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あおり運転(妨害運転罪)で問われる責任|外国人ドライバーの刑事処分と在留への影響

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あおり運転(妨害運転罪)で問われる責任|外国人ドライバーの刑事処分と在留への影響

あおり運転(妨害運転罪)で問われる責任|外国人ドライバーの刑事処分と在留への影響

2026/08/28

高速道路で車間距離を詰められて腹が立ち、こちらも同じことをやり返してしまった。渋滞のなかで割り込まれ、思わずクラクションを鳴らし続けた。そうした一瞬の行為が、あおり運転として立件されることがあります。相手のドライブレコーダーに一部始終が記録されており、数日後に警察から連絡が来た、という相談は珍しくありません。

あおり運転は、2020年に道路交通法が改正されて妨害運転罪として明文化されて以来、取締りが強化されています。外国人の方の場合、刑事処分に加え、運転免許と在留資格という二つの資格に影響が及び得ます。本記事では、処罰の対象となる行為、事故につながった場合の責任、在留への影響を整理します。

あおり運転はどのような行為が処罰の対象になりますか

他の車の通行を妨害する目的で、特定の交通違反を行うことが処罰の対象です。道路交通法は、妨害運転の対象となる違反行為を10の類型として定めています。車間距離を極端に詰める行為、急ブレーキをかける行為、危険な進路変更や追越し、対向車線へのはみ出し、ハイビームやクラクションの執拗な使用、幅寄せなどの安全運転義務違反、高速道路上での不要な停車や著しい低速走行といったものです。

重要なのは、妨害する目的があったかどうかが問われるという点です。単に車間距離が短くなったというだけでなく、相手を威圧したり進行を妨げたりする意図が認められるかが判断の分かれ目になります。逆に言えば、この目的の有無をめぐって争う余地がある類型でもあります。

妨害運転罪の刑罰と運転免許への影響はどうなりますか

拘禁刑または罰金が定められており、さらに運転免許は取消しとなります。妨害運転罪は、通行を妨害して交通の危険を生じさせるおそれのある場合と、高速道路上で他の車を停止させるなど著しい交通の危険を生じさせた場合とに分けられ、後者の方が重い刑が定められています。

行政処分の面では、妨害運転を行った運転者は免許取消しとなり、一定期間は免許を再取得できない欠格期間が置かれます。仕事で車を使う方にとっては、刑事処分よりも免許の取消しの方が生活への打撃が大きいことも少なくありません。運送、建設、訪問介護など、運転が業務の前提となっている職種では、就労の継続そのものが問題になります。

あおり運転が原因で事故になった場合はどう扱われますか

危険運転致死傷罪という、はるかに重い罪に問われる可能性があります。自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律は、人や車の通行を妨害する目的で、走行中の車の前方で停止したり、高速道路上で他の車を停止させたりする行為を危険運転の類型として定めています。これによって人を死傷させた場合、通常の過失運転致死傷罪とは比べものにならない重さの刑が予定されています。

あおり運転の事案では、相手方の車が回避行動をとって単独事故を起こす、後続車が追突するといった経過をたどることもあります。自分の車が直接ぶつかっていないから責任はない、と考えるのは危険です。因果関係の評価は、接触の有無だけでは決まりません。

ドライブレコーダーの映像は自分に不利にも有利にも働きますか

どちらにも働きます。近年のあおり運転事件は、相手方や第三者のドライブレコーダーの映像が端緒となることが多く、映像は捜査機関にとって強力な証拠です。他方で、映像には事案の前後関係も記録されています。先に危険な割り込みをしたのは相手方だった、こちらは車線変更しようとしただけで妨害の目的はなかった、といった主張を裏づける材料になることもあります。

そのため、自分の車のドライブレコーダーの映像は、上書きされる前に速やかに保存してください。多くの機器は一定時間で古い記録を消していきます。取調べで映像の一部だけを示されて説明を求められることもありますので、全体の記録を手元に確保しておくことには大きな意味があります。

