舟渡国際法律事務所

海外詐欺拠点(スリランカ・東南アジア等)に関与し日本の特殊詐欺・SNS型投資詐欺事案の共犯と認定されてしまった中国籍当事者の方とそのご家族へ|起訴前段階での不起訴処分獲得と退去強制リスクをめぐる弁護方針

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海外詐欺拠点(スリランカ・東南アジア等)に関与し日本の特殊詐欺・SNS型投資詐欺事案の共犯と認定されてしまった中国籍当事者の方とそのご家族へ|起訴前段階での不起訴処分獲得と退去強制リスクをめぐる弁護方針

海外詐欺拠点(スリランカ・東南アジア等)に関与し日本の特殊詐欺・SNS型投資詐欺事案の共犯と認定されてしまった中国籍当事者の方とそのご家族へ|起訴前段階での不起訴処分獲得と退去強制リスクをめぐる弁護方針

2026/05/11

海外詐欺拠点(スリランカ・東南アジア等)に関与し日本の特殊詐欺・SNS型投資詐欺事案の共犯と認定されてしまった中国籍当事者の方とそのご家族へ|起訴前段階での不起訴処分獲得と退去強制リスクをめぐる弁護方針

一、はじめに|事件構造の広がりと中国籍当事者の方々が巻き込まれる経路

2026年5月10日付の時事通信報道によれば、スリランカ警察は本年1月以降、同国内に設置された国際オンライン詐欺拠点に関与した疑いで、外国人計600人超を逮捕しているとのことでございます。逮捕者の中心は中国籍の方々で、最大都市コロンボ近郊の一拠点だけでも中国籍37人が拘束され、タブレット端末35台・携帯電話147台・SIMカード100枚が押収されたと報じられています。背景として、これまで詐欺拠点の中心地であったミャンマー・カンボジアにおける各国当局の取締強化を受け、犯罪組織がビザの取得が容易で地理的利便性も高いスリランカへ拠点を移しつつあるという構図が浮き彫りになっております。

こうした海外拠点型の詐欺事件において、最終的な被害金は、中国国内・日本国内に配置された「出し子」「受け子」「マネー・ミュール口座」を経て回収される構造となっており、被害者は日本全土に及び、被害総額も年々深刻化しております(警察庁令和6年統計:SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の認知件数10,237件、被害額1,271億9千万円。いずれも過去最悪水準)。

このような国際化された詐欺構造において、中国籍当事者の方が巻き込まれる経路は決して一つではございません。「短期で高収入が得られる海外アルバイト」との触れ込みでスリランカ・カンボジア・ミャンマー等の現地拠点に渡り「掛け子」(日本の被害者に電話をかける実行役)を担われた方、日本国内で微信(WeChat)・小紅書(RED)等を通じて募集に応じ、マネー・ミュール口座の名義貸し役・現金回収役・現金預け入れ役を担われた方、さらには帰国・出国の際に日本捜査当局が国際刑事共助を通じて身柄確保し、日本に戻られた時点で逮捕に至る方など、関与の入り口は多岐にわたります。

本記事では、こうした海外拠点参加型詐欺事件についての刑事弁護の要点を、特に中国籍の当事者ご本人とそのご家族の方々が直面される「退去強制(強制送還)リスク」と「起訴前段階での不起訴処分獲得」を中心に、当事務所での実務経験を踏まえ整理してご紹介申し上げます。

[手続流れ]

この種の事件における日本国内の刑事手続は、おおむね次のような経過をたどります。第一段階として、日本の警視庁等の捜査機関は、国際刑事警察機構(インターポール)を介して現地国当局(スリランカ警察・カンボジア警察等)から、拘束された当事者の身上情報・押収資料(携帯電話・PC・通信記録)を取得いたします。第二段階として、当事者が日本に戻られた時点(ご本国当局からの送還、もしくはご自身の入国の際)で、詐欺罪(刑法246条・10年以下の拘禁刑)、組織的犯罪処罰法違反(同法3条1項13号・1年以上の有期拘禁刑)、私電磁的記録不正作出・行使罪(刑法161条の2)、犯罪収益等隠匿罪(組織的犯罪処罰法10条・5年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金)等の罪名により、現行犯または通常逮捕されます。第三段階として、48時間以内に検察官に送致され、引き続き勾留請求10日間、最大さらに10日間延長され、合計20日間の身柄拘束に至ります。第四段階として、勾留期限満了前に検察官が起訴・不起訴を決定いたします。

