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日本で犯罪被害に遭った外国人が使える制度|被害者参加、損害賠償命令、給付金と在留への配慮

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日本で犯罪被害に遭った外国人が使える制度|被害者参加、損害賠償命令、給付金と在留への配慮

日本で犯罪被害に遭った外国人が使える制度|被害者参加、損害賠償命令、給付金と在留への配慮

2026/08/29

暴行を受けてけがをした、職場で金銭を脅し取られた、交際相手から繰り返し暴力を受けている。日本で犯罪の被害に遭った外国人の方から、警察に行けば自分の在留資格を調べられるのではないか、日本語で説明できないから諦めるしかないのではないか、というご相談を受けることがあります。

本記事では、日本の刑事手続のなかで被害者が使える制度、経済的な支援の制度、そして在留資格に不安がある方が相談を進めるときの考え方を整理します。制度には対象となる犯罪や要件が定められていますので、どの場面で何が使えるのかを具体的に説明します。

日本で犯罪の被害に遭ったとき、外国人でも同じ制度を使えますか

結論として、刑事手続における被害者の権利は、国籍によって区別されていません。被害届の提出、告訴、捜査への協力、刑事裁判の記録の閲覧、加害者の処分結果の通知など、多くの制度は日本国籍の方と同様に利用できます。

他方で、経済的な支援の制度のなかには、日本国内に住所を有することなどが要件とされているものがあります。制度ごとに要件が異なりますので、一つの制度で対象外とされても、他の制度が使える場合があります。

在留資格がない、期限が切れている場合でも警察に相談できますか

相談すること自体はできます。ただし、在留の状況が明らかになる可能性を否定することはできませんので、正確に申し上げます。

被害の届出をきっかけに、後日、入管の手続が始まることはあり得ます。しかし、被害を申告しないまま被害が続く状態も、身体の安全や生活の面で重大な結果を招きます。入管法50条5項は、在留特別許可の判断において考慮すべき事項を定めており、在留の状況や家族関係のほか、人道上の配慮を要する事情も考慮の対象とされています。とりわけ、人身取引の被害者であることは、在留特別許可の判断において特に配慮すべき事情として位置づけられています。

したがって、在留資格に不安がある方は、警察に行く前に弁護士に相談し、被害の申告と在留手続をどの順序で進めるかを一緒に決めることをお勧めします。

警察や検察の手続で通訳はつきますか

捜査機関は、必要に応じて通訳人を手配します。事情聴取で作成される調書は日本語で作成されますので、通訳を通じて内容を確認したうえで署名するかどうかを判断してください。

被害者の場合も、供述の内容は後の裁判で重要な意味を持ちます。時間や場所、けがの部位、言われた言葉といった具体的な事実は、記憶が新しいうちに、自分の言語でメモに残しておくと、聴取のときに正確に伝えられます。診断書、写真、メッセージの記録も、早い段階で保存してください。

刑事手続のなかで被害者ができることは何ですか

被害者のために用意されている主な制度は次のとおりです。

  • 加害者の起訴・不起訴、裁判の日程、判決の内容などについて通知を受ける制度
  • 刑事裁判の記録を閲覧し、写しをもらう手続
  • 法廷で被害についての気持ちや意見を述べる制度
  • 一定の事件で、被害者やその家族が裁判に参加し、証人に質問したり意見を述べたりする被害者参加制度
  • 証人として出廷する際の負担を軽減するための措置

被害者参加制度は、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、性犯罪、逮捕監禁、略取誘拐といった一定の犯罪に対象が限られています。財産をだまし取られた事件などは対象に含まれていません。自分の事件が対象になるかどうかは、担当の検察官に確認するか、弁護士にご相談ください。

加害者から賠償を受けるにはどうすればよいですか

方法は大きく三つあります。示談、損害賠償命令、そして民事訴訟です。

示談は、加害者側から申し出があることが多く、刑事処分の前に行われます。金額の相当性や、今後の接触の禁止、口外しない旨の約束の範囲など、内容を確認せずに署名すると、後から不利益が生じることがあります。加害者側には弁護人がついていますので、被害者の側も内容を検討したうえで応じるかどうかを決めるべきです。

損害賠償命令は、刑事裁判を担当した裁判所が、その手続を利用して賠償を命じる制度です。民事訴訟より負担が小さい一方、対象となる犯罪が限られており、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、性犯罪、逮捕監禁、略取誘拐等の事件が中心です。これらに当たらない場合は、通常の民事訴訟によることになります。

犯罪被害者等給付金はどのような場合に受けられますか

人の生命または身体を害する故意の犯罪行為によって、亡くなった場合、重い傷害や病気を負った場合、障害が残った場合に、国から給付金が支給される制度があります。加害者からの賠償が得られない場合の支えとして設けられているものです。

申請は警察を通じて行い、公安委員会が裁定します。申請には期限が定められていますので、被害から時間が経っている場合も、まず警察に確認してください。外国籍の方についても、日本国内に住所を有することなどの要件との関係で判断されますので、自分が対象になるかどうかは個別に確認する必要があります。

配偶者からの暴力やつきまとい、人身取引の被害の場合はどこに相談できますか

これらについては、刑事手続とは別に、身の安全を確保するための制度が用意されています。

  • 配偶者暴力相談支援センターでの相談と一時保護
  • 裁判所に対する保護命令の申立て(接近禁止や退去を命じるもの)
  • 警察へのつきまとい行為に関する相談と、加害者への警告や禁止命令の求め
  • 民間のシェルターや自治体の相談窓口の利用

在留資格が配偶者としての身分に基づくものである場合、暴力から逃れることによって在留が不安定になるのではないかという不安を抱かれる方が多くいます。しかし、暴力を受けている状況を我慢し続けることが、在留のうえで有利になるわけではありません。別居の経緯や被害の記録を残しながら、在留資格についても並行して検討する方法があります。

被害を受けた外国人が日本での在留を続けるためにできることはありますか

状況によって取り得る道は異なりますが、被害の事実は在留の判断において意味を持ち得る事情です。

在留特別許可の判断では、入管法50条5項に定められた事項が考慮されます。被害の内容、捜査への協力、日本での家族関係や生活の実態、帰国した場合に生じる不利益といった事情を、資料とともに具体的に示すことが重要です。診断書、相談機関の記録、捜査機関からの通知、支援者の陳述など、第三者が作成した資料は説得力を持ちます。

また、配偶者からの暴力を理由に婚姻関係が破綻した場合など、事情によっては在留資格の変更が検討されることもあります。いずれも個別の判断となりますので、被害の記録を残しながら、在留の期限を確認し、期限が来る前に手続の見通しを立てておくことが大切です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

犯罪の被害に遭ったとき、外国人の方は、被害そのものに加えて、言葉の壁と在留資格への不安という二重の負担を抱えます。しかし、被害を申告しないまま時間が経つと、証拠が失われ、支援の制度にも申請の期限が来てしまいます。在留資格の問題を含めて一緒に整理し、どの順序で進めるかを組み立てることができますので、ためらわずにご相談ください。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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