません。手元にない場合は、紛失等を理由とする再交付の申請を検討します。旅券については、ご自身の国の在外公館で再発給を受ける手続が必要になります。

また、預金通帳やキャッシュカード、健康保険証を取り上げられているケースも多く見られます。これらは生活の再建に直結しますので、支援機関や弁護士と一緒に、優先順位を決めて一つずつ回復していくことになります。危険を冒して自分だけで取り返しに行くことは、避けてください。

離婚した後も日本で暮らし続けることはできますか

婚姻関係が解消された後も、日本での生活を続けられる可能性はあります。日本で生活してきた期間、日本人や永住者との間の子を監護養育しているかどうか、生計を維持できるかどうかといった事情を踏まえ、定住者への在留資格変更が検討されます。子の養育を担っている場合には、その必要性が重視されます。

在留資格を既に失っている、あるいは退去強制手続が始まっている場合には、在留特別許可(入管法50条)の枠組みで判断されます。同条5項は、家族関係、素行、在留の経緯、人道的な配慮の必要性などを考慮要素として定めており、暴力の被害を受けてきた事実は、この判断において説明すべき重要な事情です。自ら出頭したことは積極的な要素として扱われる旨が、令和6年3月に改定され同年6月10日から適用されているガイドラインにも示されています。

子どもを連れて避難する場合に気をつけることは何ですか

子どもの安全確保が最優先ですが、後になって連れ去りだと主張され、監護や親権の争いに発展することがあります。避難の必要性を裏付ける資料(診断書、写真、相談記録、警察への相談の事実など)を残しておくことが、後の手続で効いてきます。

また、学校や保育園に対しては、加害者に居場所が伝わらないよう配慮を求めることができます。監護者の指定や婚姻費用の分担といった家庭裁判所の手続もありますので、避難と並行して、生活費の確保と子の身分関係の整理を進めてください。

在留資格が既にない状態でも相談してよいですか

相談してください。在留期限が切れている、資格外の就労をしていたといった事情がある方ほど、通報を恐れて暴力に耐え続けてしまう傾向があります。しかし、被害を受けている事実は、その後の手続で必ず説明すべき事情であり、隠したまま時間が経つことは有利には働きません。

費用の面では、収入が一定以下であるなどの要件を満たせば、日本司法支援センターの民事法律扶助を利用できる場合があります。まずは安全の確保、次に生活の確保、そして在留の手続という順序で、一つずつ整えていきましょう。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

配偶者からの暴力の事案では、安全の確保と在留資格の維持を同時に考える必要があります。避難した後の説明の仕方、離婚の進め方、子の監護、在留資格の変更や在留特別許可の申請は、いずれも被害の事実をどう記録し、どう伝えるかによって結論が変わります。まずはご自身とお子さんの安全を確保したうえで、できるだけ早い段階でご相談ください。当事務所では中国語での対応が可能で、支援機関や関係する窓口との連携も含めてお手伝いしています。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

お問い合わせ

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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