舟渡国際法律事務所

中国籍のご家族が「在留カード偽造」(製造側・使用側)で逮捕された方へ|不起訴処分と在留資格を守るための初動対応

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中国籍のご家族が「在留カード偽造」(製造側・使用側)で逮捕された方へ|不起訴処分と在留資格を守るための初動対応

中国籍のご家族が「在留カード偽造」(製造側・使用側)で逮捕された方へ|不起訴処分と在留資格を守るための初動対応

2026/05/14

中国籍のご家族が「在留カード偽造」(製造側・使用側)で逮捕された方へ|不起訴処分と在留資格を守るための初動対応

(2026年5月時点/松村大介 弁護士 監修)

1. はじめに:在留カード偽造事件の二つの層

近時、日本国内の在留カード偽造事件の報道が継続的に増加しています。警視庁国際犯罪対策課や各都道府県警の取締実績をたどると、これらの事件は大きく二つの層から構成されていることが分かります。第一の層は、偽造在留カードを「製造・販売する側」です。自宅にプリンターを設置して大量に偽造カードを作成し、ネット経由で1枚3,000円から数万円程度の価格帯で販売する類型がこれにあたります。第二の層は、偽造在留カードを「取得・使用する側」です。不法残留状態にある方や、資格外活動を続けたい方が、就業継続・銀行口座開設・住居賃借等のために購入し使用してしまう類型がこれにあたります。最近報じられた事案では、某中国籍男性の携帯電話から約200人分の偽造データが発見され、その半数近くが中国籍の方のカード情報であった旨が報じられています。

本記事では、報道された個別事件を素材としつつ、被疑者・被告人を特定する記述は行わず、同種類型の事件に置かれた中国籍ご本人・ご家族が押さえておきたい刑事手続の流れ、退去強制リスク、起訴前段階での不起訴処分獲得の意義、初動対応の要点を、一般的な解説としてご説明します。

2. 適用罪名と刑事手続の大まかな流れ

製造・販売する側には、刑法第155条の有印公文書偽造罪、第158条の偽造公文書行使罪(いずれも1年以上10年以下の拘禁刑)が適用されます。組織化・反復継続性のある事案では、組織犯罪処罰法第3条第1項の加重が併合される運用が一般的です。

取得・使用する側には、入管法第74条の6第1項の偽造在留カード等所持罪(1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金)、入管法第73条の2の不法就労助長関係の罪名が中心となります。これらに加え、当事者自身に不法残留や資格外活動などの基礎事由が併存する場合は、入管法第70条等と併合的に処理されます。

逮捕後、48時間以内に警察から検察官へ送致され、検察官は24時間以内に裁判官に対し勾留請求を行います。勾留期間は原則10日、延長されると最長20日です。この「逮捕から勾留決定までの72時間」が、弁護活動上もっとも決定的な局面です。

3. 外国人事件特有の退去強制リスク

入管法第24条第4号リは「無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者」を退去強制事由と定めています。在留カード偽造事件の有印公文書偽造同行使罪(1年以上10年以下の拘禁刑)が適用された場合、実刑のみならず、1年を超える拘禁刑(全部執行猶予付)であっても、本号該当の可能性は相当高いと考えるべきです。

使用する側の事案では、ご本人がそもそも不法残留(入管法第24条第4号ロ)や資格外活動(同号ハ)の状態にある場合が少なくありません。その基礎事由に偽造カードの使用が重なる構造になりますので、事実上、退去強制事由が二重・三重に重なる形となり、刑事処分の軽重が必ずしも退去強制処分の有無に直結しない点に、特に注意が必要です。

したがって、中国籍当事者にとっては、「執行猶予判決が付けば日本に居られる」という認識のままで弁護活動を進めると、ほぼ確実に退去強制の結果に至ります。当事務所の基本的なスタンスは、刑事段階では不起訴処分の獲得を最優先とし、退去強制段階では、入管庁公表事例との横並び対照(憲法第14条第1項の平等原則)と、責任主義の射程に関する論証(後述の解決事例D-2参照)を骨格に据えて防御線を組み立てるというものです。

特に使用する側の事案では、ご本人が「在留カード」という物の存在は認識していたものの、それが「偽造」であることまで明確に認識していたとは限らず、販売者からの欺罔的説明を信じていた事例も少なくありません。その場合、刑事段階での「未必の故意」の争点化と、退去強制段階での「故意・過失要件論」が、首尾一貫した防御線として機能します。これは当事務所の松村大介弁護士が一貫して展開している独自の論証視角です。