ここで特にご留意いただきたいのは、海外拠点型詐欺事件の多くが「組織的犯罪」として扱われるため、被害者ごと・行為段階ごとの「再逮捕」が頻繁に行われ、捜査期間が数か月単位にまで及ぶことがある点でございます。中国籍の当事者の方やそのご家族の方々が「日本の警察は拘留期間が短い」という一般的印象でご対応に入られますと、実際の身柄拘束の重大性を見誤るおそれがございます。

[退去強制リスク]

本類型事件における最も致命的な論点は、何と申しましても退去強制(強制送還)のリスクでございます。入管法24条4号リは「無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者」を退去強制事由として規定しております。詐欺罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」ですが、組織的犯罪処罰法3条の加重詐欺罪の法定刑は「1年以上の有期拘禁刑」とされており、後者は法定刑の下限自体が1年以上となっております。したがって、組織的犯罪処罰法上の加重詐欺罪で起訴され、最終的に有罪判決を受けますと、たとえ宣告刑が1年以下であって全部執行猶予が付されたといたしましても、加重詐欺罪本来の構造上、入管法24条4号リの「1年を超える拘禁刑」要件への該当が問題となりうる場面が生じます(全部執行猶予の場合の除外規定は存しますが、宣告刑が実質的に1年を超えない範囲に限られます)。すなわち「執行猶予判決を得られれば日本に居住し続けられる」という単純な理解は、本類型事件においては極めて危険でございます。

さらに、入管法24条4号ロ(資格外活動)、ハ(不法残留)、ヘ(資格外活動の反復)といった他号との並行的適用も生じうるところでして、留学や技人国の在留資格をお持ちのまま長期にわたって詐欺稼働行為を行われた場合、詐欺罪に加え資格外活動違反による退去強制事由も同時に成立するおそれがございます。

加えて、退去強制事由判断における故意・過失要件論は、当事務所がご当事者の方々のために最も重視している独自の論点でございます。入管実務は長年にわたり「退去強制事由の判断に故意・過失は不要」との立場を採用してまいりましたが、当事務所の松村大介弁護士は、現に係争中の事例(後述の事例D-2)におきまして、責任主義(憲法31条・13条・14条1項)の射程が退去強制処分にも及ぶべきことを正面から主張しております。海外拠点型詐欺事件において、実際にはマネー・ミュール口座の名義貸し役のみを担い、組織の内部構造を一切ご存知でなかった中国籍当事者の方々こそ、まさにこの論点が最も実益を発揮する被告人類型でいらっしゃいます。

[不起訴処分の重要性]

以上のような構造を踏まえますと、本類型事件における弁護方針は、決して「執行猶予判決の獲得」を最終目標とすべきではなく、起訴前段階における不起訴処分の獲得を最優先目標として組み立てるべきと存じます。不起訴処分とは、検察官が勾留期限満了前に、証拠不十分、嫌疑不十分、または情状特に酌量すべき事由ありと認められた場合に下す、起訴しない旨の処分でございます。不起訴処分が獲得できた場合、当事者の方には前科がつかず、いかなる拘禁刑の宣告も受けないことになるため、入管法24条4号リ・ロ・ハ・ヘ等の退去強制事由はいずれも適用の余地がなくなり、結果として在留資格を守り抜くことが可能となります。

不起訴獲得のための具体的な弁護活動としては、第一に、中国籍当事者の方への丁寧な接見と事実関係の再構成を通じて、関与時期・認識程度・受領報酬額・組織内での実質的地位を明確化することがございます。第二に、特にマネー・ミュール口座の名義貸し役・現金回収役等の末端関与者については、組織上層部からの欺罔・脅迫的状況を主観的事情として強調し、共謀共同正犯の否認または幇助犯への降格を主張いたします。第三に、被害者の方々一人ひとりに対する弁償・和解交渉を進め、被害弁償を不起訴裁量における重要情状として活用いたします。第四に、検察官に対し、本案の具体的証拠状況を踏まえた詳細な意見書を提出し、合理的疑いの存在する事実争点を逐一指摘いたします。

入管法に精通していない弁護人を選任された場合、しばしば「執行猶予の獲得=ご当事者の方の救済」と誤解され、執行猶予判決が下されたとしても入管法24条4号リの退去強制事由には依然として該当しうる、というこの致命的な構造を見落とされるおそれがございます。当事務所の弁護活動は、接見の初動段階から退去強制リスクを戦略の中核に据え、刑事処分と入管処分を一体的な課題として取り扱うことを基本方針としております。

