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離婚後に定住者への在留資格変更が認められる場合|判断要素と準備すべき資料

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離婚後に定住者への在留資格変更が認められる場合|判断要素と準備すべき資料

離婚後に定住者への在留資格変更が認められる場合|判断要素と準備すべき資料

2026/08/31

日本人の配偶者と離婚することになったが、日本での生活はもう10年近くになる。仕事も生活の基盤も日本にあり、子どももこちらの学校に通っている。それでも帰国しなければならないのか。中国籍の方から、こうしたご相談を数多くいただきます。こうした場面で検討の中心になるのが、定住者という在留資格への変更です。

本記事では、離婚後に定住者への在留資格変更が認められるのはどのような場合か、審査ではどこが見られるのか、認められなかったときにどのような選択肢が残るのかを説明します。

離婚後に定住者へ変更できるのはどのような場合ですか

結論から申し上げると、日本での生活の基盤が確立しており、今後も日本で自立して生活していけると認められる場合です。定住者は、法務大臣が特別な理由を考慮して一定の在留期間を指定して居住を認める在留資格であり、あらかじめ類型が公示されているもののほか、公示されていない事情についても、個別の判断によって認められる余地があります。離婚した元配偶者について定住者への変更が検討されるのは、この個別判断の枠組みによるものです。在留資格の変更は入管法20条に基づく許可であり、変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるかどうかが判断されます。

婚姻期間はどのくらい必要ですか

一律の基準が法律に定められているわけではありませんが、実務上は、おおむね3年程度以上にわたり夫婦としての実体を伴う婚姻生活を送っていたかどうかが、ひとつの目安として意識されています。ただし、年数さえ満たせば認められるという性質のものではありません。形式的に婚姻届が出ていた期間ではなく、実際に同居し、生計を共にしていた期間が問われます。逆に、婚姻期間が短くても、日本人との間の子を養育している場合や、配偶者からの暴力を理由に婚姻を継続できなかった場合など、他の事情によって判断が変わることがあります。

日本人との間の子を養育している場合はどうなりますか

この場合は、婚姻期間の長短にかかわらず、独立した検討の対象になります。日本国籍を有する実子を現に監護養育している親については、子の福祉という観点から、日本での在留を認める運用が積み重ねられてきました。ここで重視されるのは、親権者であるかどうかという形式よりも、現実に子と同居し、日常の世話をし、生活費を負担しているという監護の実体です。したがって、親権を得たという一点のみを主張するのではなく、日々の養育の実際を具体的な資料で示すことが必要になります。

定住者への変更で審査されるのはどのような点ですか

主として次の点です。いずれも、日本社会で自立して生活を続けられるかという観点に関わります。

  • 婚姻生活の実体と期間:同居の状況、家計の状況、破綻に至った経緯。
  • 独立した生計を営む能力:安定した収入、勤務先、貯蓄の状況。
  • 素行:前科前歴の有無、交通違反を含む法令の遵守状況。
  • 公的義務の履行:住民税や社会保険料の納付、年金の加入状況。
  • 日本社会との結びつき:在留期間、日本語能力、地域や職場での関係。
  • 子の状況:子の国籍、就学状況、監護の実体。

生活保護を受けていると変更は認められませんか

受給していることが直ちに不許可を意味するわけではありませんが、独立した生計という観点からは不利に働きます。重要なのは、現在の状況が一時的なものであり、就労によって自立する見通しが立つことを具体的に示せるかどうかです。求職活動の記録、就労予定先の内定資料、資格取得の状況、親族からの支援の見込みなど、将来に向けた材料を積み上げることが実務上の対応になります。子を養育しているために就労時間が制約されている場合には、その事情も含めて説明する必要があります。

変更が認められなかった場合はどうなりますか

まず、不許可の理由を確認することが出発点になります。資料の不足が原因であれば、補充したうえで再度の申請を検討します。理由が生計の安定にある場合は、就労状況を整えてから申請時期を選び直すという判断もあり得ます。在留期間が残っていない場合には、出国準備の期間が短く指定されることがありますので、その間の対応を急ぐ必要があります。すでに在留期間を過ぎてしまっている場合には、入管法50条の在留特別許可の枠組みで判断されることになり、自ら出頭したことは積極的な要素として、不法残留が長期に及んでいることは消極的な要素として扱われます。

定住者になった後、永住や帰化を目指せますか

いずれも道は開かれています。永住許可については、原則として引き続き10年以上日本に在留していることに加え、独立した生計を営むに足りる資産または技能があること、素行が善良であることなどが審査されます。定住者として安定的に在留した期間は、この評価において意味を持ちます。帰化については、引き続き一定期間日本に住所を有していること、生計を維持できること、素行が善良であることなどが国籍法上の要件とされており、日本国籍を取得すれば在留資格の問題からは離れることになります。どちらを目指すかは、本国との関係や家族の状況によって選択が変わります。

申請に当たって準備すべき資料は何ですか

中心となるのは、婚姻生活の実体、離婚に至った経緯、現在の生計、子の監護の四つを裏づける資料です。具体的には、戸籍謄本などの身分関係を示す書類、同居していた期間の住民票の記録、婚姻期間中の写真や連絡の記録、離婚に関する調停調書や公正証書、在職証明書と給与明細、課税証明書と納税証明書、住民税や社会保険料の納付を示す資料、子の在学証明と養育の状況を示す資料などです。これらに加えて、日本での生活の経緯と今後の見通しを自分の言葉で述べる理由書を添えることが、実務上は大きな意味を持ちます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

離婚後の定住者への変更は、条文に当てはめれば結論が出るという種類の手続ではなく、これまでの日本での生活をどれだけ具体的に描き出せるかで結果が変わる分野です。同居の記録、収入と納税の資料、子の養育の実際といった材料は、後から作り出すことができません。離婚を考え始めた段階から少しずつ整えておくことが、そのまま準備になります。在留期間が迫っている方は、残された時間によって取り得る手段が変わりますので、期限を確認したうえで早めにご相談ください。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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