4. 起訴前段階における不起訴処分獲得の意義

日本に家族・お子様・就学就業基盤を有する中国籍当事者にとって、弁護活動の最優先目標は「起訴前段階で不起訴処分を獲得すること」に置かれるべきです。具体的な活動の内容としては、(1) 客観証拠の精密な分析(購入経路、支払方法、カードの実際の使用頻度・用途、所持期間など)、(2) 主観的要件の争点化(偽造性に対する未必の故意の不存在、販売者・紹介者からの欺罔的状況の具体的主張)、(3) 上申書・不起訴意見書の検察官への提出、(4) 必要に応じて雇用主・賃貸人等の関係者との事実関係の整理、といった一連のプロセスが必要となります。

日本の入管法に精通した弁護士は、起訴前段階の時点で既に「退去強制事由該当性」を視野に入れ、刑事面の不起訴獲得と入管面の在留資格保全という二重の防御線を意識して活動します。多くの事件において、刑事段階で得られた不起訴処分自体が、その後の退去強制段階における最有力の弁論材料となります。

5. 初動対応で押さえておきたい3つのポイント

第一に、黙秘権の行使です。日本国憲法第38条第1項、刑事訴訟法第198条第2項は、被疑者に黙秘権を保障しています。在留カード偽造事件のご本人は、「自分は買って使っただけで、詐欺集団ではない」というお気持ちから、つい全面的に供述してしまいがちです。しかし、まさにその「偽造性に対する未必の故意の有無」が、不起訴処分獲得の鍵を握る争点ですから、弁護人と接見する前に、警察・検察の取調べに対し詳細な供述を行うことは避けるべきです。

第二に、早期の弁護人選任です。「当番弁護士」制度により、警察留置期間中に1回だけ無料で弁護士の接見を受けることはできますが、その後の手続を継続的にカバーするものではありません。逮捕の知らせを受けたご家族の方は、当番弁護士の接見を待つだけでなく、早期に私選弁護人を選任していただくことを強くお勧めいたします。

第三に、通訳の質の確保です。捜査機関側が指定する通訳人の中立性には限界があり、訳出のニュアンスの僅かな違いが、供述調書の内容を通じて公判に致命的な影響を及ぼす場合があります。当事務所では、独立した中国語専属通訳を常時配置することで、このリスクを大幅に低減しています。

6. 当事務所の弁護体制と解決事例

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、第一東京弁護士会所属の松村大介弁護士(登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野としております。

在留カード偽造事案と論点を共通にする当事務所の解決事例として、次の3点を簡潔にご紹介します。

第一に、観光目的で来日された相談者が日本人女性との間にお子様を授かったものの、在留資格を喪失し不法滞在で起訴された事案において、当局との粘り強い交渉により婚姻・認知の手続を成立させ、入管庁の公表事例を横断的に分析した上で、難関とされる在留特別許可を1回の申請で獲得した実績がございます。本件は「公文書周辺証拠の精密な分析能力」を要求された事案であり、在留カード偽造事案の論証構造と高度に共通します。

第二に、不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に瀕した依頼者について、前例の少ない在留特別許可を獲得した実績がございます。これは責任主義の射程を行政処分の判断にまで及ぼした画期的な成果であり、在留カード偽造事案の使用側における「故意・過失要件論」の論証骨格を、そのまま援用できる事例です。

第三に、覚醒剤取締法違反(営利目的所持)事案で無罪判決を獲得した実績がございます。この事案で発揮された「客観証拠の徹底的な分析能力」「主観的要件の精密な争点化能力」は、在留カード偽造事案における「偽造性に対する未必の故意」の争点化と、構造的に同型です。

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員や若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。さらに、提携する行政書士と連携し、刑事手続終了後の在留資格更新・変更等の手続まで、ワンストップでご対応いたします。

7. むすびに

在留カード偽造事案では、製造する側と使用する側とで、刑事段階の罪責構造は異なるものの、退去強制段階ではほぼ共通して厳しい局面に直面します。逮捕後の72時間が決定的な勝負所です。ご家族・ご友人がこの種の事件に巻き込まれた場合は、その「黄金の窓」のうちに、日本の入管法に精通した弁護士へご連絡いただき、刑事面の不起訴と在留資格面の保全という二重の防御線を整えていただければと存じます。

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得、不法就労助長罪認定事件における前例の少ない在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

連絡先

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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