[初動対応3ポイント]

海外拠点型詐欺事件における初動対応として、次の3点が特に重要でございます。第一に、黙秘権の適切な行使でございます。日本国憲法38条1項および刑事訴訟法198条2項に基づき、被疑者の方には自己に不利益な供述を拒む権利が保障されています。組織の内部構造・他の共犯者の実名・通信内容等のセンシティブな事項については、弁護人が到着するまで軽率にお答えにならないこと、そして供述調書の内容は一条ずつご確認の上で署名されることが何より重要でございます。第二に、早期の弁護人選任でございます。本類型事件は組織的犯罪処罰法・犯罪収益等隠匿罪等の複数罪名が並存するため、再逮捕リスクが高く、勾留期間も長期に及びます。経験ある弁護人の介入が早ければ早いほど、身柄解放および不起訴獲得に有利となります。当番弁護士制度は応急対応として有効ではございますが、継続的な弁護活動はできる限り早期に私選弁護人へ移行されることをお勧め申し上げます。第三に、専属通訳の確保でございます。警察・検察が指定する通訳人は一般的な翻訳能力をお持ちですが、中国語の方言(普通話・広東語・閩南語・上海語等)対応や、中日の法律用語の翻訳精度において、必ずしも弁護のニーズを満たすとは限りません。当事務所では外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、接見・打合せ・検察官交渉等の全場面で同行可能ですので、供述調書の訳出ニュアンスのズレに起因する不利益を、最初の段階から防ぐことが可能となっております。

[事務所案内]

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が独力で運営する、中国籍の依頼者の方々を中心とする外国人刑事弁護および入管手続を主たる注力分野とする事務所でございます。これまでに以下のような解決実績を積み重ねてまいりました。

たとえば、事例B-2でございます。特殊詐欺の「受け子」事案におきまして、同一被告人につき複数回にわたる再逮捕の全件について不起訴処分を獲得した実績がございます。また、事例B-1としまして、特殊詐欺の「出し子」行為に関与したとされた20代女性につき、指示役からの欺罔・脅迫的状況および犯意の不存在等の主観的事情を総合的に主張立証し、不起訴処分の獲得に至った事案もございます。さらに事例F-1として、海外SNSを使用した侵害事件において、日本の警察と国際刑事警察機構(インターポール)の協同捜査により、刑事告訴の受理に至った事例もございました。そして、事例D-2におきましては、入管法73条の2不法就労助長罪の認定事件において、入管実務上前例のない在留特別許可を獲得した実績を有しており、責任主義の射程を行政処分にまで及ぼす論点を、現実の実務において結実させております。

当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。万一、退去強制手続段階に進んでしまった場合にも、事例D-1として困難な事案を「一発」で在留特別許可獲得まで至らせた実績を踏まえ、刑事手続後の入管局面にも一貫して対応可能でございます。当事務所は提携の行政書士事務所とも連携しており、刑事手続終結後の在留資格更新・変更等の手続にもワンストップで対応申し上げます。

[結語]

海外拠点型詐欺事件における中国籍当事者の方とそのご家族の方々が直面される最大の脅威は、単なる「刑事処分」ではなく、「刑事処分+退去強制+日本への再入国不能」という三重の打撃でございます。本類型事件におきましては、何卒、逮捕の最初の時点から、入管法に精通した弁護人にご相談いただき、不起訴処分の獲得を最優先目標とすることで、「執行猶予を得ても結局は強制送還される」という最悪の結末を回避していただきたく存じます。

本記事は一般的な解説でございまして、個別の事案については弁護士に直接ご相談くださいますようお願い申し上げます。

過去の解決事例は個別の事情に基づくものでございまして、同様の結果を保証するものではございません。

[執筆者]

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得、不法就労助長罪認定事件における前例のない在留特別許可獲得等の解決実績を有する。

二、刑事手続の流れ(逮捕から起訴までの概要)

三、退去強制(強制送還)リスクの多層構造

四、起訴前段階での不起訴処分獲得の決定的重要性

五、初動対応における3つの重点(黙秘・早期弁護人選任・専属通訳)

六、当事務所の代表的な解決事例と対応体制

七、結語

執筆者情報

連絡先

舟渡国際法律事務所

網站:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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