外国人が妨害運転罪で立件された場合、在留にどのような影響がありますか

結果の重さによって影響の程度が大きく変わります。妨害運転にとどまり、罰金または執行猶予付きの判決で終わった場合、その一事で直ちに退去強制の対象となるわけではありません。もっとも、在留期間の更新や在留資格の変更、永住許可、帰化の審査では素行が考慮されますから、不利な事情として評価され得ます。

他方、危険運転致死傷罪については注意が必要です。入管法24条4号の2は、別表第一の在留資格をもって在留する者について、一定の犯罪により有罪判決を受けた場合を退去強制事由と定めており、自動車運転死傷処罰法2条および6条1項の危険運転致死傷はここに含まれます。技術・人文知識・国際業務、技能実習、特定技能、留学といった在留資格の方は、この点を強く意識してください。また、入管法24条4号リは1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた場合を対象とし、全部執行猶予の場合は除かれています。

相手からあおられたと主張された場合、どう反論しますか

客観的な資料に基づいて、妨害の目的がなかったことを具体的に説明していきます。走行していた道路の状況、車線の数、前後の車両の位置関係、速度、当時の交通量、そもそもなぜその進路をとったのかという運転上の理由。これらを時系列に沿って整理し、映像や記録と突き合わせて説明することが基本になります。

言葉の壁がある場合、取調べで意図を正確に伝えられないまま、妨害の目的を認めたかのような供述調書が作られてしまうおそれがあります。納得できない内容の調書には署名しないという原則を、必ず守ってください。署名を求められて迷ったときは、弁護士に相談してから答えると述べて構いません。

逮捕された場合や勤務先に知られそうな場合、何をすべきですか

できるだけ早く弁護人を選任し、初期の段階から方針を立てることです。妨害運転の事案は、映像という動かしがたい証拠がある一方で、目的の有無、危険性の程度、被害の実態といった評価に関わる部分に幅があります。ここをどう主張するかで、不起訴や罰金にとどまるか、公判請求されるかが分かれることがあります。

被害者がいる事案では、謝罪と示談の申入れを適切な時期に行うことも重要です。勤務先への影響については、在留資格に応じた活動を続けられるかという入管法上の問題と直結しますので、刑事手続と在留手続を切り離さずに考える必要があります。当事務所では中国語の通訳を備え、捜査段階からの対応と在留への影響の見通しを一体としてご相談いただけます。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。担当する松村大介弁護士(第一東京弁護士会所属・登録番号59077・2019年登録)が、警察署での最初の接見から検察官との交渉、公判、その後の入管手続に至るまで全工程を直接担当します。事務員や若手弁護士が代わりに対応することはありません。

外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が手配する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を利用していただけます。取調べで何を話したのか、入管で何を聞かれているのかを正確に把握できる体制です。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更等については、提携する行政書士とワンストップで対応します。

  • 難関とされた在留特別許可を1回の手続で獲得した事例。観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの、在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された事案です。婚姻と認知の手続が未了で当局から一旦不受理とされたところ、松村弁護士が憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問・証人尋問を行いました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない困難な状況下でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析することで、1回の手続で在留特別許可を得ました。
  • 強制退去の危機にあった女性を救済した事例。冤罪により不法就労助長罪に問われ、強制退去の危機に瀕した女性の事案です。「退去強制事由には故意・過失を要しない」とされてきた従来の実務に対し、責任主義の射程を問う訴訟を提起して上訴審まで争いました。その後、入管から在留特別許可が認められました。

初回のご相談は無料です。費用は事案に応じてお見積りします。まずは現在の状況を整理するところから、一緒に始めさせてください。

おわりに

あおり運転は、一瞬の感情によって重い責任に結びつきやすい類型です。妨害運転罪にとどまるのか、危険運転致死傷罪にまで至るのか、また免許の取消しや在留審査にどこまで影響するのかは、事案の具体的な事実関係によって大きく変わります。ドライブレコーダーの映像を保存し、取調べで不正確な供述を残さないことが、その後の見通しを左右します。

なお、本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、ここで紹介した過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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